快適なヘッドスパやケアメニューをサポートする、“包まれ感”を追求したフラットシャンプーユニット

長く売れている「ヒット製品」には、愛される理由があります。
このコーナーでは、そんな珠玉の逸品を取り上げ、ヒットのヒミツを大解剖。
ユーザーに愛される理由を様々な角度から探ります。

<プレミアムライン/レッグレスト連動> シート:サンドベージュ(TD2)/カバー:ウォームグレイ(G)

『 YUME ESPOIR Ⅱ 』



「機能性」と「快適性」を向上させた新形状ボウルとネックデバイス


2006年の『YUME』発売以来、数多くの美容室に導入され、人気を博しているタカラベルモント株式会社の『YUME』シリーズ。ヘッドスパやケアメニューがまだ市場に浸透していない時期に、寝姿勢で快適な施術を提供できるとして、それらのメニュー化の浸透と共に評価され、2009年にスタンダードモデルとして『YUME ESPOIR』、2019年にシートデザインを変更した『YUME SUITE』、2021年にさらなる上位機種として『YUME NOBLE』を発売。理美容機器国内シェアの高い同社において主力製品へと成長し、今やフラットシャンプーの代名詞となっている。
発売から20年目を迎えた今年、主力3機種をアップデートした背景について、理美容戦略統括部の西村正義さんにお話を伺った。

「ヘッドスパの売り上げも認知度も高まっている今、当社の大黒柱になっている商品を改めてアピールしたいということで開発を進めてきました。良いところは継承し、ユーザーの意見を取り入れて、さらに使いやすさや心地良さに関して大きく改善をしています」

『YUME ESPOIRⅡ』 の変更点について、開発本部の高田知明さんは語る。

「今回はボウルとチェアを一新しました。ボウル部分は、上から見ると三角の形をしているんですが、お客様周りのスペースを確保しつつ、極力離した位置にシャワー部を取りつけることで、頭部との適度な距離感をキープ。リアボウルは、ボウル前面の厚みを薄くして寝心地をアップさせたり、後方を低くすることで、手を動かしやすくするなど施術効率にも配慮しています」

ボウル内にも施術のしやすさをサポートする工夫が光る。理美容戦略統括部の下川功祐さんは、美容師の方達の声を次のように語る。

「ボウル内にフラットなスペースをつくったことで、小物やケア剤などが置けるのは嬉しいとの声が多くありました。また、小型&節水タイプのシャワーヘッドの開発も工夫の一つです。手の小さい方でも握りやすいという利点以外にも、小型になったことで、洗いにくいネープのほうまでしっかりと手が入るようになったという操作性の高さも高評価を得られています」

ネックデバイスも、頭部形状や体型にも無理なくフィットする従来の動きはそのままに、回転軸のない機構を採用したことで小型化に成功。ボウル内の施術空間が広がるだけでなく、ネッククッションを簡単に取り外しできるようになったため、清掃性もアップした。



“包まれ感”を提供するために考え抜かれたチェア&フラットシートのこだわり


今回のリニューアルでは、より快適さや“包まれ感”を実現すべく、チェア部分にも大きなこだわりが込められている。寝心地の良さに定評がある従来製品よりも背もたれを40ミリ伸ばし、ネックデバイスとの隙間を限りなく小さくしたことで、サポート力が向上。また、座り込みと奥座りがしやすいシート形状になったことで、スムーズに快適な寝姿勢になることも可能に。レッグレスト連動タイプでは、レッグレストの角度を0度にすることで、お客様が快適に施術を受けられるフルフラット姿勢にできたり、プレミアム仕様では、足元をじんわりとやさしく温めるレッグレストヒーターを搭載するなど、バリエーションも多数で展開している。



「上質」「洗練」のコンセプトは維持しつつ時代のニーズに即した付加価値を提供


今回、紹介した『YUME ESPOIR Ⅱ』は、ビジュアルを一見しただけでは、大きな変化は見受けられないように感じるかもしれない。しかし、実は中身の一部の部品を除いて全て刷新しているという。今回のリニューアルの方向性について、高田さんは次のように語る。

「当社の看板製品なので、大きな変化をつけ過ぎて顧客の皆様の不安を感じさせてはいけないというのも課題でした。そこでスタイリングデザインはキープコンセプトに留め、いかに機能的付加価値をつけていくかを徹底的に追求しました。美容師の皆様は毎日同じ作業をする分、使い心地の良さは疲労軽減にもつながります。今回の改良点は細部にわたりますが、たくさんの検証の中で厳選した内容になっています」

ヘッドスパに加え、アイラッシュ等の施術ニーズが増えている現状を受け、プライベートフードをはじめとするオプション機器も充実させてラインナップ。きめ細かなこだわりと配慮に満ちた製品設計により、「これを入れていれば間違いない」と言われるのも納得。顧客の要望に応え、進化し続ける『YUME』シリーズ。次の10年も、期待に応える製品を提供してくれるはずだ。

>>>まとめ

POINT 01

他の追随を許さぬ、寝心地の良いフラットシート設計

POINT 02

考え抜かれた使い心地で、作業効率と疲労軽減に効果大

POINT 03

どんな内装・空間にも合う、普遍的で洗練されたデザイン

取材協力:タカラベルモント株式会社

*月刊『SHINBIYO』2025年1月号 連載「売れてる逸品!」vol.15より転載