「美容業界のタイガーマスク」としてSNSやセミナーなどで様々な発信を続ける「網野三之助(元・参吉)」さんに、サロンの生産性を上げるための「メニューの時短化」について伺っている2回目。
前回、網野さんから「時短化はまず、主力メニューから」「カット&カラーの時代、カラーの時短化から始めると、効果が出やすい」「そのためには薬剤知識を持つことが必要」というお話をしていただきました。ではその続きをどうぞ!
――ということは、カラーによる時短化には、薬剤の知識とスキルが必要ということですね?
網野 そうですね。時短化するからと言って、クオリティを落としては本末転倒ですから、そこには薬剤に対する知識が絶対必要です。
カラーって「この色を出すには、このカラー剤」というカラー剤優先で発想すると、その剤のメーカー推奨タイムが必要になる。でも例えば「この色を10分で出すには?」という発想に切り替えてみると「カラー剤は何レベルの何と何を組み合わせる?」「アルカリ度は?」「オキシの設定は?」「塗布量は?」「発色や持続性を高める処理剤は?」という組み立て方に変わってきます。僕は「カラーの放置時間は10分」を基本としているので、5分で発色する液体カラー、シャンプー台塗布の塩基性カラーなども良く使いますよ。浸透促進剤やジマレイン酸系処理剤なども必須ですね。ホイルワークを入れた場合でも、カラー時間は30~40分ほどです。
――なるほど。カラーは薬剤のコントロールで時短化しやすいということですね。
網野 薬剤のコントロールで時短化できる、ということは、「サロンの状況によって時間をコントロールできる」ということにもなります。「もう少し早める必要があるから、ここは7分で上げよう」とか「いまシャンプー台が混んでるから、20分にしよう」とか。
――その具体的な技術やメニュー例の数々を「経営とサイエンス」の3月号でご紹介していただくわけですが。
ところで網野さんはもともとケミカルに詳しいというか、「ケミカル好き」なんですか?
網野 いえいえ。僕は特にケミカル好きでも「ケミカル美容師」でもないです(笑)。ケミカルに詳しくて、追及している方々に比べれば、まだまだ全然ですよ! でも今の時代、時短するにもコストカットするにも、絶対ケミカル知識は必要だと思って勉強しています。ビジネスの手段としてケミカルを選んでいる、という感じでしょうか? ケミカル知識があれば、カラーだけでなくパーマやトリートメントの時短、コストカットも可能ですしね。僕はパーマでもカット&トリートメントでも「施術時間1時間」を基本に、プロセスと薬剤を組み立てるようにしていますね。