“水光感ジェルベース”を採用したカラー剤で 透明感のある発色と瑞々しいツヤ感を表現

長く売れている「ヒット製品」には、愛される理由があります。
このコーナーでは、そんな珠玉の逸品を取り上げ、ヒットのヒミツを大解剖。
ユーザーに愛される理由を様々な角度から探ります。

『 IROJIKAKE 』


ブリーチ毛のアンダートーンを考慮した設計で
多彩な色表現&発色を簡単に実現


近年のブリーチオンカラー人気により、ブリーチの売り上げが伸びたり、プレックス剤が登場するなど、市場では大きな変化が起きている。ブリーチに対する抵抗感は世の中的にもなくなりつつあり、企業においても髪色の自由化が打ち出されたりなど、若者だけでなく大人世代もブリーチで髪色を楽しみやすい時代になっていると言えるだろう。その一方で、ブリーチオンカラーにおける課題は多く、特にブリーチ毛に対する色調合の難しさ、ブリーチを伴う施術の長時間化、ダメージ、操作性等に悩む美容師の声は、多く現場にも届いていた。
これらの課題に対応するヘアカラー剤として開発されたのが、今回紹介するホーユー株式会社の『IROJIKAKE』だ。2022年6月に発売されたこの商品は、ブリーチ毛のアンダートーンに着目して開発されたもので、「ベージュライン」と「ビビッドライン」の2ライン全16色(+クリア)を展開。これらの製品開発に携わった、マーケティング室の藤戸彩圭さんと稲垣説輝さんに話を聞いた。

「『IROJIKAKE』の最大の特長は、ブリーチ毛の黄色みに対して色づくりを行っている点です。今までは黒髪ベースに対して設計されていたため、求める色みを出すためには複雑な調合をする必要があったんです。けれども『IROJIKAKE』はワンブリーチを想定した16 レベルを起点とした色づくりを行っているため、簡単に希望色を選定できるようになっています(藤戸さん)」

さらにブリーチオンカラーのトレンド色を調査し、2極化している色ニーズを網羅。「ベージュライン」では、柔らかで繊細なベージュの色合いの違いを9色で展開。“ムーン”、“ラグーン”、“ブーケ”といった独特なネーミングを用いているのも印象的だ。また、「ビビッドライン」では、“ピュアブリリアント染料※1”を採用。高彩度を実現する処方設計により、しっかり色を入れても濁らず、沈まない色をつくり出すことが可能に。塩基性染料や酸性染料を不使用なので残留しづらく、褪色過程がきれいなのも評価が高い点。髪色を頻繁に変えたい顧客ニーズにも対応しやすいつくりになっている。


独自の「水光感ジェルベース」採用で
瑞々しくツヤめく発色と質感を表現


『IROJIKAKE』のもう一つの大きな特長が、「水光感ジェルベース」だ。瑞々しくツヤめく発色と質感で、内側から発光するような透明感を表現できる商品になっている。

「今回採用した“ジェルベース”は、毛髪表面が染まる性質があり、内部反射が少なくなるため、きれいにツヤ感が出るんです。クリームベースだと毛髪内部が染まる性質があるため、内部反射によってややくすんだ発色をしますが、そこが大きく違うところです(稲垣さん)」

“東洋の薔薇”とも呼ばれるカメリアオイル※2※3、アフリカの「神秘の木」の実から取れるシアバター※3※4という2つのツヤ成分を配合。傷んで見えがちなブリーチ毛に対してもリッチなツヤ感を与えてくれる。
また、力を加えると粘性が緩く変化するジェルを使用しているため、刷毛ですくう時は垂れにくく、毛髪に塗布する際は伸びが良く塗りやすいテクスチャーなのも特長。ジェルは親水性のため、ウェット毛に対して素早く馴染み、塗りムラが起きにくいことも利点の一つ。毛髪裏面への浸透性も高いため、厚めのスライス幅でもスピーディな施術が可能になり、時短にも一役買っている。


発色パフォーマンス、ダメージ抑制で
サロンワークの強い味方に


昨今のブリーチオンカラーにおいて、施術時間の長さやダメージの蓄積といった点は、大きな懸念材料だが、その点から見ても、『IROJIKAKE』のパフォーマンスは高い。時短という点においては、ジェルという特性を活かしつつ染料の調整を行ったことで、なんと5分放置でしっかり発色することができるという。また、ダメージ抑制の点においては、アルカリの配合量自体を発色に必要な最低量に抑えているため、ブリーチ力がなく毛髪へのダメージの抑制にもつながっている。美容師にとって、まさに至れり尽くせりの商品と言えるだろう。
“色で仕掛ける”という、ヘアカラーの醍醐味をその商品名に込めた『IROJIKAKE』。2ライン共にそれぞれ同じくらいの人気を博しているが、その中でもダントツ人気なのが、実は「クリア」なのだという。今回のカラー剤は16レベルのアンダートーンへの使用を軸に色設計が行われているため、単品使用すると、彩度が高くなったり、濃く仕上がったりする。その際にクリアをミックスすると、彩度や濃さをコントロールできたり、簡単に希望色に近い色みをつくり出すことができるのだ。使い方次第で様々な表現を可能にする商品として、これからますます大きな人気を集めていくことだろう。

 

>>>まとめ

POINT 01

多彩な色表現と発色を叶える、ブリーチ毛のためのヘアカラー剤

POINT 02

「水光感ジェルベース」がつくり出す、瑞々しい発色とツヤめく質感

POINT 03

時短、抜群の操作性、ダメージ抑制で、サロンワークの強い味方に

※1 青系のPure Brilliant染料:硫酸2,2’-[(4-アミノフェニル)イミノ]ビスエタノール 赤系のPure Brilliant染料:1-ヒドロキシエチル-4,5-ジアミノピラゾール硫酸塩
※2 ツバキ油
※3 毛髪保護成分
※4 シア脂

ヘアカラー・脱色剤(医薬部外品)使用上の注意
〇「使用上の注意」をよく読んで、正しくお使いください。
〇ヘアカラーでかぶれたことのある方には絶対に使用しないでください。
〇ヘアカラーをご使用の前には、毎回必ず皮膚アレルギー試験(パッチテスト)をしてください。

 

取材協力:ホーユー株式会社 プロフェッショナルカンパニー

*月刊『SHINBIYO』2024年8月号 連載「売れてる逸品!」vol.12より転載