プレックス系処理剤の代名詞的な存在である『FIBREPLEX(ファイバープレックス)』が、「ブリーチを日本のあたりまえに」というミッション達成を経て、今年リニューアルされました。新ミッションに込めた想い、リニューアルの背景について、担当の3人にお話を伺います。
プレックス系処理剤のパイオニア
『ファイバープレックス』
― 『ファイバープレックス』は、プレックス系処理剤の先駆けとなった製品でした。
犬飼 2017年当時、アメリカで話題になっていたプレックス系処理剤を日本市場に初めて投入したのが、『ファイバープレックス』です。発売がブリーチオンカラーが流行り始めた時期と重なり、業界に大きなインパクトを残せたと思っています。美容師さんのクリエイティブの幅を広げるのにブリーチ施術は必須だと考え、「ブリーチを日本のあたりまえに」というブランドミッションを打ち出しました。
― 発売後の反響はいかがでしたか?
犬飼 美容師さんからの反響も良く、発売2年目から大々的に市場を広げていきました。基本的にはブリーチ関連製品を投入し続け、ブリーチ市場の隆盛の一翼を担ったと思っています。
― そして、新ミッションがスタートしました。
渡邉 はい。ハイライトやデザインカラーを含め、ブリーチは今や当たり前となりました。我々としては、次のステージを目指すため、「強さは、自由だ。」という新ミッションを掲げました。髪を芯から強くし、ダメージを感じさせずに、ブリーチはもちろん、カラーでもパーマでも、ヘアスタイルを自由に楽しんでいただけるようにサポートしていきたいと考えています。
“ファイバーボンドテクノロジー” で
枝毛、切れ毛98.6%削減*1を可能に
― まず、『ファイバープレックス』の根幹となる、“ファイバーボンドテクノロジー”について教えてください。
内田 『No.1 ボンドブースター』に配合されている3種のジカルボン酸(コハク酸、ムチン酸、酒石酸)が、ブリーチ、カラーなどのケミカル施術による酸化ダメージから毛髪を保護します。それでも100%保護して、ダメージゼロというのは難しい。そこで、ダメージした部分に対しては、『No.2 ボンドフィクサー』に配合されているマグネシウム塩(ボンディング成分)が毛髪内部でイオン結合し、毛髪を強化*2します。この保護・強化というのが“ファイバーボンドテクノロジー”になります。
― このテクノロジーが、「枝毛、切れ毛98.6%削減」を実現しているんですね。
内田 発売当初は94%でしたが、研究を重ねて、98%、98.6%と数値を向上させてきました。
『No.2 ボンド フィクサー』に
膨潤を抑える「クレアチン*3」を新配合
― リニューアルした点を教えてください。
内田 『No.2』には、マグネシウム塩の他、熱反応で指通りを良くするヒートアクティブプロテイン*4が配合されていますが、さらに髪の膨潤を防ぐ「クレアチン」が新配合されました。現在、複雑履歴や複合的なダメージが増えていて、どうしてもダメージが進行した部分は過膨潤になり、毛髪内部のたんぱく質が流出したり、手触りが悪くなってしまいます。今回、この過膨潤を抑えるために有効な成分を探す中で「クレアチン」に行き着きました。
― 様々な成分をテストされるんですか?
内田 はい。ただし、弊社はヨーロッパの会社なので、日本の法律に合うだけでなく、ヨーロッパの基準にも合う成分でなくてはならない。どちらにも合っていて、社内ルールにも合致する限られた中から選ぶのが大変でした。
犬飼 でも、日本の研究所で、日本人の髪、今の美容師さんのニーズに合わせて開発できるのは我が社の強みですよね。
― 他にも、色々とご苦労がありそうですが。
内田 だいたい、マーケティング部のほうから夢物語のような無理難題が上がってくるので、それを現実に落とし込むのが大変ですね(苦笑)。
犬飼 いつも無理を言ってます。サロン様からのニーズに、ちょっとの妄想を加えて…(笑)。
渡邉 それを、一緒に実現していくのが我々の仕事ですよね
『ハリコシ、自然なまとまり感が出る
アウトバストリートメント『ボンド ミルク』
― ヘアミルクも新発売されましたね。
渡邉 2022年に、“ファイバーボンドテクノロジー”が搭載されたアウトバストリートメント『ボンド オイル』を発売して、たくさんの方にご愛用いただいております。アウトバストリートメントではヘアオイルが主流の中で、最近はヘアミルクを使用する人が増え、両方を併用する人も多くなっています。そのトレンドを読み、『ボンド ミルク』の開発、発売に至りました。
― オイルとの違いを教えてください。
渡邉 オイルが主に表面の潤い、輝くようなツヤ感が出るのに対し、ミルクは毛髪内部から保湿し、ハリコシ、自然なまとまり感とツヤのある仕上がりになります。また、湿気バリアコンプレックス*5の高い保湿力で毛髪内部に必要な水分を蓄えるので、外からの湿気を防いで高温多湿の環境でも広がらず、まとまりをキープできるのも大きな特徴です。質感を重くしてまとまり感を出すのではなく、保護・強化しながら素髪のような軽い仕上がりになります。
犬飼 ですので、ダメージ毛だけでなく、うねりやパサつきが出て、ハリコシやボリュームがなくなってくるエイジング毛にもぴったりだと思います。
― 『No.2』と『No.0 ボンド プライマー』の新パッケージについて教えてください。
渡邉 ボトルからパウチへのリニューアルにより、プラスチックごみを重量換算で50~70%程度、削減できるようになりました。ヘンケル全体で行っているサスティナビリティ戦略の一環です。
内田 容器が膨れたり、中身が分離したりしないように、製品の効果、配合量のバランスを保つのが重要で、しっかりと安定性を見ながら開発を行っています。
犬飼真衣
マーケティング担当
商品開発グループ
アシスタント
ブランドマネジャー
内田航太
開発担当
研究開発部
シニアサイエンティスト
渡邉千秋
マーケティング担当
商品開発グループ
アシスタント
ブランドマネジャー
ファイバーボンドテクノロジーとは?
ダメージによる髪の悩みを補修で解決するのではなく、毛髪を保護・強化し、 ダメージを受けにくい髪へと導くことでサポートする革新的テクノロジー
*1 弊社研究所にて、ブリーチ剤+ファイバープレックスNo.1 ボンドブースター、No.2 ボンドフィクサーとブリーチ剤で比較した際の研究データ(最大値)
*2 No.1 ボンドブースター、ファイバープレックス ブリーチやボンドカラーと併用した場合
*3 ヒト体内に存在するアミノ酸誘導体
*4 加水分解コラーゲンPGプロピルメチルシランジオール
*5 ヒアルロン酸Na・パンテノール
お問い合わせ先
ヘンケルジャパン株式会社
シュワルツコフ プロフェッショナル お客様相談室
Tel. 03-3472-3078(受付 : 土・日・祝日を除く10~12時/13~17時)
*月刊『SHINBIYO』2025年4月号 タイアップ広告より転載