長く売れている「ヒット製品」には、愛される理由があります。
このコーナーでは、そんな珠玉の逸品を取り上げ、ヒットのヒミツを大解剖。
ユーザーに愛される理由を様々な角度から探ります。
『 marbb3 』
マイナスに帯電した細かい気泡が
髪や頭皮の汚れを除去
近年、トリートメントやヘッドスパなどに代表されるシャンプー台で行うヘアケアメニューが増加している。今回紹介する株式会社マイクロバブル・ジャパンの『marbb3(マーブ3)』は、そんな時流の中で大きな話題になっている製品だ。
こちらはシャンプー台に取りつけて使用する、マイクロバブルとナノバブル(ファインバブル)のハイブリッド発生装置。マイクロバブルもナノバブルも、水に空気を混ぜて生み出すのだが、そのうちマイクロバブルは1~100㎛(マイクロメートル)、ナノバブルは1㎛以下と非常に微細な気泡となっている。
これらの気泡はそれぞれマイナスに帯電しているため、プラスに帯電している物質に吸着する特性があり、それによって髪や頭皮の汚れを落とすことができる。また水道水と違って髪を余計に膨潤させないため、ドライ時間が短くなったり、薬剤の浸透を補助する効果を持つなど、様々な利点がある。
この『marbb3』 開発の背景やその特徴について、株式会社マイクロバブル・ジャパン代表取締役CEOの髙林 稜さんに話を伺った。
「父が土木会社を営んでいた関係で、農業の世界でナノバブルが活用されていることを知り、起業後はより多くの農家の方に使っていただけるよう、装置の低コスト化に力を入れてきました。そして農業以外にも養殖、船舶、医学と幅広い分野でナノバブルの導入が進んでいるため、日常的に水を使用する美容業界でも活用の余地があるのではないかと考え、『marbb』の開発に着手しました」
大幅な小型軽量化によって、
小さなサロンでの設置が可能となる
『marbb3』 はナノバブル発生装置だが、よく炭酸泉発生装置との違いを聞かれるそうで、その違いを髙林さんに解説していただいた。
「炭酸泉発生装置は高濃度の炭酸ガスを使用して水中に二酸化炭素を送り込むことで、水のpHが酸性に傾き、それによってアルカリ除去や収斂効果などが高まります。一方『marbb3』は水に空気を混ぜて細かな泡をつくる装置です。そのため、pHは水と同様中性域のまま、なおかつ炭酸より気泡がかなり細かいため、pHを移動させることなく、細かい気泡が隙間に入ることで汚れを落とせます」
また炭酸泉発生器はボンベ交換が必要だが、『marbb3』は水道代と電気代のみで、交換資材を一切必要としない。それも大きな魅力として、サロンオーナーに受け止められているのだそう。
2017年に発売された初号機はかなり大きく、小さなサロンではシャンプー台周辺への設置が難しいとの声が多く届いたそうだ。そこで昨年発売されたのが、『marbb3』となる。
こちらは初号機に比べ、サイズが大幅にコンパクト(350×165×350mm)になったが、改良によってバブル発生効率が高まり、最大で3つのシャンプー台への接続が可能になった。
「それによって、小さなサロンでも設置が可能になったため、『これなら置ける』と多くのオーナー様に導入を検討いただけるようになり、すそ野が一気に広がっていきました」
情報交換の場を設け、ナノバブルの
持つ可能性と活用例を共有
また『marbb3』を安心して使用してもらうため、メンテナンス専門の部署を設置。社員が常駐しており、故障しても早ければその日に駆けつけるフットワークの良さと、業務品にしては長い5年保証サービスを付帯するなどのサポートも充実している。
「『marbb3』は交換資材を必要としないため、『売って終わり』にしないように、臨店講習やセミナーなどを開催しています。最近では私自身が、美容師の方々の質問に答えるインスタライブを行いました。こうした中で、ブリーチ毛が切れにくくなった、導入をきっかけにお客様のヘアケアへの関心が高まり、店販売り上げが上がったなど、最新の活用例を共有しています」
昨年10月には塩素除去オプション品『CLOFF』も発売。こちらは『marbb3』と一緒に使えて、塩素を除去する製品が欲しい、というサロンの現場からいただいた声を反映して生まれた商品だ。
「マイクロバブルやナノバブルにはまだまだ様々な可能性があり、研究は尽きません。常にサロンの現場に目を向け、技術力や経営力アップにつながる情報を共有しながら、美容業界全体のレベルアップに貢献できたらと考えています」
>>>まとめ
POINT 01
シャンプー台で使用し、髪や頭皮の汚れ除去や薬剤浸透を補助
POINT 02
よりコンパクトでバブル発生効率が高まり、3台接続が可能
POINT 03
メンテナンス専門部署の設置と5年保証サービスで充実のサポート
取材協力:株式会社マイクロバブル・ジャパン