東京・表参道の『LILI』が、理容室『LILI’S CUT CLUB』をオープン!
前編 今までにないサロンを目指して名づけた『LILI’S CUT CLUB』
この6月、東京・表参道にある『LILI』がリニューアルし、理容室『LILI‘S CUT CLUB』をプレオープンしました! オーナーの三好真二さんは3月に理容師免許を取得し、それに合わせて出店準備を進めてきたとのこと。本オープンは7月半ばですが、一足早く、オープンにかける思いや裏話など、色々とお話を伺いました。前編の今回は、お店のコンセプトについてです。

『LILI’S CUT CLUB』の店内の様子

サロン外観。左手のドアが美容室『LILI』、右手の締まっているドアが『LILI’S CUT CLUB』
――『LILI‘S CUT CLUB』をオープンした理由を教えてください。
三好 僕の実家は代々、床屋で、祖父母、両親、兄も理容師なんです。だから、いつかは自分も理容師の資格を取りたいと思っていたんです。理美容すべての技術を習得したいっていうプランは若い頃からあって。カット、メイク、セット…と一つずつクリアしてきて、最近メンズ客が増えてニーズも広がってきたから、今のタイミングかなと思ったんです。
――新規開拓というより、既存客の満足度アップという目的なんですね。
三好 そうですね。昔からのお客様がファミリーで来店されることが増えて、若い男の子も来るようになると、顔の脱毛をしてるとかって話を聞いたりするんです。若い子って、シェービング(顔剃り)って知らないんですよね。じゃあ理容師の資格を取って、シェービングもできるようにしたいなとか、今来てくださっているお客様に対して、提供できるメニューの幅を広げたいというのが一番の理由ですね。それに、女性でもシェービングして欲しいって方が結構いるんですよ。
――『LILI‘S CUT CLUB』というサロン名の由来を教えてください。
三好 理容室なんだけど、床屋さんとかバーバーではなくて、今までにない形のサロンをつくりたかったんです。家族で来られて、原宿・表参道らしいエッジのあるスタイルを楽しめて…。理容の刈り上げを習得して、もっとカットを追求できるような場所にしたいというイメージがありました。ずっとレザーカットをしてきて、シェービングも加わって、レザーを極めたい、「剃刀を持たせたらすごいよ」って言えるようになろうと(笑)。

奥の美容室とは壁で仕切られ、ドアも設置されている
――サロンの内装がとても素敵ですね!
三好 内装のテーマは、「昭和のスナック」。椅子のレザーと鏡面横の棚のワインレッドの光沢がレトロで良いでしょ。レザーとタイル張りで黒目地を入れているので、周りからは、「ブルックリンスタイル」だと言われますね。まず、理容椅子から決めたんです。これは、40年前のタカラの『879(ハナキュウ)』と呼ばれるモデル。お店で見た時はホコリだらけで錆びついてて大丈夫かなって感じだったけど、レザー張替、塗装、メッキ磨きを経て、生まれ変わりました。この椅子に合わせて、内装を決めていった感じです。美容室のうち約6坪、3面をつぶして、新たに2面、流しを設置。美容室とは壁で仕切って、新たに入口もつくりました。

リペア前の椅子

リペア後。背もたれのステッチを横ラインから縦ラインに変えたのもこだわり

内装のテーマは「昭和のスナック」
――理容室をオープン後の予約の取り方や三好さんの働き方は変わるのですか?
三好 基本的には、大きくは変わりません。美容室も理容室も、予約は同じ電話番号でのみ受けつけるので、男性でも女性でもカット&シェービングの予約が入れば『LILI’S CUT CLUB』の席にお通しすればいいし、カット&パーマなら『LILI』の席でもいい。ドア1枚隔てただけだし、2店合わせた席数は『LILI』だけの時とほぼ変わらないので、今まで通り女性も男性も大人も若者も対応して、美容のメニューも理容のメニューも幅広く提案していくという感じですね。実際のところは、本オープンの7月中旬に向けて、シミュレーションしていきます。
――もともとのスタッフは美容師さんですが、新たに理容師さんも入ったのですか?
三好 理容学校時代の同級生をスカウトしました(笑)。“むらっち”こと、村山 聖、48歳です。彼は、地元に通信科がないため長野県松本市から通っていて、同級生として学ぶうちに一緒に働きたいなと思うようになったんです。それで、まだ試験前の去年の暮れに松本まで口説きに行って、2月から上京してうちで働いてもらってます。あともう1人、7月に入社してくれるのも同級生。こちらは、静岡から通っていた40代の女性です。2人共、美容&理容両方の免許を持っているから、僕と同じく美容、理容、どちらのお客様にも対応できる心強いスタッフです。

『LILI』と『LILI’S CUT CLUB』のスタッフ集合。前列、三好真二さん。後列左から、村山 聖さん、江崎 匠さん、田所 小雪さん。7月から新たに1名加わる
――ご縁に恵まれていますね! そんな理容学校でのお話、勉強の苦労話(?)は、後編でお届けしたいと思います。
三好真二(LILI)
みよし・しんじ 1972年生まれ、香川県出身。高津理容美容専門学校卒業後、奈良県内のサロンに就職。その後上京し、『SABFA』にてメイクを学ぶ。1996年『HEARTS(現Double)』に入社し、2006年に独立して東京・表参道に『LILI』をオープン。レザーカットを用いたカット技術、その人にフィットしたスタイル提案に定評がある。2025年3月に理容師免許を取得し、7月『LILI‘S CUT CLUB』を本オープン予定。