衣紋道高倉流たかくら会東京道場(荘司礼子会頭)は3月29日(火)、明治神宮・参集殿にて装束劇「源氏物語〜衣えらび〜藤壺入内」を開催した。この催しは東京道場が毎年、明治神宮・参集殿で恒例として行っているもので、美しい装束の数々と演者たちの演技で、雅な宮中の儀式などを再現するもの。今年の題材は「源氏物語・桐壷」が選ばれた。
午前10時とともに参集殿の全体照明が落とされると、観衆が静かに見つめるなか、スポットライトを浴びた演者たちが舞台に登場した。
藤壺が帝に入内するにあたり、女官たちがその装束を選ぶというストーリー設定で、用意された多数の装束から女官たちはそれぞれ意中のものを選び出し競い合い、直衣姿の男性装束の演者たち、警護に当たる「随身」役の演者たちがその様子を見守った。
藤壷は亡き桐壺の面影に似た美しい女性で、女官たちの「衣えらび」も熱が入り、色とりどりの多くの装束が披露された。女官たちの装束が着付け終わると観客の拍手によって藤壺の装束は無事に決まり、有職文化を再現した雅な装束劇は終了となった。
明るくなった場内では、装束劇に引き続いて、仙石宗久高倉流宗会頭による解説が行われ、清少納言『枕草子』との対比や、装束の詳細な説明が行われた。会場に詰めかけた同会会員をはじめ約300人の観衆はユーモアあふれる解説に聴き入り、きらびやかな装束にため息をついていた。
最後に、荘司礼子東京道場会頭が「皆さまのおかげで今年も無事開催することができた。朝早く、また遠いところからご来場いただき感謝している。普段は装束を学び、教えている演者たちも今日の舞台は四方のお客様から見つめられ難しかったと思うが、これで東京道場は一つになることができた」と挨拶した。
明治神宮の静かな杜で繰り広げられた華やかな平安宮廷絵巻は満場の拍手のなか幕を閉じた。
なおこの装束劇は9月26日(月)に「ロームシアター京都」で拡大公演が予定されている。