ケア成分を補うサプリメントから、髪そのものを変えていく発想に転換
SHERPA
2009年に発売以降、メニューに合わせて様々なカスタマイズが可能な処理剤として認知されてきた、株式会社アリミノの『シェルパ』シリーズ。このロングセラー製品がこの程大きくリニューアルし、毛髪ケア剤として生まれ変わった。
背景となるサロンニーズの変化を、商品開発部第1開発グループ係長の高木さんはこう分析する。
背景となるサロンニーズの変化を、商品開発部第1開発グループ係長の高木さんはこう分析する。
「『プレックス剤』の登場で従来の処理剤の存在感が薄れ、また今はアフターケアに重きが置かれています。さらにコロナの影響で、コスト抑制にもより拍車がかかっています」
つまり処理剤は、使い分けを追求した結果、種類が多くなり、「使いこなしの手間」「材料棚を圧迫」といったデメリットにつながることもあるようなのだ。
「しかしハイトーンカラーブームにより、顧客の髪の状態はより繊細で、ダメージを受けやすくなっています。システムトリートメントのように『すでにダメージしてしまった髪』のケアではなく『前・中間・後処理』の対応で『施術とケアを同時進行』させ、髪をもとから健康な状態に導く処理剤の重要性を伝えるべきではないかと考えました」
そのコンセプトの元に、今回のリニューアルのラインナップは5品(旧製品は11品)。全品カラーやパーマなどすべての施術に活用できる「多機能性」も追加した。
テクノロジー面も大きく変わった。下記の「リノケアテクノロジー」がそれである。
テクノロジー面も大きく変わった。下記の「リノケアテクノロジー」がそれである。
リニューアル後に搭載された新テクノロジー

「1つ目はCMCの『脂質相』だけでなく『水相』にもアプローチする『CMCリノアダプター』。2つ目は活性ケラチンがSS結合の損傷した髪を補修し、アルギニンが毛髪強度を安定化させる『SSリノコネクター』。3つ目が機能の異なるアミノ酸を、各アイテムに分散配合させて、トータルで髪の健康を維持する『アミノリノテクター』。新『シェルパ』はこの3つを合わせた『リノケアテクノロジー』で、旧製品の『ケア成分を補うサプリメント』的な役割から、『毛髪そのものを変えていく』ケアシリーズへと、大きく転換させています」
高木さんによると、開発に特に時間がかかったのは『ボンドメモリアリキッド』。同社の中では「プレックス剤に相当」する位置づけだが「酸系成分ではなく、活性ケラチンとアルギニンの採用で、SS結合が損傷した髪を補修」と語り、その活性ケラチンの配合バランスには試行錯誤を重ねたという。
『シェルパ』が可能にする「新ケミカルメニュー」

■リフト力には影響せず、切毛、枝毛を防止
■その後のオンカラーも狙い通りの発色に
■毎日スタイリングしやすい、しなやかでなめらかな髪に
■その後のオンカラーも狙い通りの発色に
■毎日スタイリングしやすい、しなやかでなめらかな髪に

■これまで以上にダメージに配慮
■ムラのないきれいな染まり・髪の健康が持続
■軟毛・細毛も施術のたびに、髪質が変わったようなふんわり扱いやすい髪に
■ムラのないきれいな染まり・髪の健康が持続
■軟毛・細毛も施術のたびに、髪質が変わったようなふんわり扱いやすい髪に

■これまで以上にダメージに配慮
■熱ダメージから髪の柔らかさを保つ
■顔周りの細毛まで均一なストレートに
■熱ダメージから髪の柔らかさを保つ
■顔周りの細毛まで均一なストレートに

■これまで以上にダメージに配慮
■施術を繰り返しても、毛先のゴワつきを感じにくい均一カールに。
■ハイダメージ毛でも、しっかりカール&持続
■施術を繰り返しても、毛先のゴワつきを感じにくい均一カールに。
■ハイダメージ毛でも、しっかりカール&持続
さらに同社は、『シェルパ』を用いて『リノケア メニュー』という新しいケミカルメニューの導入を提案している(上図参照)。これは「処理剤がオプションだと継続率が不安定で売り上げも安定しにくい」というサロン側の悩みに応えたもの。つまり「リノケアカラー」といった別ブランドメニューを打ち立てることで、サロン本来の「ケミカルメニュー」自体の価値を高めつつ、安定的な売り上げを確保しようという提案だ。
施術ステップごとに毛髪状態を最適化しダメージを未然に防ぐという機能と、新ケミカルメニューの導入で単価アップを叶えるという打ち出しで、時代のニーズに則した処理剤へと生まれ変わった『シェルパ』。デザインと経営の両面から、強力にサポートしてくれる製品と言えるだろう。
施術ステップごとに毛髪状態を最適化しダメージを未然に防ぐという機能と、新ケミカルメニューの導入で単価アップを叶えるという打ち出しで、時代のニーズに則した処理剤へと生まれ変わった『シェルパ』。デザインと経営の両面から、強力にサポートしてくれる製品と言えるだろう。
取材協力:株式会社アリミノ