「掛け流す」と「浸す」による頭浸浴で、髪と頭皮をリセットする、極上のスパ体験

炭酸との組み合わせによる除去効果アップと、時短化が可能に


ユメ ヘッドバス

長引くコロナ下で、美容室のヘッドスパメニューが伸びている。日常行動が制限される今、癒しやリラックス効果を求める人、頭皮や髪のメンテナンスに意識が向いている人が増えていることの現れだろう。

その中で昨年11月、タカラベルモント株式会社から発売された『YUME HEADBATH』は、同社のフルフラットタイプ・シャンプー機器『YUME』シリーズの専用シャンプーアクセサリーだ。『YUME』シリーズ(※1)に装着するだけで、滝のように流れるお湯を頭に「掛ける」「浸す」の「頭浸浴」が体感でき、炭酸泉発生機『トルケアシュア』か、新発売の炭酸タブレット『♮(ナチュラル)for YHB』を併用すれば、髪と頭皮の汚れはもちろん、残留カラー剤の除去効果も高まる仕組みである。開発に携わった、理美容戦略企画部の西鶴仁江さんと、開発本部技術開発グループの森田彩さんに詳しいお話を伺った。

「コロナ下でニーズが伸びるヘッドスパですが、他店との差別化が難しい、目新しさが作りにくい、という悩みもあります。また顧客側には『(スパの)時間がない』、サロン側には『シャンプー台の占有時間や人員的に難しい』などのジレンマがありました。今回の開発のコンセプトはそれらの問題を解決した次世代型ヘッドスパを、機器として実現することでした(西鶴さん)」
YUME HEADBATHという、短時間でも圧倒的な身体的満足を得られる上に、スタッフの工程も減らせる機器が誕生したわけだが、開発にはかなりの苦労があったという。
「頭部はとてもデリケートなので、掛ける湯量や浸す水位など、ほんのちょっとした違いが不快感に繋がりやすいんです。大量のお湯を掛けても顔にかからず、心地よい水圧と水位が続くように、被験者テストを何度も重ねて吐水と排水を調整しましたね。流れる水の音も心地よいものになるようにこだわりました(森田さん)」

頭浸浴では、まずフェイスラインにあたる吐水の刺激で感覚が研ぎ澄まされ、のちに頭全体がお湯に包まれて深いリラックス状態に導かれるのだという。

またこの機器は炭酸を組み合わせることを推奨。シャワーヘッドから流すより、「掛けて浸す」ことで炭酸成分が素早くムラなく行き渡るので、短時間でも汚れや残留薬剤成分を除去できる仕組みなのだ。

「皮脂や汚れの除去には高濃度炭酸泉がお勧めですが、カラーの残留アルカリ除去には、低濃度炭酸泉が適します。今回、カラー施術に組み合わせるために中性重炭酸処方の炭酸タブレットも発売。頭浸浴の施術時間に合わせてゆっくり溶け切り、カラーの褪色や色ブレの軽減が期待できます(森田氏)」

従来のヘッドスパニューに組み入れ、「お湯の中で揉む」という新たな手技もプラスして他店との差別化を図るか。カラー流しの後に加えて、カラーのダメージ&褪色軽減という付加価値を高めるか。もちろん通常のシャンプー&トリートメントのオプションとしてメニュー化することも可能である。顧客にとってもこれまでに体験したことのない感覚を得られる『YUME HEADBATH』は、自店のスパメニューのアップデート&単価アップにおいて、強力な武器となりうる製品ではないだろうか。

※1『YUME』シリーズの『YUME iXi』には取り付けできません(2022年6月現在)。

 

左:理美容 戦略企画部 西鶴仁江さん
右:開発本部 技術開発グループ 森田 彩さん

 

取材協力:タカラベルモント株式会社
*月刊『経営とサイエンス』2022年7月号 連載「気になる新製品」より転載