1月20日(水)、全日本美容業生活衛生同業組合連合会(吉井眞人理事長)の「第366回理事会」が、東京・千代田区のホテルニューオータニにて開催された。理事会閉会後には午後4時から国会議員をはじめ、美容業界内外から多くの来賓を招いて新年懇親会が催され、新しい年のスタートを切った。

 開会に先立ち吉井理事長が挨拶し、美容業の現状について「アベノミクスによる成果は一部見られるものの、なかなかか我々中小零細事業者である美容業には至っていない。サービス業全般厳しい状況が続いており、連合会として一丸となって取り組んでいく必要がある」と語った。
 そして、課題として(1)人手不足 (2)低価格 (3)顧客離れ の3つを挙げ、?については労働環境の改善や、社会保険加入についての判断・選択の必要性を指摘。(1)については、美容所数、美容師数が増加する中、売り上げ低迷による価格競争がさらに低価格を呼んでいるとして、技術を柱とした価値の提供で適正な価格の維持に努めるべきと提言した。
 また、(2)(3)については、webの事前予約という利便性を謳った集客手法が、恒常的な割引や低料金の業態につながり顧客離れの要因ともなっていると指摘。既存の顧客により一層集中し価値を高めると共に、高齢社会における在宅、出張美容など新たな業態変化に対応していくことが重要と語った。
 さらに現状を改善していくキーワードを、「労働生産性を上げ、分配率を変えていくこと」として、「少子高齢という縮小、成熟市場において低価格では限界があり、様々なトラブルも介在してくる。美容業本来の技術、接客の向上を実践し、従業員の満足度を高め、顧客の満足度を高めていくことが大切になる。連合会として、これまで以上に学校、教育現場と連携し、特に地方における人材、雇用の創出をはかり元気にしていくことが業界の発展にもつながると認識し、課題解決に当たっていく」と語った。
 最後に、「美容業が将来に向け夢を持って従事できることが第一で、その意味ではその意味では1昨年立ち上げた美容連合会BMS(Beauty Management Support System)の充実をはかり、創業支援、経営支援を積極的に行っていくことで地域の美容の発展にもつながる。それぞれの事業を連動していくためにも、皆様の協力をお願いしたい」と結んだ。

 理事会は議長に藤原國明副理事長が指名され、議事に先立ち役員勤続15年、同5年、事務局勤続8年2名の表彰、総合福祉共済制度加入者増強キャンペーンに関して12組合の表彰が行われた。また、昨年10月19日に北海道・京王プラザホテル札幌で行われた第43回全日本美容技術選手権大会の開催のお礼を、北海道の藤原理事長が行った。
 続く議事は、細井重憲事務局長からこの日の配布資料(会議資料、配布資料1〜10、その他資料)の確認説明が行われた後、(1)組織強化・経営支援委員会 (2)事業教育委員会 (3)共済委員会 (4)広報委員会の順に活動状況について報告。
 (1)では、現状13県11支部の24で行っている労働保険代行事務を、労働環境向上の第一歩として全県で実施できることや、各都道府県で営業実態がなにもかかわらず廃業届の出ていない美容所の実態の調査などが挙がられた。
 また、(2)ではトップマスターズモードの伝達講習の47単組での実施に関連して、同テキスト購読率57%の向上を踏まえ、経営支援につながる情報も充実させる方針や、訪問美容事業に関して10組がモデルとなり実施してきた講習のフォローアップ、10組合以外での新たな実施、DVDによるガイドブック作成の方向などが示された。また、高齢者向けの施設やサービスの業態の変化を踏まえ、訪問美容だけでなく施設内への美容所の導入などについても関係先などにアプローチしていくことや、斡旋事業で訪問美容に関する機材・器具の取り扱いを検討することなどについても言及された。
 (3)については継続事業として引き続き加入者増強運動を実施していくこと、(4)については機関紙『ZENBI』の購読率75%以上を全県で実現すること(現状18県)、同じく広告ページとして設けているっ各都道府県の特産物の紹介、昨年の作文コンクールの入賞者との座談会が2月号に掲載されていることなどが報告された。

  この後、吉井理事長が今年大分・別府市で開催する第44回全日本美容技術選手権大会について会場の使用上、競技部門を減らして実施することを報告。ヘア3部門(ヘアスタイル競技、ストリートカット競技、カット&ブロー競技)と、着付2部門(花嫁化粧着付、中振袖着付)、ネイルアート(チップ)1部門で行い、洋装ブライダル、メイクについては実施を見送ることを説明。来年第45回同大会を徳島県で開催することも併せて報告した。
 さらに事務局報告として細井事務局長が11の項目につて資料を基に説明。そのうち主な内容は以下の通り報告された。
(1)昨年度、厚生労働省の補助金事業として指定された生活衛生関係営業好循環促進計画策定事業に関して「好循環促進計画策定検討会」を設け厚生労働省に答申し、承認済み。美容業としては、生産性の向上を課題に教育、処遇の改善に絞り込み、従業員満足を高め、顧客満足につなげる計画を5年で推進していく。
(2)昨年6月に閣議決定された規制改革実施計画の美容業に関して、全美連として3つの項目に絞った検討資料を1月14日に行われた厚生科学分科会に提出済。このうち美容師・理容師の養成のあり方については、厚生労働省において検討会が設けられ9月をめどに措置が決定の見込み。また、出張理美容の対象範囲の拡大については近く厚生労働者王から措置が通知予定のほか、実施主体や衛生管理について美容師法の主旨である衛生面の担保を根拠に検討するよう要請している。
(3)生活衛生業16業種を指導する全国生活衛生営業指導センターから標準営業約款の見直しを図るよう指示が出ており、理容業は営業種目の追加(パーマネントウエーブ、染毛、エステ、ネイル、訪問福祉、ウィッグ等)を含む案を提出済だが、全備連として、美容業はまず消費者の意見のヒアリングを前提に検討し具体案を検討していく予定。
(4)美容師国家試験に合格した後、免許の申請を行わず無免許の状態で従事する例が目立っている。理容師美容師試験研修センターを通じて免許申請を徹底する。
(5)全美連として進めてるハートフル美容師が7,000名を超え、認定講習の受講者が減少していることから、講習、テキスト内容の改訂も踏まえ、平成28年度までに見直し検討。

 最後に、全日本美容講師会事務総長を務める西井十六勝副理事長がコンテスト講師の養成講習実施の状況やフォローアップ、2期目の募集などいついて報告。また、日本着付学術学会の各県ブロック講習実施につて原 恒子副理事長が報告した。第44回全日本美容技術選手権大会の開催を務める大分県の野田皆子理事長が改めて挨拶し、会員の参加を呼びかけ、理事会は終了となった。

 午後4時から会場を移して催された新年懇親会には、国会議員、厚生労働省関係者、関連団体、メーカー、商社、養成施設など多くの来賓が集まり、新年を寿ぎ懇親を深めた。