
キッカワミワさん
Cocoonのスタイリスト・キッカワミワさんはカットで髪の悩みを解決することで、たくさんのお客様に支持されています。そんなキッカワさんにも、かつては「私のカットで、髪が扱いやすくなったとは言えないだろうな…」と悩んでいた時期がありました。立ちはだかっていたのは、人それぞれ違う「素材」のカベでした。
乾かすだけで形になる「ノンブローカット」

広がりやすいワンレンも、ノンブローカットできるとコンパクトに。TOMOTOMO BASIC SERIES vol.11より
――キッカワさんのお客様はどんな方が多いですか。
キッカワさん 私と同年代の30代から、40代の女性がメインですね。働いてる方、子育て中の方も多いです。
――忙しくて髪にそれほど時間をかけられない世代ですよね。Cocoonが打ち出している「ノンブローカット」は、そういう大人の女性からの評価が多いとか。
キッカワさん そうですね。実はお客様って、お家でブローしないという方が多くて。ほとんどドライヤーで乾かすだけみたいなんです。それならそれを前提にして、乾かすだけで再現できるようにカットしましょう、というのがノンブローカットなんです。家でしないことはできるだけしない、と。

キッカワさんのインスタグラム @cocoon_kikkawaより。
――サロンでもブラシでブローしないということですよね。
キッカワさん ほとんどしないです。ドライするだけなので、初めてのお客様は「ほんとに乾かすだけで形になるんですね」と驚かれます。私自身も、以前はブローをするのが当たり前だったので、Cocoonに来てからもつい髪を伸ばして根元をつぶすように乾かしてしまって。先輩に「根元を浮かすように乾かしてね」と言われて、「え? 広がらない?」って思ってました。でも広がらないし、ちゃんと形になる。その時に技術の力、カットの力のすごさを感じましたね。
くせ毛を活かしたいお客様におすすめ

くせ毛でふくらむ髪をコンパクトにまとまるようにカット(TOMOTOMO BASIC SERIES VOL.11)
――乾かしただけでまとまるのは、髪質、骨格、毛流に合わせて切っているからという説明をされていますよね。くせ毛でずっとストレートパーマをかけていたけれども、ノンブローカットでストパーを卒業した方もいるとか。
キッカワさん もちろんストレートパーマをかけるのもひとつの手段なんですが、年齢を重ねると、かけ続けることで髪への負担が気になってくる人が多いんです。ライフスタイルが変わって、コストや時間をかけられなくなることもありますね。そうなると、自分の持ってる素材、髪質を活かしていきたいという考えになるので、そういう方にはノンブローカットはとても効果的な手段になると思います。

ノンブローカットの要となる「ファーストサークル」
――くせ毛でもくせの質感自体は嫌いじゃないという人も多いですよね。スタイリングがラクになればいいんだけど、と。
キッカワさん そうですね。そういう方は別に真っ直ぐにしたいわけではないので、カットでなんとかなるならなんとかしたいと思ってるんです。ただ、くせ毛と毛量の多さがセットになっていると、セニングで漉かれてしまうことが多い。漉かれて毛先が薄くなると、くせ毛の良さが活かせないんです。なので、ノンブローカットではむやみに毛量調整しない方法をとっています。

リフトはファーストサークルを基準に考える
「毛先は薄いのに根元がモコモコしてる」
――毛量調整について、お客様にはどんな説明をしていますか。
キッカワさん 毛量を減らすカットをずっとしてきたお客様には、「毛先が薄くなってるのに根元はモコモコしてるあの感じが嫌」という人が多いんですね。そういう方には、細かく漉く方法ではなく髪の重なりの間を抜いていくカットなので、根元と毛先の毛量にあまり差が出ないということを説明します。その方がツヤも消えないし 手触りも悪くならないですよ、と。ノンブローカットはセニングも最小限しか使わないのですが、それでもパーマをかけたような束感や質感が出せます。

インスタグラム @cocoon__kikkawaより
――髪が広がるのを心配している人には?
キッカワさん 現状でなぜ髪が広がってしまうのかを説明するようにしています。毛量を減らしたいあまり漉かれ過ぎているのか、頭の形とヘアスタイルが合っていなくて扱いづらくなっているのか。それから頭は球体で、丸さに沿ってカットするだけでもある程度厚みがなくなり、広がりづらくなります、とお伝えします。
→ まとまりやすい髪に導くカット② に続きます
プロフィール/キッカワミワ(Cocoon)
表参道・銀座に2店舗を展開しているCocoonのスタイリスト。サロンが打ち出しているノンブローカットのセミナー講師を務めるほか、大手メーカーのスタイリング剤プロデュースも担当している。インスタ@kikkawa.miwaでは同世代女性に向けて、ヘアだけでなくメイク情報の投稿も。
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