カラーとパーマのダメージの違いに着目しそれぞれの修復に特化させたケア剤

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長く売れている「ヒット製品」には、愛される理由があります。
このコーナーでは、そんな珠玉の逸品を取り上げ、ヒットのヒミツを大解剖。
ユーザーに愛される理由を様々な角度から探ります。

サハイドロフォビック クリアメイクピース5 KIWAMI‐3 C/B
『MC、MJ』



カラー用、パーマ用で異なる成分を
メインに開発し、効果を引き出す


株式会社CUTICULAと言えば、独自製法のレブリン酸の特性を最大限に活かしたパーマ剤、カーリング料のシリーズで、ケミカル施術に関心の高いサロンから大きな支持を得ているメーカーである。そのCUTICULAで、実はパーマやヘアカラー施術の際に「なくてはならない製品」として、導入サロンがセットで用いているケア剤がある。それが今回ご紹介する『ハイドロフォビック クリアメイクピース5 KIWAMI‐3 C/B MC』と、『同 MJ』(以下『MC』『MJ』)だ。

カテゴリー的にはいわゆる「プレックス剤」となるのだが、こちらはカラー施術専用の『MC』と、パーマ用の『MJ』とに分かれる。ほとんどのプレックス剤が「カラー、ブリーチ、パーマ」共通で使用する製品になっている中、別製品として展開しているのはなぜか? 同社代表であり、美容師でもある一木登紀男さんにお話を伺った

「製品を2つに分けたのには、明確な理由があります。カラーやブリーチによるダメージと、パーマによるダメージでは、原因が大きく異なると考えているからです」(一木氏)

CUTICULAでは、SPring-8(兵庫県にある世界最高性能の大型放射光実験施設)の解析結果などから「通常のパーマでは、還元剤により一度の施術でもケラチンタンパクの破壊が見られてコルテックスに穴が空くが、ヘアカラーやブリーチではそれほどでもない。むしろ脂肪酸の流出問題のほうが大きく、これによって内部損傷が進むのではないか?」と考えたという。そこでパーマ用には、ボイド(穴)を埋めてS-S結合をサポートする成分である活性ケラチンを、カラー用には表面をきちんと被膜するマレイン酸コポリマーと、S-S結合と架橋をサポートするエラプレックス(ジマレイン酸系)をメインに、2つの異なるケア剤として2019年に発売したのだ。これらをパーマやカラー時に用いたサロンや顧客から、大きな反響があった。

「カラー用の『MC』のほうは、頭皮に被膜が形成されるので『カラー剤が染みなくなった』『ブリーチが痛くない』という声がまっ先に上がりました。またツヤ感、手触り感、色持ちも確実に良くなりましたね。パーマ用の『MJ』は、リッジ感やボリューム感の向上が好評でした」(一木氏)



トステア®が配合されたリニューアルで、架橋がさらに強化



2022年、『MC』と『MJ』はリニューアルしてパワーアップ。成分に「トステア®」が加わったのである。当時はまだ「システアミン-フマル酸会合体」という名称で呼ばれていたこの成分を、一木さんは早くから注目していた。「実は原料メーカー推奨のパーセンテージでは、あまり効果を実感することができなくて。パーセンテージを上げ、様々な配合で試していたんです。最終的に、継続しても質感を硬くすることもなく色みに影響もない、ベストパフォーマンスを発揮する現在の配合量に行きつくまで、かなりの実験を重ねました」(一木氏)

このリニューアルによって、両製品共さらにケア力と色持ち、カールの持ちが向上。ハリコシアップも顕著で、エイジング毛のお客様には、ますます威力を発揮している。使用方法がシンプルである点も好評だという。

「『MC』のほうは、カラー剤なら最大で10%(この範囲なら色みに影響なし)、ブリーチなら10~15%使用すればOK。ただしリキッド状なので、入れ過ぎには注意です。パーマ時の『MJ』は中間処理時に、原液をロッドの上からスプレー塗布。もし前処理として使うなら2~5倍希釈使用です(CUTICULAのパーマ剤は、コルテックスにアタックしないので前処理は不要)。ストレート時は、後処理としてシストリに加えることもできます」(一木氏)



顧客の声に向き合い、美容師目線で開発された製品


一木さんは、CUTICULAはメーカーであると同時にサロンも経営していることが大きな強みだと話す。

「1つの製品が完成するまで、お客様に協力していただきながら3か月~半年、最低でも3回以上は継続施術を行って、その変化やお客様の感想を細かく記録し、調整を繰り返します。我々は美容師でもあるので、お客様が効果を実感でき、実際により扱いやすい髪に変化していくことを最重要に考えているのです」(一木氏)

美容師がサロン現場で「こうあって欲しい」と願う目線で開発されたパーマ剤と、それを強力にバックアップする処理剤やケア剤。パーマが少しずつ盛り返してきている今、顧客の満足度を大きく高めて、パーマ比率、リピート率アップを図りたいのであれば、この組み合わせは試してみる価値大と言えそうだ。

>>>売れてる3つのPOINT!
POINT 01
ダメージの違いに着目し、カラー用、パーマ用で開発
POINT 02
リニューアルでトステア®を配合し、さらにパワーアップ
POINT 03
パーマやカラー施術との組み合わせが容易

取材協力:株式会社CUTICULA
*月刊『SHINBIYO』2025年4月号  連載「売れてる逸品!」vol.18より転載

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