医薬品製造レベルの充実した設備でプロの価値基準のヘアケア・スキンケア製品を生み出す

関西文化学術研究都市 京都工場

時代のニーズに合った製品やオリジナリティある製品を生み出す現場の裏側を取り上げるこの企画。第3回目は株式会社プロテックス・ジャパンの京都工場を訪問し、施設の特徴、製品開発の思いについて同社代表取締役の酒井良明氏にお聞きしました。


生産数、容量、処方にあわせ、真空乳化釜は100Lから3,000Lまで、オープン釜は200Lから5,000Lまで幅広く対応できる環境がある。

 

学術研究都市に本社工場を設立

京都、大阪、奈良の三府県にまたがる京阪奈丘陵に、「けいはんな学研都市」という愛称で知られる学術研究都市がある。正式名は「関西文化学術研究都市」といい、文化・学術・研究の新しい拠点づくりを目指している。現在、150を超える研究施設、大学施設、文化施設などが立地しているが、この中に株式会社プロテックスジャパンの本社/京都工場がある。美容師にとってはハホニコブランドの製品で馴染み深い同社は、2009年1月に、この地で初めての本格的な自社工場を構えることとなった。

「けいはんな学研都市には様々な業種の工場がありますが、単に製品を大量生産するための工場ではなくて、研究に力を入れている企業が多いんです。業種は違っても、ここでそういった企業を見ていると参考になるし、刺激も受けますね」

そう語るのは株式会社プロテックス・ジャパン代表取締役社長、株式会社ハホニコ代表取締役会長である酒井良明氏。今回こちらの京都工場を案内していただき、同社の製品開発への思いをうかがった。酒井氏が美容師出身であることはよく知られているが、現在も製品を使う側の視点は失われていない。

「サロンで働いていた頃に『こんな製品があったらなあ』と感じることがよくありました。その頃から『美容師がメーカーになるのが一番いいんじゃないか』と思っていたのです。メーカーとして製品をつくるようになって何十年も経ちますが、今でもあの頃の自分のような美容師さんやサロンに思い通りの製品をつくるお手伝いをしたいというのがモチベーションになっています」

 

美容師がプライドの持てる製品をつくりたい

この工場で製造されているのはもちろん自社ブランドであるハホニコ製品、そしてOEM製品がメインだ。毛髪の構造を研究し、試策と検証を重ねて完成したヘアケア商品は、オリジナルブランドをつくりたい美容のプロから多くの支持を得ている。OEMの開発実績の8割以上はシャンプー、トリートメント、ヘアオイル等のヘアケア製品だが、最近ではボディケア、スキンケア、美容クリニック製品の実績も上がっている。医薬部外品である薬用シャンプー、薬用トリートメント、育毛剤にも力を入れている。これまでに累計約2,000アイテムを開発し、2022年1月までの実績数は年間平均154件となっている。

「美容師という仕事は、国家資格が必要な仕事でしょう?だから美容師が使う製品は、最高品質のものであって欲しいし、美容師がお客様に自信を持って勧められる製品でなければいけないと思っています。この工場は美容師にふさわしい、最高品質の製品をつくるためのものなのです」

京都工場は安全・安心への取り組みとして、品質管理には厳しいチェックプロセスを設けており、調合、充填、包装仕上げ、菌検査、最終出荷判定までの各工程において徹底した品質管理が行われる。


2009年1月、初めての本格的な自社工場として京都府精華町の学研都市の地に本社工場が誕生した。
製造部の調合工程は、生産数、容量、処方にあわせ、真空乳化釜は100Lから3000Lまで、オープン釜は200Lから5000Lまで幅広く対応できる環境で行われている。
同じく製造部の充填工程は、4連式自動充填機、ロボット反転洗瓶機、スパウトパウチ充填機、回転式クリーム充填機、チューブ充填機などの多品種対応の充填機を備える。バルクの粘度や処方、容器、生産数量に合わせて充填できる。製造部の包装仕上げ工程では各ラインにウェイトチェッカーを備え、充填重量全数検査を実施している。他にもダンボール封緘機、自動ラベラー、ピローシュリンク機等を各種備えている。各種機器による作業や管理だけでなく、最終的に人の目で全数確認を行う。
品質保証部では安心、安全、安定した品質の製品を提供するため、原料・資材受入検査からバルク検査、製品検査と一つの製品ができ上がるまでの各工程で品質確認・品質検査が行われる。各工程での検査をクリアし、最終出荷判定に適合した製品のみが提供される。

 

医薬品製造と同レベルの環境でスキンケア製品をつくる

 

「最近では人に優しく、環境にも優しい、肌や髪に優しい製品が求められていますよね。厄介なことに、肌や髪に優しいということは同時に菌にも優しい、喜ばしくない菌も繁殖しやすいということなんです。特にヘアケア、スキンケア製品などはペプチドを使ったものが多く、彼らにとっては栄養豊富な状態と言えます。だからこの工場をつくるにあたっては、徹底的に菌をコントロールができる製造環境にこだわりました。病院のオペ室や、半導体製造工場と同じレベルの環境。肌につける製品をつくる場所ですから、そこまでやって当然だと思っています」

製品の品質に関しては絶対の自信を持っているプロテックス・ジャパンだが、店販商品に関しては品質だけでは駄目で別の魅力を備えていなければいけないと酒井氏は考えているそうだ。理想は「美容師が売らなくても売れていく製品」だという。

「美容師さんが努力しなくても自然に売れていく製品にするには、クオリティはもちろん、時代のニーズやお客様の嗜好に合致する魅力を備えていなければいけません。弊社はものをつくる力には自信を持っていますが、マーケティングや企画力、発信力はまだ足りない。今後はそうしたことに力を入れて、より魅力的な製品でサロンの店販売り上げにもっと貢献していきたいですね。もちろん、ハホニコの名前の由来である、ハッ(として)、ホッ(と安心)、ニコッ(と満足して笑顔になる)の要素を満たしている製品であることが大前提です」

 

 

 

 

取材協力:株式会社プロテックス・ジャパン/株式会社ハホニコ
*月刊『SHINBIYO』2024年4月号 連載「製品開発のヒミツ」vol.3より転載

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