現在、東京・吉祥寺に2店舗を展開する『go s go』の迫川 孝さん。
2000年にサロンをオープンさせて、紆余曲折を経ながら、20年以上、お店を切り盛りされている方です。

『go s go』の迫川オーナー
クリエイションが好きで、撮影やヘアメイクをしたくて独立。
さらにオープン当初は、裏原のキャットストリートに店舗を構え、撮影仲間と意気投合して、サロンの規模を拡大させていったそうです。
そこから程なく吉祥寺店をオープンし、原宿と吉祥寺の2拠点で活動。さらにセミナーや撮影などの外部の仕事もするようになり、はたからは順風満帆の美容師ライフを謳歌しているように見えていたようでした。
とはいえ、「勢いだけで乗り切れるほど現実は甘くはなかった」と迫川さんは当時を振り返ります。
オープンから17年経ったある日、迫川さんは大きなピンチに見舞われます。それは、「生え抜きスタッフと中途採用スタッフの対立」でした。それにより、サロンの雰囲気は最悪なものになり、離職者も出たそうです。
サロンが急成長を狙って、即戦力となる中途のスタッフを採用した時、往々にしてこうしたトラブルは起こるものです。
今回は、迫川さんは、この大ピンチを乗り切り、さらに活動の拠点を原宿との2拠点から吉祥寺に絞り込むという選択を決断しました。
それを後押ししたのが、幹部である小松弘樹さんの一言でした。「迫川さん、吉祥寺で一番になりましょう!」。この言葉が引き金となり、迫川さんは、「吉祥寺で一番になりましょう! 宣言」を掲げたのだそうです。
「吉祥寺という街には、昔から愛着があり、仲間も多いんですよね」。そう話す迫川さん。確かに、迫川さんが吉祥寺の街中を歩いていると、「迫さん!」とか、「迫ちゃん!」と商店街の人たちから声をかけられているのが印象的でした。
実際、『go s go』は吉祥寺の中道商店会の会員でもあり、毎月開かれる会議にもサロンの幹部が出席し、街の発展を商店会の皆で考えているのだそう。
もちろん会議だけでなく、朝のごみ拾いなど商店会主催のイベントには毎回必ず参加し、地域への貢献という側面も常に意識しているのだとか。
上記の「吉祥寺で一番になりましょう! 宣言」について迫川さんが続けます。
「一番になる」というと、何となく他を蹴落として、自分たちだけが生き残るイメージがあるので、「一番になりましょう」くらいのニュアンスの言葉にしたんです(笑)。
この言葉には、周りのサロンさんと、「お互い一番を目指しましょう!」って気持ちを込めたつもりです。実際、吉祥寺には、名だたる諸先輩方のサロンもたくさんありますし。なので、僕らも実際「共に頑張りたい!」という気持ちのほうが大きいんです。
とにかく、そんな感じで切磋琢磨することで、「吉祥寺の美容室は、銀座や表参道とはまた違ったオシャレを提案してくれるよね」って、もっと言われるようになったら最高だなと思っています。
明るい笑顔がトレードマークの迫川さんですが、一方で、取材中、ことあるごとに、こんな言葉をつぶやくのも非常に印象的でした。
「いつも、これまでやってきた自分のやり方が本当に良かったか――、そればかり考えてしまうんですよね」
この言葉の裏側には、残念ながら袂を分かってしまったスタッフへの思いがあるのだと思います。
それだけ、生え抜きスタッフと中途採用スタッフとの対立という一大ピンチは迫川さんにとって大きかったのでしょう。
このピンチを迫川さんはどう乗り切ったのでしょうか。そこには、前述した幹部の小松さんや、新たに幹部になった近藤直弥さんの活躍があったようです。
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