特化型サロンの打ち出し方② hair’s LOG 小野敦之さんに聞く

毛髪やケミカル関連には20代の頃から興味があったという小野敦之さん。長年続けているヘアケアブログは、「読んだ人に役に立てる内容がいいな」と始めたそうですが、サロンへの集客にもかなり貢献しています。この回は、ブログを通じたお客様とのつながりについて聞いてみました。

hair’s LOGサロン内装

小野敦之さん

専門性の高いサロンにブログは効果的

――いま美容師さんの発信と言うとSNSが多いですが、ブログの価値はなんですか。

小野さん ブログのいいところは、書いたものが残ってるということですね。一度書いたらずっと残って集客に役立ってくれる。インスタだと流れていってしまいがちですから。特に僕みたいにジアミンアレルギーに特化していると、検索で気づいてもらうことが大事です。店のオープン前後は忙しくて記事を更新できなかったんですけど、過去のブログが働いて、集客してくれたところがありますね。

小野さんのブログより

――twitterも使っていますが、こちらの活用の仕方は?

小野さん あれはあらかじめ用意して、botでヘアケア情報を自動でつぶやいてます。ヘアケアって間違った情報に迷わされる人が多いから、詳しくなってもらいたいなと思って。同業の美容師さんももけっこう見てくれているみたいです。

書き続けられる方法を見つける

ブログより。ノンジアミンカラーで白髪を染める事例。

――ちなみに、ブログはいつ書いているんですか。

小野さん 朝、仕事前に書くことが多いですね。朝の30分くらいで書いちゃう記事もあるし、数日に分けて書くこともあります。

――続けるコツってあります?

小野さん 自分がラクに投稿できるスタイルを見つけるといいと思うんですよね。僕の場合、世の中のどこかから気になる記事を見つけて、それにひとこと意見を言うみたいなパターンも多いんです。ネタは全部自分の中から出してくるのは大変だけど、これなら続けられる。

時にはお客様目線の記事もあります

――ほかの人から「どうしたら続けられるんですか」って聞かれることも多いでしょうね。

小野さん そうですね。とりあえず書いてみる、最初から100点はないんだから、書く習慣ができるまでとりあえず書いてみたら? と若い美容師さんには言ってます。技術のレッスンと同じで、毎日の練習を一日少しずつでもやった方が、1か月に1回長時間やるよりもいいよって。僕はスマホで書いてて、パソコンよりスマホの方がパワー要らないからおすすめです。空き時間にもちょこっと書けるし。後からいくらでも編集はできるから、最初ばーっと書いちゃうといい。とにかく書く習慣を身につけるのが大切だと思います。

 

美容室に行くのに勇気がいる人を救いたい

――ほかのSNSみたいに即効性はないけど、これからもブログは有効に使えそうですね。特に広く薄く集客するのではなく、特定の層に訴えかけたい美容師さんにとっては。

小野さん 最近の傾向として、円形脱毛症とか抜毛症についての記事も注目されていて、お問い合わせが増えています。脱毛症とか抜毛症で悩んでいる人は、美容室に行くのに勇気がいるんですよね。

記事を読んで来店する人が増えている

――説明しなきゃいけないと思うと気が重くなりそうです。

小野さん そうなんです。でも、僕はそういう記事も書いているから、「この人はわかってくれてる美容師さんだ」と安心してもらえる。医者ではないので病気を治すことはできないけれど、理解があることはブログで伝えられます。ヘアスタイルを楽しむことを諦めないで欲しいから、ぜひ相談してほしいです。

プロフィール/小野敦之(おの・あつし hair’s LOG)

1981年生まれ、大阪府寝屋川市出身。関西美容専門学校卒業後、大阪市内の美容室に20年勤務。2021年に独立、寝屋川市内にhair’s LOG  https://hairslog.com/ をオープン。書き続けている「あっくんのヘアケアブログ」 https://atussy.com/ は月間6万PVを超える。メーカーの商品開発協力、セミナー講師を務めるほか、「経営とサイエンス」(弊社発行)など美容専門誌に登場する機会も多い。

 

 

 

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