2回転の中間巻きのかかり上がりの特徴は、大きなCカールで、これは毛先巻きでは表現することはできないーー。
前回は、このことについてパーマレジェンドの『ANTI』小松利幸さんにお話を伺いました。
小松さんによれば、毛先巻きで大きなCカールがつくれない主たる理由は、
「毛先巻きと中間巻きでは、ピボットポイントが違うから」と解説いただきました。
ピボットポイントが何か知りたい方は、前回を読んでくださいね。
通常、平巻きでロッドに毛束を巻きつける際は、ピボットポイントとなる部分の毛束が一番内側になり、その上に重なるように他の部分が巻きつけられます。
この時、内側を内径、外側を外径と呼びます。
ちなみに直径の大きさは、内径<外径になるので、かかりの強さも当然、内径<外径になります。
ここでピボットポイントに着目すると、はじめに巻きつける部分=ピボットポイントなので、ピボットポイント=内径と考えることができます。
つまりピボットポイントの毛束が一番かかりやすく、ピボットポイントから離れるほど緩くかかるわけです。
言葉だと分かりづらいので、図にしてみました。
1本の毛束を中間部まで巻くという想定です。
まず毛束は、毛先と中間で色分けし、どこが最初にロッドに巻かれたかを分かりやすくしています。
それで、こちらが巻きつけるロッド。
直径の部分を横からの状態です。
これを前提に、まず毛先巻きを図にしてみます。
毛先巻きは、文字通り、毛先から巻き始めるので、当然、巻きつけた時、内径になる(=最初に巻かれる)のは毛先で、その上に重なる外径部分は、中間部になります。
対して、中間巻きはというと、その逆になります。
つまり内径になるのは中間部で、その上に重なる外径部分は毛先になります。そしてこの時、内径のほうが直径が小さいので、当然、かかりもよくなる。
くどいようですが、かかりの強さは、
ここで、カンの良い方ならお分かりかもしれませんが、実は2回転の中間巻きの特徴である弾力のある大きなCカールは、中間=かかりが強い、毛先=かかりが緩やかになる巻き方をしているから表現できるのです。
小松さんは、アイロンでつくった弾力のあるCカールをパーマで再現すべく、この中間巻きを世に送り出しました。
このバウンシー感の裏には、こんな秘密があったわけです。
まさに考え尽くされた技術!!
「でも、この巻き方にはもう一つポイントがあるんですよ。ただ中間から巻きつけて2回転すれば、あのカール感が表現できるわけではないんです」
えっ、そうなんですか、小松さん? そのポイントって??
「ポイントは、毛束の厚みです。中間巻きの厚みを上手くコントロールすることで、はじめてアイロンで巻いたような質感になるんです」
実は、この厚みのポイントは、これまで『ANTI』のトップシークレットとされ、サロン外に公開されることはありませんでした。
そんな門外不出の技術の秘密を、今回緊急出版された「ANTI パーマのアルゴリズム」で大公開しています。
小松さんいわく、今、流行っているパーマを単なるブームで終わらせないために、これまで明かすことのなかった秘伝中の秘伝を包み隠さず公開することにしたのだそうです。
そんな小松さんのメッセージは、コチラから確認できます。
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