「id」とは
技術と感性を磨く場として、40年を超える歴史を誇るルベル主催のヘアデザインイベント「id(アイディー)」は、「クリエイティブデザインアワード」、「サロンスタイルアワード」、「セルフィーアワード」の3つのアワードで展開。「クリエイティブデザインアワード」は2025年春夏シーズンのトレンドから、『Romantic Feeling~情緒的で甘美な空気感~』をテーマに設けました。「サロンスタイルアワード」では2万人の一般女性による投票を実施。参加者全員にフィードバックされ、サロンワークの参考になるリアルなコメントにも注目が集まりました。

クリエイティブアワードGOLD Prize受賞者の作品撮り下ろし撮影
SHINBIYO編集部が投げかけたテーマは「Phantasia(ファンタジア)」。
「id 2024」のクリエイティブアワードにてGOLD Prizeに輝いた『LECO』の高橋太朗さん(Ladies’ model)と、同じく『LECO』の松留優香さん(Men’s model)に作品の撮り下ろしをさせていただきました。
お2人のディープな空想がクリエイティブの世界を広げます。
高橋太郎 LECO

hair:TARO TAKAHASHI make-up:RIO(共にLECO)
Point of the work
「Shadow(影)」をテーマにダークファンタジーを表現
「id」の受賞作品もそうですが、自分は漫画でいうと「ドロヘドロ」や「ブラム」のような闇とか毒を感じる世界観が好きなんです。なので、ただ幻想的なだけではないダークファンタジーをイメージして、「Shadow」をテーマにしました。ヘアはバックを刈り上げてウエイトを高めにし、短い部分を立ち上げて棘っぽい質感に。前髪ともみあげには垂れ下がる長い髪を残して、“ぬまっ”とした不気味さを演出しました。フロントの両サイドには金髪のデザインカラーとブラントなラインを組み合わせてアクセントに。人間っぽさのない、影の生物のような感じをヘアとファッションで表現しました。
Behind the scenes
好きな世界観やつくりたいデザインが非常に明確な高橋さん。シザーとレザーを駆使してカットのデーテールを丁寧につくっていました。「id」ファイナルと同じモデルさんで撮影に臨んだのは、自分の振り幅への挑戦の意味もあったそう。そのストイックな姿勢を現場で『LECO』代表の内田さんも暖かく見守っていました。

ブラック&ホワイトのカラー、シャギータッチとブラントの組み合 わせがデザインポイントです!


Profile

1997年生まれ、岩手県出身。盛岡ヘアメイク専門学校卒業後、地元の大手サロンに入社し、グループ内数店舗で経験を積む。その後上京し、2021年『LECO』に中途入社。現在スタイリストを務める。エッジの効いたシャギーヘアやデザインカラーを得意とし、サロンワークに留まらず、ヘアショーやコンテスト等でも活躍している。
松留優香 LECO

hair&make-up:YUKA MATSUDOME(LECO)
Point of the work
着想源は「スメラルドの伝説」
とある男の儚くも美しい“虚無”
韓国の音楽グループBTSの「The Truth Untold」という曲から着想を得て、中世のイタリアを舞台にした「スメラルドの伝説」という寓話を元にイメージを考えました。人物像の設定としては、孤独や喪失感を抱えている男性の“虚無”がテーマです。幻想的で物憂げだけれど、どこかに美しさや強さを感じさせるように、ヘアカラーはスメラルドの花という架空の花をモチーフに、濃度を変えた淡いブルーとピンポイントでピンクを組み合わせてデザイン。カットはトップにレザーで長短をつけ、ちらっと見えるネープには厚みを残して、儚い雰囲気の光の中でも立体感が出るように仕上げました。
Behind the scenes
K-POPやダンス好きで、周囲を引き込む明るさが魅力の松留さん。プロを目指す18歳のモデルさんは、コンテストも撮影も初めてだったそうで、お互いにチャレンジャーとして切磋琢磨できたという言葉が印象的でした。まだ、スタイリストデビュー2年目。メンズに限らず今後どんなデザインをつくっていくのか楽しみです。

大好きなBTSの曲からインスパイアされたテーマを考えました。
カラーチェンジは大変でしたが、きれいなブルーが出せて良かった!


Profile

2000年生まれ、鹿児島県出身。関西美容専門学校卒業後、2021年『LECO』に入社。2024年にスタイリストデビュー。学生時代から積極的にコンテストにも挑戦し、今も多くのチャレンジを続けている。K-POPや韓国カルチャーに精通し、韓国風スタイルを打ち出している他、現在はメンズヘアやデザインカラーの提案に力を入れている。
『id2024』 GOLD Prize 受賞作品紹介
『id2024』GOLD Prizeを受賞した作品&コメントを紹介します。
Creative Award Ladies’ GOLD Prize


高橋太郎さん LECO
Creative Award Men’s GOLD Prize


松留優香さん LECO
Salon Style Award GOLD Prize



蓬莱たけるさん AMA TOKYO
Selfie Award GOLD Prize




平塚美紅さん SENDAI 中央理容美容専門学校
Creative Award Ladies’ INTERNATIONAL Prize

黃于庭さん O-fu(台湾)
Creative Award Men’s INTERNATIONAL Prize

EMI KIMさん DIANA N DOM STUDIO(マレーシア)
「id 2025 Creative Design Award」は6月2日応募開始!
創造性を刺激し、日々のサロンワークにおけるヘアデザインの可能性を大きく広げるコンテスト「id」。
2025年も以下の部門が開催されます。
■Creative Design Award Ladies’(モデル競技部門)
■Creative Design Award Men’s(モデル競技部門)
■Salon Style Award/Ladies’(フォト部門)
■Selfie Award/Student(フォト学生部門)
2026年3月17日(火)、東京国際フォーラムにてFINAL STAGE開催決定!





今までコンテストは結果より過程を重視してきましたが、GOLD Prizeをいただけてモデルさんやスタッフが喜んでくれたのは素直に嬉しかったですね。「id」も撮り下ろしも大枠のテーマはあるものの、好きな世界観を表現できる幅があり、振り切ったデザインをつくれたことが良かったです。楽しみながらチャレンジできましたし、自分の得意や好きを改めて確認できました。衣装スタイリストさんやフォトグラファーさんとのセッションは初めてでしたが、プロの感性が加わることで視野が広がり、とても貴重な経験をさせていただきました。