CE3シャンプー
広告ゼロ、 サロンからの口コミで 売れ続けている ロングセラー商品
セラミドと 4つの 植物エキスで、 手にやさしい処方
両性界面活性剤を使いつつ、洗浄力も犠牲にしない工夫
2003年の発売以来、 ゆるやかに 右肩上がりの 強い商品力
手荒れが原因で 退職する美容師を救いたい
ヘアサロンでシャンプーは欠かせな い作業の1つ。しかし昔からシャンプー などによる乾燥や肌トラブルに悩む美容 師は多く、実際に手荒れが原因で仕事 が続けられなくなるケースも少なくない。 サロンオーナーができることはと言えば、手荒れのひどいスタッフのシャンプーを休ませること以外に、手袋シャンプーの導入、オートシャンプー機の検討、そして手荒れしにくいシャンプー剤を使用することなどが挙げられる。
しかし手荒れしにくい高品質のシャンプー剤は高価格帯のものが多く、コストアップにつながり、オーナーとしては悩ましいところ。
こんな状況を解決できないかと開発されたのが、今回取り上げるミアンビューティー/三口産業株式会社から発売されている『CE3シャンプー』だ。
こちらは2003年に業務用として発売し、現在まで約20年間売れ続けている商品で、その特徴を同社マーケティング部の岡田博行さんに聞いた。
「手荒れを原因とした肌トラブルで退職する方が多い、という声をよく耳にしたことが発案のきっかけです。お客様の髪や肌にやさしく、さらに美容師の手にもやさしいシャンプーを、毎日気軽に使っていただけるリーズナブルな価格帯で提供できないかということで、製品開発がスタートしました」
手荒れがしにくいシャンプーとなると、成分をマイルドにする必要がある。そこで両性界面活性剤(ベタイン系)を中心にしたが、泡立ちが悪く洗浄力がもの足りない。そこでスルホコハク酸系やラウレス硫酸系などの界面活性剤を少量 加えることで、肌への影響を抑えつつ、泡立ちと洗浄力の共存を図った。
「複数のサロンにご協力いただき、実際に手荒れに悩む方を対象に、試作品を使用した後の手荒れに対する状況確認を行いました。肌へのやさしさと併せて、泡立ちと適度な洗浄力を両立するのは難しく、開発に1年半ほどかかりました」
そしてもう1つ、コストパフォーマンスにもこだわったという。
「いくら肌にやさしい製品でも価格が高いと導入しにくいため、製品化における余計なコストを削り、使い続けていただける価格を実現しました」
手荒れしないシャンプー = 高いを払拭する様々な工夫
『CE3シャンプー』を開発するに当たってはパッケージを極力シンプルにしてボトル代を抑え、さらに一度の製造量が多いほうが1本の価格を抑えることができるため、自社工場にはない大容量の製造が可能な釜を持つ工場と提携するなど、細かなコストダウンを積み重ねていったのだそう。その結果、800ml(リフィル)当たりサロン価格680円(税抜)という高品質・低価格を実現。
「さらに詰め替え品はプラスチックボトルではなくアルミパウチを使用するなど、ごみ軽減の点も考慮しています」
こちらの商品は発売以来、これといった宣伝を行うことなく、口コミを通じて売れ続けている。業務用だけでなく、店販品もほしいというサロンの現場の声から、現在は業務用、店販用の2 種類を販売。
「発売以来、お使いいただいた方が、手荒れに悩む他のサロンのスタッフやオーナーに紹介してくださったりと口コミを中心に売れ続けています。実際に使ってみて、手荒れが落ち着いてきたという感謝の声をいただいたりして、こちらが感激することもよくあります」
「美容師の手にやさしく、コストパフォーマンスも高い」という難題に取り組んだ『CE3シャンプー』。美容師の立場に立ったモノづくりの精神と妥協せずに開発した製品だからこそ、20年間という長い間、愛され続ける商品となったのだろう。
>>>CE3シャンプー のまとめ
Point 1
ベタイン系界面活性剤が頭皮や髪からカラー剤を素早く浮き上がらせる
Point 2
さらにカタラーゼが残留過水を分解。この相乗効果でスピーディな乳化を実現
Point 3
同時に、CMCやエルカラクトンなどのケア成分を毛髪に補給する
取材協力:ミアンビューティー/三口産業株式会社
*月刊『経営とサイエンス』2022年10月号 連載「売れてる一品!」より転載