「今期は積極的な活動を」と井上理事長
第63回通常総会/東京理美容品工業会

東京理美容品工業会(井上研司理事長)は6月17日午後3時半から、都内台東区の上野ターミナルホテルで第63回通常総会を開催、令和4年度事業計画案を含む全議案を承認可決した。前年度はコロナ禍で例会等がことごとく中止となっただけに、今年度は「積極的な活動計画を立案した(井上理事長)」という。

総会には会員総数18社中16社(委任状を含む)が出席し、西村康明副理事長の司会進行で開会した。議事に先立って挨拶した井上理事長は「新型コロナウィルスのパンデミックによって世界中が厳しい行動制限を受ける中で、我々工業会も活動の自粛に追い込まれてしまった。ただ、去年からワクチンの接種や治療薬の開発も段々と進んだおかげで最近はやや落ち着いた状況になっているような気がする。いっぽう、2月からはロシアによるウクライナ侵攻が始まり、これまで当然のことのように思われていた平和とか安全が徐々に崩れ始めてきているという不安を覚える人も増えているようだ。しかし、どのような状況になっても経済は発展させていかなくてはいけないので、工業会としても会員相互が親睦を深め情報交換に力を注げるような環境づくりに努めたい。今年度は少しずつだが確実に明るくなっていくだろうと期待している」と述べた。

このあと議長に柳田照穂副理事長を選出し議案審議に移った。第1号議案の令和3年度事業報告で井上理事長は「例会や忘年会等の企画がことごとく中止となった中で、9月に大阪理美容品工業会の主催で全国大会を実施できたことは有意義だった」と報告した。また、令和4年度事業計画案について同理事長は「周囲の状況を考慮しながら」と前置きした上で「積極的な活動を展開していきたい」と意欲を示した。秋には第1回例会を山梨県の石和温泉で開催する予定で、井上理事長は「この例会が休止していた工業会の活動を再開するための起爆剤的な役割を果たしてくれることを期待している」と語った。なお、令和4年度の会費につては、コロナの影響で活動が休止となり前年度からの繰越金に大きな変化が無いため徴収は行わないという。決算報告、予算案説明は阪本昇二会計常務理事が、また監査報告は住谷常俊監事が行った。

久々の対面総会となったため終了後は参加者による近況報告会も行われた。この中で井上理事長(東光舎)は「コロナ禍で中国等への鋏の輸出が一時はほとんど止まってしまうような事態になったが、営業が踏ん張ってくれたおかげでコロナ前の9割くらいまで回復することが出来た。ただ、仕入れ価格が2割ほど上がってしまって厳しい面もある。鋏づくりは日本の重要な文化の一つと自負しているので困難に負けずに頑張りたい」、西村副理事長(西村製作所)も「仕入れ関係が本当に高くなってきており厳しいが、皆で力を合わせていけば工業会も良い方向に向かうと信じている」、阪本常務理事(阪本高生堂)は「理美容業は永久に存続する業種だと思うので今後も発展するように頑張りたい」とそれぞれ前向きな決意を語っていた。

(取材:小牧 洋)

挨拶する井上理事長

司会進行の西村副理事長

議長は柳田副理事長が務めた

決算報告をする阪本常務理事

総会のもよう