今やブームとなっている酸性パーマや酸性ストレート。髪に優しいと評判の酸性のアイテムですが
一方では「エステルビビり」と呼ばれるダメージによるトラブルも起きているようです。
酸性パーマや酸性ストレートで使用される代表的な還元成分は、スピエラ®とGMTの2つ。
この記事ではスピエラ®とGMTを総称し、便宜的に「エステル」と呼ばせていただきます。
エステルとは油性に近い成分の呼称です。
酸性のアイテムで生じるダメージを「エステルビビり」と呼ぶのは、まさにそこからきたもの。
今、発売の『SHINBIYO』2023年2月号の第2特集では、このエステルビビりを攻略するための秘策をご紹介しています。
エステルビビり対策に立ち上がってくれたのは、このお二人。
『Natural』のYOSHI(左)さんと、『WECO BASE』の森 祐也さんです。
エステルビビりを防ぐには、「エステル残留」問題と、「酸化不足」問題の2つをクリアする必要があるそうです。
ちなみに2月号では、YOSHIさんに「エステル残留」問題を回避するための方策を伝授いたただきました。
突然ですが、エステルが残留するのはなぜでしょう?
YOSHIさんは、大きく3つの理由があると説明してくれました。
①成分そのものが油性に近いため、髪に残留しやすい可能性がある
②同じ油性であるクリーム基剤との相性も良く、その分、毛髪内部に残りやすい
③反応するのに時間がかかり、未反応だったものが毛髪内部に残りやすい
一般にチオやシステアミンは水と馴染みが良いので、中間水洗などのプロセスで水と一緒に流れやすいのに対して、エステルは油性だから流れにくいというのがそもそもの原因のようです。
また反応に時間がかかるため、放置時間を短くしてしまうと、未反応のエステルが残留しやすくなったりするんですよ(YOSHIさん)
なるほど、では、まずは所定の放置時間を守ってちゃんと放置する、しっかり洗い流すことがエステル残留を回避する手立てになるわけですね。
ちなみに2月号では、そこからさらに一歩も二歩も踏み込んだ、エステル残留を回避する技術をご紹介いただいています。
そのひとつがオイルコントロール!
この技術は、あるタイミングで、YOSHIさん秘伝のオイルをつけると、残留しているエステルが浮き上がり、毛髪の外へ流れ出るというワザです。
さらにもう一つの秘策がコチラ
ドライコントロールです。
ドライコントロールは、アイロン操作前のドライのプロセスで髪の水分量を調整する技術。
しかも今回は、ドライコントロールの測定にこのアイテムを投入!
乾燥度試験紙です。乾燥度試験紙は、接触した物の乾燥度を図るためのもの。リトマス試験紙のように乾燥度合いに応じて紙の色が変わります。
今回はこの乾燥度試験紙を使って、髪の水分量をどのように調整しているかを分かりやすく解説いただきました。
酸性パーマや酸性ストレートでは、アルカリ矯正のようなキューティクルの開閉がないので、キューティクルの荒れ感からダメージ度合いを推測することができないんです。
また酸性の施術ではキューティクルは基本、整った状態だから、ダメージしていないと誤認しがちでもある。
その間に残留したエステルが徐々に毛髪内のコルテックスを損傷させていくわけです。そしてある日限界が来て、キューティクルが剥がれ、中が見え出した時には修復不可能状態だった、というケースが起こりうるんですよ(YOSHIさん)
うわっ、怖!!
まさにこれがエステルビビりの正体だったのか!
こんなにも悲惨なダメージを回避するには、なるべく毛髪内にはエステルを残留させないことしかないわけですね。
エステル残留を回避するオイルコントロール、ドライコントロールのテクニックについて
「もっと詳しく知りたい!」という方は、是非とも『SHINBIYO』2023年2月号をご覧ください。
ちなみに次号の3月号では、森さんがホストとなり、エステルビビりを生むもうひとつの要因である
「酸化不足」問題について解説する予定です!