ダブルスイングユメ
半個室+定点サービスを可能にしたパイオニア的商品
施術で使用する薬剤や機器をひとまとめにすっきり収納
棚付きで自分で荷物を管理できる点も、お客様から高い支持
空間を選ばないシンプルデザインが幅広いサロンに対応
発売まで3年以上をかけた、画期的な商品
近年、美容室のトータルビューティ化が進み、幅広いリラクゼーション&ビューティメニューが提供されるようになって、半個室・個室の需要が高まった。半個室・個室に関しては、お客様からも支持が高く、顧客満足度を高める上で重要なポイントだ。
今回紹介するタカラベルモント株式会社の『W SWING YUME』は、そうした半個室・個室への人気の高まりから生まれた、独自性の高い製品だ。
これまで、可動式のシャンプー台や、家具調のパーテーションなど、それぞれ個別には様々な商品があるが、「間仕切り家具+シャンプー台」という発想は見かけることはなかった。その斬新な商品をどうやって実現したか、理美容戦略企画部水回り製品担当西村正義さんに話をお聞きした。
「『W SWING YUME』は2020年4月に発売されました。元々弊社では、半個室・個室化を『サロンルーミング』と名付け、顧客との関係性構築やスタッフの働きやすさを高めるために必要と考え、空間づくりの面からサポートしてきました。その流れの中で、置くだけで半個室にもなり、シャンプー台も収納できて定点サービス(席を移動せずにすべての施術を可能にするサービス)を気軽に提供できる商品があったらいいのではないかというアイデアが生まれ、開発に取り掛かりました」
西村さんによると、「間仕切り家具+シャンプー台」という基本コンセプトを元に、デザインとして成立させるために、3年以上の月日がかかったという。
特に使用スペースに関しては、大型サロンだけが使えるものという印象を払拭するため、1台導入なら4坪、2台導入なら6坪以上あれば可能(設置スペースのみ)と、小・中型サロンでも手に届く大きさにしたそうだ。
「今回、シャンプーボウルも新しくデザインしたのですが、家具と組み合わさっても主張しすぎないフォルムと強度との兼ね合いなど、色々と苦労しました。またこちらにはエントリーモデルとフルスペックモデルの2種類があり、左の写真で紹介したフルスペックモデルは炭酸泉発生機のタンクやミスト発生機器が収納できます。これらを収納する棚は作業に使用する道具を置けるようにするため、耐水性の高い素材を使用するなど耐久性も考慮しています」
またコンセプトモデルをショールームに設置して、美容師の意見を聞いたり、系列会社であるタカラスペースデザインの店舗デザイナーにもアイデアをもらいながら形にしていったのだそう。
経営面への貢献度の高さも、商品特性と併せてアピール
販促面に関しても、これまでにない商品であるため、様々な戦略を立てたと理美容戦略企画部広報・プロモーション担当の山崎有紀さんは話す。
「エントリーモデルが¥999,000(取付工事費別)からと高額な商品ですから、商品性能を説明するだけでなく、サロン経営にどんな利点が生まれるかという点も強く打ち出していきました
そのために「ルーミングブック」と呼ばれるルーミングの実例を紹介する小冊子も用意。サロンの経営戦略にどれだけ貢献できるかをアピールしたという。
その結果、導入したサロンから、ヘッドスパなどがお勧めしやすくなり単価が上がった、置くだけでVIP感をアピールできる、外を歩く人へのアピール力が高く、新規獲得にもつながったという声が届いているという。
「コロナ禍も追い風となり、サロンオーナーの方々からの関心の高さを感じます」と山崎さん。ますます需要が拡大する半個室・個室化の流れの中で、『W SWING YUME』の登場は、サロンルーミングの新次元を開くこととなるのだろう。
>>>ダブルスイングユメのまとめ
Point 1
置くだけで半個室化を可能にする、 家具+シャンプー台という新しい発想がコロナ禍で注目を集める
Point 2
新規開店だけでなく、 改装などのタイミングで導入するケースも増加中
Point 3
使用スペースは1台なら4坪、2台なら6坪と、 小・中型サロンでも導入しやすいサイズ感が人気
取材協力:タカラベルモント株式会社
*月刊『経営とサイエンス』2022年12月号 連載「売れてる一品!」より転載