資生堂プロフェッショナル株式会社(兵沢清美代表取締役社長)は3月7日(月)、東京・港区のザ・プリンスパークタワー東京にて、「資生堂プロフェッショナル ビューティーコングレス2016」を開催した。アジア各国のサロンも招いて開催しているもので、4回目となる今年は8カ国から多くのサロンオーナー、スタッフが集まった。

 午前10時半にスタートしたアジアからの参加者に向けたプログラムは、資生堂株式会社のカタリーナ ヘーネ グローバルプロフェッショナル事業本部長の挨拶に続いて、まず株式会社ミンクスワールド代表・高橋マサトモ氏によるビジネスセミナーで開演。

 高橋氏は、次の時代のサロンづくりを目指し、5年前から進めてきたリニューアルの状況について5店舗の状況を紹介した後、創業以来31年間2ケタ成長を続けてきた『MINX』の歩みの中で得てきた経営哲学や信念について語った。スタッフが商品となる美容室経営では、スタッフが常に向上欲を持ち勉強する習慣を身に付けることが基本で、そのために経営者自らが常に勉強し、スタッフにサロンの精神やスピリットを語り、理解してもらうことの重要性などについて解説。 『MINX』の強みは、美容師として勉強が好きになれる風土が育まれたことにあるとして、具体的な考え方や実践例を紹介した。
 配布資料も用意し、「夢を叶える7つの法則」として、(1)夢を持つ (2)始める・行動する (3)いつもポジティブに (4)笑顔を忘れない (5)人への感謝を忘れない (6)勉強する (7)決してあきらめない、といったポイントや、技術やサロンワークのルールとなる「MINX 5原則」として、「イメージを持って仕事に入る」「1回で決める」「過度に髪の毛を濡らさない・適度な仕込み」「フォームがすべて」「鏡の中で仕事をする」、といった実践のポイントなども説明。
 また、組織における「2:6:2の原則」と幹部育成の重要性を「幹部を選ぶ7カ条」として解説したほか、人としての成長について、STEP1「正直」な人になる〜世の中から信用される人になる→STEP2「誠実」な人になる〜世の中から信頼される人になる→STEP3「公明正大」な人になる〜世の中から尊敬される人になる、と説明し、それぞれの具体的なポイントを交え語った。

 さらに、「スタッフがサロンを辞める理由」や、辞めいないための「安心のサロンをつくる仕組み」についても具体的なポイントを挙げて解説し、最後に、「経営の法則 10カ条」として、「経営〜どうしたら人に幸せを、喜びを与え続けることができるのか考え、実践する」「着眼発展〜過去の自分(会社)より確実に発展、成長すること、過去の自分(会社)の業績と競争する」「挑戦〜トライなくして発展なし、発展なくして経営なし」「行動〜トップ自ら行動する」「話す〜大切なのは、現在の行動と将来への思考」「聞く〜トップが皆の意見を自ら集めれば、組織のレベルは必ずアップする」「目標〜基本理念+具体的目標+最終目標」「決断実行〜スピード、決断、実行なきサロンでは、必ずスタッフがやる気を失う」「情報公開〜透明なサロン経営の進め方、サロンは公のもの」「信用信頼〜スタッフは間違いなく「信頼」に答えてくれる存在」 を挙げて説明。最後に、「母親が子供に愛情を注ぐように、惜しみのない愛情を持って向き合うことで強い信頼とパートナシップが生まれ、サロン経営に還ってくる」と締めくくった。
 およそ1時間、同時通訳とスクリーン上の英文、中文での字幕を通して披露される高橋氏の言葉のひとつひとつに、集まったアジアの観客も耳を傾け拍手を送っていた。
 休憩を挟んで行われた『kakimoto arms』と『VeLo』チームによるテクニカルデモンストレーションでは、次々と披露されるカラーデザインと技術に、多くの参加者が熱い視線を送り見守っていた。

 これと並行して隣接する会場では、12時40分から国内の代理店、サロン関係者に向けた方針発表会が行われた。
 冒頭で再び資生堂(株)のカタリーナ ヘーネ グローバルプロフェッショナル事業本部長が挨拶した後、兵沢社長が登壇。サロン市場の現状と課題について分析した後、「サロン業界の悩みに応え、サロンオーナーの隣に立つパートナーとして支えていく」と語り、自らも含めて新体制となった2016年の方針とサポート施策について語った。


 資生堂がその歴史の中で育んできた3つの価値「RICH」「HUMAN SCIENCE」「OMOTENASHI」について紹介しながら、これらによって「一瞬も一生も美しく」というお客さまとの関係づくりを使命とすることを説明。サロンがお客さまのプロフェッショナル事業でも同様に「生涯、お客さまが通い続けるサロンづくり」が使命であり、「TIMELESS BEAUTY」をそのコンセプトとし、その実現のために、1.LOGIC 2.METHOD 3.TREND 4.OMOTENASHI 5.PRODUCT の5つの資源を活用しサロンをサポートしていることを宣言した。
 主には、1.と2.で資生堂独自の似合わせ理論「ベストマッチング理論」によるカウンセリング力・デザイン提案力の向上、スキンケアのノウハウに基づくマッサージメソッドを取り入れたヘッドスパとスパニスト養成カリキュラム、肌色タイプやなりたいイメージに合わせたヘアカラー提案「スキントーンマッチング コンサルテーション」など、3.では主要コレクションなどの「FACE BOOK」を通した発信、4.では、行動科学による分析や感性工学による検証に基づき、資生堂BC(ビューティーコンサルタント)のクレドでもある「OMOTENASHI」を通して、蓄積された「接客スキル」「カウンセリングスキル」「売り方スキル」などのサロンでの活用検討などについて説明。5.では『THE HAIR CARE』シリーズの充実、スキンケア成分「Sヒアルロン酸」配合のヘアカラー『PRIMIENCE』『PRIMIENCE ENRICH』による提案、第3次『ザ・ヘアケア アデノバイタル アドバンスト スカルプ エッセンス』の4月発売、同じく『ADブースター』の改良リニューアル版の7月発売などについて説明した。
 また、「パートナーズサロン」が1,900社6,600店、さらに「1.技づくり」「2.人づくり」「3.店づくり」「4.絆づくり」を協働で包括的にサポートする「シンボリックサロン」が580店にまで伸びたことを説明し、その実際のサポート事例として、『Yoshiつねグループ』『Bee Ms』へのインタビューVTRで紹介。こうしたサポートによる「TIMELESS BEAUTY」の実現を、「独自の技術と仕組みを一緒に学び、創る」と表明し、具体的な取り組み事例や成果の発表、各種表彰などにより絆を強め知恵を共有する場として今年11月に「シンボリックサロン フォーラム」を開催することを発表した。

 最後に、自らを含む今年1月からの役員体制について紹介し、藤井恵一執行役員常務経営企画部長、糯田耕造執行役員常務営業部長の就任を紹介。これを受けて、藤井経営企画部長が、2016年のマーケティング施策について発表。カラー、スカルプケア・育毛、パーマなどの製品戦略、さらには覆面調査に基づく「21世紀型 繁盛サロンプロジェクト」について、取り組み事例のインタビューVTR(C5、電髪倶楽部、MINX青山、Neolive)を交えて紹介した。

 この後ステージでは、フォトコンテスト「BEAUTY INNOVATOR AWARD 2015」の表彰式が行われ、マサ大竹審査委員長と、ファイナリストの田中美名さん(titian by IZA)、内海美和さん(Skyward)、大西晃一郎さん(ARIREINA)、栗山宏美さん(Bead’s)、星屋和秀さん(IZA)が登場。グランプリには田中美名さんがコールされ表彰された。



 休憩、昼食を挟み、国内、アジアの参加者合同のプログラムに移り、ビジネスセミナーとして株式会社銀座テーラー代表取締役社長・鰐渕美恵子さんによる講演、「BEAUTY INNOVATOR AWRAD 2015」のアジア8カ国のグランプリ発表と合同表彰式、さらにアジアステージ(ヒョンテ・RA BEAUTY CORE)、ジャパンステージ(森内正樹・GARDEN、岡村享央・MINX、宮村浩気・AFLOAT)、資生堂ステージ(谷口丈児、中村潤、進藤郁子、石塚由香、神宮寺芳子)の3部からなるヘアショーが披露された。
 終了後には懇親会が用意され、日本、アジアの参加者が約1時間半、交流を楽しんだ。