ブリーチ人気の今こそ知っておきたい! 色彩学と色のつくり方の基本
SHINBIYO5月号特集「“ブリーチのその後”提案お役立ち実例集」より

color : DAISUKE NAKAMURA hair : HIROAKInTOKIEDA(共にstair:case)/SHINBIYO5月号より

『stair:case』アートディレクターカラリストの中村太輔さん。20年にわたりヘアカラー文化を牽引してきたパイオニア的存在。

SHINBIYO5月号特集「“ブリーチのその後”提案お役立ち実例集」で企画をご担当いただいた『stair : case』中村太輔さんに取材していたところ、最近のカラー事情について次のようなお話をしてくださいました。

最近は各メーカーさんから様々なカラー剤が開発され、昔のように複数の色をミックスしなくても、単品で簡単に思い通りの色が出せるようになっています。便利で効率的に仕事ができるようになった一方で、若い世代の中には、“ミックスして希望の色をつくる”という発想や経験のない人が多くなっているそうです。実際に中村さんがセミナーで「ブリーチ後に黄味やオレンジ味を抑えるために、補色を足して…」と説明していても、若い世代の受講生たちの中には「何のことかわからない」という表情をしている人もいるというのです。

その現状に危機感のようなものを感じたそうで、「5月号の企画の中で、色彩学や色のつくり方の基本を紹介したほうがいい」とアドバイスしてくださったのです。もちろん、便利なカラー剤を否定しているわけでも、色をミックスすることを推奨しているわけでもありません。どんなカラー剤を使用するにしても基本を知っているといざというときに対応ができるし、カラー表現の幅が広がると、中村さんは考えているのです。

そこで、中村さん監修のもと、5月号でまとめた色彩学と色のつくり方の基本を、ここでご紹介します。

1 三原色と混色(色の足し算)

青緑(シアン)、赤紫(マゼンダ)、黄(イエロー)の3色が三原色です。この3色は、どんな色を混ぜてもつくることはできません。絵具やヘアカラー剤のような色材では、黄と青緑を混ぜると緑になるように、どんな色の組み合わせでも、2色の色を混ぜると必ず暗くなります。たくさんの色を混ぜると、黒になります。

2 色相環

赤から紫へ、紫から青へと、徐々に色相が変わっていく様子を円状に表したものを「色相環」と呼んでいます。赤や橙、黄など、温かいイメージの色を暖色、反対に、青や緑など寒いイメージの色を寒色といいます。

3 補色

色相環において、向かい合っている色を「補色の関係」といい、補色同士を混ぜると無彩色(グレイ)になります。つまり、補色とは、お互いの色の特徴を打ち消し合う関係の色同士ということになります。

4 ブリーチによる色調と色相の変化

黒髪をブリーチ剤で脱色していくと、黒→暗い茶色→茶色→明るい茶色→薄い茶色と、色調が変化していきます。このとき、色相も、赤→赤オレンジ→オレンジ→黄オレンジ→黄と変化していきます。髪のブリーチによる色調の変化と、その際のアンダートーンとして残る色相の変化を意識しながらカラーをすれば、イメージ通りの色味に近づけられます。

5 ブリーチオンカラーでの補色の役割

例えば、ペールイエローまでブリーチした髪を、グレイ系にしたい場合、ペールイエローに希望色のグレイをそのまま乗せると、黄味に引っ張られてベージュがかったグレイになってしまいます。このときに、必要となるのが前述の「補色」です。黄の補色である「青味がかった紫」を混ぜて黄味を消しつつ、グレイを乗せることで、希望色のグレイになるのです。

いかがでしたか?

ブリーチオンカラーやハイトーンカラーの施術で、思い通りの色にならないという場合には、きっとこうした基本的な知識が役立つはずです。

5月号特集では、こうした補色の考え方を活かした施術ケースも多く紹介しています。これからの季節、ハイトーンカラーのニーズはさらに高まります。ご興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。