KIWAMI -Σ
トリートメントだけでなく、
中間・後処理等、多岐に渡る使用が可能
中間・後処理等、多岐に渡る使用が可能
最近は、カラーやパーマなどのケミカルメニューにおける技術革新が進み、髪を極力傷ませずに、狙った色やウェーブを出すことが可能になってきた。またホームケア製品や美容家電等のクオリティも高まり、お客様が自宅で本格的なヘアケアを行えるようになった。
そんな中、サロンでのトリートメントメニューへの危機感から生まれたというのが、今回紹介する株式会社 CUTICULA から今年4月に発売された『KIWAMI-Σ(シグマ)』だ。この「危機感」について、『KIWAMI-Σ』の開発者であり、同社取締役で現役の美容師でもある一木快斗さんにその背景を伺った。
「最近は製品力と美容師の技術力で、施術中にダメージさせないこと、そして施術中にダメージをカバーすることがかなり可能になりました。またホームケアへの意識も高まってきており、お客様に『やはりサロンのトリートメントは違うわね』と感じていただけるような、圧倒的な価値がないと、サロンでのトリートメントメニューのニーズは減るばかりではないかと思ったんです」
そこで一木さんは、多くのお客様が気にするツヤと手触りの違いを実感できるように、「コーティング効果に全振りした、結果が分かりやすい製品」の開発に着手。その中で注目したのが、「セラック」という成分だ。
「セラックは人体には無害の光沢剤として、レモンなどの柑橘類や医薬品の錠剤のコーティング剤として広く使用されている成分です。セラックに熱を与えると光反射率の高い透明の被膜が形成され、これを髪に使用すると圧倒的なツヤとハリを与えることができます」
『KIWAMI-Σ』の有効成分

ちなみにセラックは高いアニオン性を持つ成分で、カチオン性のトリートメントを組み合わせることでさらに皮膜形成力が高まる。同社の『ピース3』 や『KIWAMI-2』といったカチオン性のトリートメントとの組み合わせを、一木さんは推奨している。
組み合わせで質感コントロール

人体に無害、ツヤやハリが出やすいと聞くと、いいことづくめの成分のようだが、セラックは質感がかなり重くなるというデメリットもあり、扱いが難しいそうだ。そのため何度も試作を行いながら、重さをコントロールしていったという。
『KIWAMI-Σ』にはその他の有効成分として、「マレイン酸ポリマー」や「レブリン酸」「加水分解ケラチン」を配合。熱や摩擦などのダメージを軽減し、よりハリとコシを感じる効果を高めたそうだ。
『KIWAMI-Σ』はサロントリートメントとしての使用だけでなく、縮毛矯正やヘアカラー、ケミカルメニューでの中間処理や後処理などの熱やアルカリを使用した施術にも効果的だそう。また希釈するタイプなので、一回の施術当たり平均20~30円とコスパも高い。
「『KIWAMI-Σ』はダメージ補修を行うのではなく、ツヤとハリを向上させる製品です。ポーラス毛やハイダメージ毛では重過ぎると感じる方もいるため、対象は健康毛~ミドルダメージ毛を想定しています」
セラックが可能にするツヤとハリ

そのため、「健康毛なのでサロントリートメントは必要ない」という方にも、手触りやツヤをより良くするというアプローチができ、ダメージ毛の方には普段のサロントリートメントに追加していただくことで扱いやすさがアップするそうだ。
「セラックの圧倒的なコーティング効果を組み合わせることで、お客様に『やはりサロンのトリートメントは違う』と実感していただき、需要拡大につなげることができればと思っています」

取材協力: 株式会社CUTICULA
*月刊『SHINBIYO』2024年9月号 連載「気になる新製品」vol.20より転載
*月刊『SHINBIYO』2024年9月号 連載「気になる新製品」vol.20より転載