成熟した髪質改善市場に新たなビジネスチャンスを生む2つのアイテム

【髪メンテ】
KAMI MENTE

 

真珠由来の成分を配合し
上品に輝くパール髪に

株式会社セブンツーセブンと言えばスキンケアに定評のある一大メーカー。事実、「肌と頭皮はつながっている」という発想で開発された頭皮ケア用のヘアケア製品のファンも多く、育毛製品の開発には30年の歴史を持つ。
そうしたスキンケアの老舗ブランドが、このたび“プロフェッショナル”用のヘアケア分野のプロダクツ開発に成功したという。その第1弾が『髪メンテ・シリーズ』だ。同社企画室の田中あゆみさんは製品開発の背景をこう話す。

「髪は外見の印象を決定づける大きな要素です。髪のコンディションが悪化している昨今、ブリーチオンカラーブームの背景で、多くの女性の髪はパサつき、手触り感も悪化しています。『髪メンテ・シリーズ』は、そんな現代女性の傷んだ髪に真珠のような上品なツヤと手触りを与えるためのアイテムです」

同シリーズは、いわゆる髪質改善メニューと相性の良い製品なのだそう。シリーズを構成するのは、2つの製品。その特性を研究室の高橋幸司さんが説明する。

「このシリーズは、『髪メンテリペアトリートメント(以下、リペア)』で、ヘアカラーによるダメージを補修し、『髪メンテデトックストリートメント(以下、デトックス)』で、カラー施術時に発生した様々な要因を取り除くのが特徴です。これにより真珠のようなツヤが実現できます。弊社ではこれを“パール髪”と呼んでいます」

実際、2製品には真珠由来の保水成分「加水分解コンキオリン」が配合されている。
「これはアコヤ貝由来のタンパク質です。10数種のアミノ酸を含み、これらが傷んだ髪に補給され毛髪内部も補修します。またそれ以外には、プレックス剤に使われるジマレイン酸プロピレンジアンモニウムも採用しています。こちらはS-S結合を補強し、毛髪の強度を上げる効果が期待できます。また今回配合のPPT成分(タンパク質加水分解物)であるシルクは、ダメージ部に選択的に吸着しやすくなります」(高橋さん)

さらに毛髪表面のケア成分には、スキンケアで使用される成分をふんだんに使っているという。同社美容研究所の東希佑香さんが説明する。

「NMF(天然保湿因子)と呼ばれる成分です。NMFは、保湿性が高まるのはもちろん、キューティクルをしっかり密着させてなめらかな状態に補修します。それ以外にもキューティクルに必要な5種のセラミドや、キューティクルを補修するγ-ドコサラクトンやメドウフォーム-δ-ラクトンなどの成分も配合されています」

 

まさに今の髪質改善にマストな成分が余すところなく使われている製品と言える。実はこの『リペア』、開発にあたり研究チームがもう一つ注力した点がある。それは“時間”だ。『リペア』はカラー剤と一緒に使うことも可能。つまり余計な時間を使わずに高い効果が期待できるわけだ。

「もう一つの製品『デトックス』は、カラー施術後に使用します。カラー施術で未反応だった成分が少なからずあり、中でも過酸化水素から発生する活性酸素がダメージを誘発します。しかし、『デトックス』に配合されているカタラーゼやヘマチンがこの活性酸素を取り除く効果があるんです(上の図を参照)。またチャ葉エキスが嫌な薬剤臭を軽減。実際モニターサロン様からは、以前なら3日くらい残臭が気になると言われていたお客様から、気にならなくなったと歓びの声をいただいております」(東さん)

ここまでの髪質ケアができて、しかも2製品使っても薬剤コストは約244円。成熟した髪質改善市場に『髪メンテ・シリーズ』から新しいビジネスチャンスが生まれそうだ。


 

 

 

取材協力:株式会社セブンツーセブン