天然由来の「肌髪成分」をふんだんに配合し、現代女性の悩みに応えるヘアケアシリーズ

長く売れている「ヒット製品」には、愛される理由があります。
このコーナーでは、そんな珠玉の逸品を取り上げ、ヒットのヒミツを大解剖。
ユーザーに愛される理由を様々な角度から探ります。

スプリナージュ
『SPRINAGE』

(左から)モイストヴェール シャンプー※(医薬部外品)、トリー トメント、ミスト、バーム
※販売名:スプリナージュシャンプー モイストヴェール


紫肌にも髪にも使える
ヘアケア剤として誕生


「肌にいいものは、髪にもいい」をコンセプトに、『SPRINAGE(スプリナージュ)』がリリースされたのは、2013年。当時は、肌にも髪にも使える“肌髪成分”を配合したヘアケア製品は皆無に等しく、製品が発売されると忙しい女性達を中心に瞬く間に広まった。

そんな製品群がさらに進化したのが、2019年。当時はナチュラルオーガニック市場が成長し、「安心して使えるものが良い」という気運が高まった時期。シリーズの開発に携わった株式会社アリミノの商品開発部・吉田雅美さんは当時をこう振り返る。

「安心・安全という発想は、当然、化粧品にも求められるようになりました。そこで、私達はシャンプーやトリートメントといった普段使いのインバスアイテムをシリーズに投入しようと決めました。市場ニーズを考慮し、キー成分はすべて天然由来で、合成着色料、鉱物油、パラベン、シリコーンは無配合の処方でつくろうと思ったのです」

さらにこれらインバスアイテムには、『SPRINAGE』の既存製品に配合され好評だった「アスタキサンチン」も配合。この成分はオレンジ色をしているのが特徴で、製剤化の際は、合成着色料を一切使わずに天然成分だけで、この色を出すことにも注力したという。

「このリニューアルでは、現代女性の髪の悩みに寄り添う意味で、髪質別に対応できる2つのラインを設定しました。①軟毛、少毛、細毛を対象とした『パフスムース』ラインと、②硬毛、多毛、乾燥毛を対象とした『ジェントルモイスト』ラインの2つです」

また当時、天然成分主体の製品は香りなどの演出面が弱かった中、『SPRINAGE』は、2ラインのイメージに合わせた天然香料を配合するなど細かな点まで配慮し、化粧品としての完成度を限りなく高めた。その結果、当初大人世代を対象としていた製品が、若年層までリーチするようになった。


製品の哲学を継承し、
敏感肌の悩みに対応する


そしてシリーズ発売後、10年が経過した2023年、満を持して新ラインである「モイストヴェール」が投入された。同ラインは、低刺激性であることが大きな特長。

「季節の変わり目やホルモンバランスの変化によって、肌や髪に影響を受けやすい現代女性の悩みに応えたいという思いが、開発の背景にありました。 一方でブリーチオンカラーの流行に伴い、頭皮のかゆみやつっぱり感に悩む敏感肌のお客様も増えていました。『モイストヴェール』は、そうしたお客様の悩みをサロン発信で解決する製品にしたいと思ったのです」

もちろんキー成分は天然由来、フリー処方※1という『SPRINAGE』の哲学は継承。しかも今回はそこに「低刺激」という要素が加わり、開発のハードルは高くなった。

「開発にあたり、敏感肌の女性にアンケート調査を行いました。その中で『シャンプーやトリートメントを選ぶ決め手は?』という質問に意外な答えが返ってきたんです。当初、私達は『低刺激』という要素を予想していましたが、答えは『仕上がり感』だったんです」

やはり、美しくなるために使うのが化粧品。今の女性達の心理がまた一つ深掘りされた。ここで吉田さんは、製品の仕上がり感を、多くの女性達が憧れる「なめらかな質感」に設定することを決めた

※1 鉱物油、パラベン、合成着色料、シリコーンフリー


キー成分に「シコン※2」を配合し
地肌をいたわる処方へ


『モイストヴェール』の開発には、実に4年の歳月が費やされたのだそうだ。

「低刺激を実現するための成分に、今回『シコン』という自然成分を採用しました。シコンは古くから肌のケアなどに使われてきた植物由来の成分です。髪への効果はダメージホールに選択的に吸着し、芯が入ったような弾力をつくることができます。ピンク色の成分なので、既存ラインとの剤の色を差別化もできると思いました。ただ、天然由来の成分は紫外線などで色が壊れやすく、香料や各アイテムの処方によっても変色や褪色が起こりやすいのです。また、それに伴い効果が減ってしまうこともあるので、成分のバランスを取ることにかなり時間がかかりました」

そうした苦労の末、開発されたのは、シャンプーとトリートメント、ミスト、バームの4アイテム。

「バームは肌にも髪にも使える『SPRINAGE』のコンセプトをフルに引き出したスタイリング剤です。低刺激性で、肌にも使えるため、スタイリングの後に手に残ったバームをそのまま伸ばし、手指をケアするのもおすすめです。」

発売以来の累計販売本数は、約300万本。『SPRINAGE』が、この驚異的な数字を生んだのは、時代と共に変化する女性の気持ちに常に寄り添い、その気持ちに応える製品を粘り強く開発し続けた、まさに賜物と言えよう。

※2 ムラサキ根エキス(皮膚保護)

 

>>>売れてる3つのPOINT!

POINT 01
肌にも髪にも使える天然成分を採用

POINT 02
合成着色料、鉱物油、パラベン、シリコーンフリーの処方

POINT 03
キー成分には、「アスタキサンチン」や「シコン」を配合

 

取材協力:株式会社アリミノ
*月刊『SHINBIYO』2025年8月号  連載「売れてる逸品!」vol.21より転載