髪の悩みを解決して、幅広い年齢層のお客様に支持されているCocoonのキッカワミワさん。「骨格・髪質・毛流といった素材に対応する方法を、若い頃の自分は全く持っていなかった」と過去を振り返ります。そんな彼女を救った「ノンブローカット」についてお話を聞きました。
まとまりやすい髪に導くカット①は こちら
基本に素材対応が組み込まれている

キッカワさんのインスタグラム@cocoon_kikkawaより
――キッカワさんも、最初はブローで伸ばすことを前提としたカットを学んだんですよね。
キッカワさん 20代前半、Cocoonに所属する前のことですね。その頃は引き出す角度とか、高さとか、切り方ばかり覚えていました。それでウイッグに合格していざ人の髪をカットしようとすると、茫然とするくらい切れないんです。当たり前ですけど人の頭には髪質・骨格・毛流の違いがあるわけで、それに対しての解決策がまったくないという状態。ウイッグと同じように切るしかないから、問題部分はセニングでぼかして、アイロンで修正して、くらいしか方法がなかったんです。
お客様と向き合えるカット技術
――時代によって「カットが上手い」の基準は変わるのかもしれませんけど、今の時代のカットの上手さって、素材対応に尽きるのかもしれません。
キッカワさん 素材を無視して作り上げていくというのはどこかで無理が出てきてしまう、とCocoonで最初に教えてもらいました。スタイルを切ることを目指しているうちは、お客様の悩みへの対応がしにくいんじゃないかと思います。ノンブローカットの場合、とことん素材……骨格・毛流・髪質に合わせてカットするので、問題解決にたどり着きやすいんですね。私も以前はショートスタイルやくせ毛のお客様をカットするのが怖かったんですけど、今では難しい素材への対応方法が頭に浮かぶようになったんです。

キッカワさんのインスタグラムcocoon_kikkawaより
――スタイルの切り方じゃなくて、髪質・骨格・毛流の対応の仕方を教えるベーシックと言えますね。
キッカワさん そうですね。はちはり、ゼッペキ、前髪が割れる…といった問題の前で、若い頃の私は立ちすくむしかなかったんです。でもこのカットに出会ってからは、お客様の悩みを解決できる。ノンブローカットはスタイルのカット技術ではなく、お客様と向き合えるカット技術だと思っています。カットをした後、悩みだった自分の髪質が好きになった……そういう方をもっともっと増やしたいですね。
毛先よりも根元を見て。
――これからノンブローカットを学ぼうとする美容師さんにアドバイスするとしたら?
キッカワさん ひとつ言うとしたら「毛先じゃなくて根元を見る」でしょうか。毛流に合わせて切るのが、乾かしただけでまとまるカットのポイントですから。私も最初は「毛流を見て」と言われても、何がなんだがわからなかったのですが、「髪が落ちる位置……毛流れ……」と呪文のように繰り返していたら、頭の上に髪の毛が積み重なっていくイメージができるようになりました。実際に切るのは毛先ですけど、ポイントは根元です。まずはコーミングから! 根元を意識して切ってみてください。
プロフィール/キッカワミワ(Cocoon)
表参道・銀座に2店舗を展開しているCocoonのスタイリスト。サロンが打ち出しているノンブローカットのセミナー講師を務めるほか、大手メーカーのスタイリング剤プロデュースも担当している。インスタ @cocoon__kikkawa では同世代女性に向けて、ヘアだけでなくメイク情報も発信している。
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