突然ですが、
こちらの毛束の仕上がりを見てピンときた方は相当なパーマ通ですね!
大きなCカールが出ています。しかもバウンシーな弾力感があるようにも見えます。
さて、こちらはどんな巻き方で巻いたでしょうか?
答えは、中間巻きをした時のかかり上がりになります。そして、バウンシーな大きなCカールは、中間巻きで2回転した時の大きな特徴でもあるんですよ。
一方でこの仕上がりを見て、
「大きなロッドで毛先巻きしても同じような巻き上がりになるのでは?」
と思った人も少なからずいるはずです。
確かに、大きなロッドで毛先巻きしても同じような質感って出せそうな気がするけど……
「残念ながら、大きなロッドで毛先巻きをしてもこの質感はできないんですよ」
そう話すのは、『ANTI』のBOSS・小松利幸さんです。小松さんと言えば、元祖中間巻きの生みの親的存在。
1990年代後半に業界に発表した中間巻きは、外国人のクセ毛のような質感をつくる大きな武器として広く知られました。
そこから30年以上にわたり、常に技術をバージョンアップさせて、日本のパーマシーンを牽引してきたレジェンドです。
小松さんは続けます。
「毛先巻きで大きなCカールが出ないのには理由があります。まずは回転数の問題ですね」
確かに毛先巻きで同じ回転数の2回転で巻いたら、仕上がりはS字のウェーブに近づくと予想されますからね。じゃあ、回転数を落とせば、毛先巻きでも大きなCカールは表現できる?
「答えはノーです。大きなロッドで2回転弱で毛先巻きをしたとしても、結果は、冒頭の写真のような大きなCカールにはならないんですよ」
そう言うと、小松さんは1.5回転~2.25回転まで0.25回転刻みで、毛先巻きで巻いた毛束の比較写真を見せてくれました。
確かに毛先巻きでは大きなCカールはできていない!
えっ、じゃあ、何が違うの??? レジェンド、答えを教えてください!!
「それは中間巻きと毛先巻きとではピボットポイントが違うからですよ。先ほどの回転数による影響よりも、むしろ、このピボットポイントの影響のほうが100倍重要です」
ピボットポイントとは、一般にウェーブの基点を指す言葉です。
通常は、毛束を最初にロッドに巻きつけた位置のことを言い、中間巻きの場合は、中間(下の写真の赤丸で囲んだ親指で押さえた毛束)がピボットポイントになります。
このピボットポイントが、大きなCカールの表現に関係しているのか!
でも、どのように関係しているのだろう??
ちょっと長くなったので、詳細は次回お届けします。