世界で一番小さな水の粒子(※1)が、 ダメージ軽減の可能性を大きく広げる

長く売れている「ヒット製品」には、愛される理由があります。
このコーナーでは、そんな珠玉の逸品を取り上げ、ヒットのヒミツを大解剖。
ユーザーに愛される理由を様々な角度から探ります。

『 Hydraid 』

 


スチームの約1/600サイズ。
肌内部に到達する「目に見えない水」の開発


美容施術において「水」は必要不可欠な存在だ。近年では「ナノスチーム」や「高機能還元水」等を利用した薬剤の浸透促進も広く知られるようになってきている。

そんな中で2021年「空気中の水分子を、キューティクルの隙間より小さく、目に見えない水粒子に変換する」という画期的な機器が登場した。以来「カラーやパーマのアルカリを抑えた施術を可能にする」として、着実に存在感を高めているのが、今回ご紹介する株式会社アイシンの『Hydraid(ハイドレイド)』だ。発売から3年で、契約台数は約8倍に成長しているという。

この製品が誕生した背景や、サロンでどのように活用されているのかなどを、株式会社アイシン イノベーションセンター AIRビジネス推進室の冨永優子さんと、同・Hydraid 企画営業グループの百瀬 裕さんに伺った。

株式会社アイシンは半世紀以上に渡って、自動車部品を主軸に、住生活・エネルギー関連分野の開発を行ってきた企業だ。その知見から誕生させたのが、空気中の水分子を水粒子に変換して、無帯電の状態で放出する技術。スチームの約600分の1という、この極小サイズの水粒子を「AIR(アイル)」と名づけた。

『AIR』とスチームの大きさは、生き物では金魚(AIR)とクジラ(スチーム)程の差があります。研究過程で、肌の水の通り道よりも小さいため細胞内に深層(※2)まで到達して留まり、潤いを長時間持続させることが判明しました。そこから美容や医療、農業など様々な分野で役立つ可能性が示されたのです」と冨永さんは語る。

「AIR」の技術を活用し、美容の業務用機器として開発されたのが『Hydraid』だ。使い方は機器を髪に当てるだけ、といたってシンプル。実際サロンワークの中でどのように活躍しているのかを百瀬さんにお聞きした。

「『Hydraid』は髪に必要な水分を必要な場所に届けるので毛髪環境を整えます。無帯電(※3)なので髪の表面につくこともありません。この浸透性の高さで、熱を与えなくてもパーマやカラーなど薬剤の浸透促進がしやすくなるのです」


薬剤の浸透促進を助けて、
アルカリを抑えた施術を可能にする


つまりパーマならば、弱い還元剤でも熱に頼らず浸透させることができるためパフォーマンスがアップし、結果的にダメージを抑えることができる、ということ。ダメージ軽減のためにアルカリ減の施術が意識される今、これは大きな戦力となりうるテクノロジーだ。他にもサロン側からは「2剤の酸化不足が防げる」「ブリーチの抜けが良い」「縮毛矯正後の手触りが柔らかく、しなやか」、お客様側からは「カラーの色持ちが良い」「まとまり、収まりが良くなった」といった声が上がっているという。また、カラーの放置時間に『Hydraid』を用いて、アイドルタイムをオプションメニューに替え、単価アップにつなげているサロンも多いという。

実は『Hydraid』で使われている「AIR」の技術は、多くの分野で活用できる可能性があるとして、現在、各大学で様々な研究が継続されているらしい。サロンの現場でも、今後さらに新しい使いこなしやメニューが開発されていくのではないだろうか。「無帯電で、世界最小(※1)の水粒子」が美容施術の未来をどう変えていくのか、大いに注目したい。

※1 水粒子を生成する加湿技術の比較において(2023年4月15日アイシン調べ) 
※2 角質層 
※3 電極が+にも-にもならない状態

 

>>>まとめ

POINT 01
髪内部にまで入り、長時間留まる。無帯電で世界最小の水粒子

POINT 02 
薬剤の浸透性を大幅アップし、アルカリの軽減につながると評価

POINT 03
美容施術と組み合わせて、さらなるメニュー開発が期待される

 

取材協力:株式会社アイシン
*月刊『SHINBIYO』2023年8月号 連載「売れてる逸品!」vol.4より転載