大阪府柏原市 本社工場
時代のニーズに合った製品やオリジナリティある製品を生み出す現場の裏側を取り上げるこの企画。第6回目は株式会社セブンツーセブン、および株式会社セブン化学の本社工場を訪問。施設の特徴や製品開発の思いについてお聞きした。
1961年、大阪市内より柏原市に移転。手前が株式会社セブンツーセブン、奥の3階建の建物が研究・製造を担当しているセブン化学で、1~2階が工場、3階が研究開発スペースとなっている。
大阪市内から電車を乗り継いで1時間ほど、柏原市にある近鉄・安堂駅につくと、野立て看板でお馴染みの「727」の文字を掲げた建物が見える。今回は創業以来、80年にわたって化粧品やヘアケア製品を開発・販売している株式会社セブンツーセブンの本社工場を訪問。同社代表取締役社長の宮副 健氏、関連会社である株式会社セブン化学 研究室 課長の高橋幸司氏に話を伺った。
柏原市に本社工場を設立したのは、創業から16年目の1961年。
「それまでは製造部門がなく、他の会社に委託していたのですが、より安心安全な製品をご提供したい、また、企画したコンセプトのままブレることなく製品化したいとの思いから、自社工場を設立しました」と宮副氏。
人材確保や整備導入、ノウハウの習得、技術向上等、並々ならぬ努力を重ねて本格稼働。それが現在の株式会社セブン化学であり、今もセブンツーセブンのほぼすべての製品の研究・製造を行っている。本社工場は、セブンツーセブンの本社機能と、セブン化学が統括する研究室・工場が併設されており、工場の敷地面積は約3,000㎡。そこでスキンケアやメイクアップ、ヘアケア製品まで150種類もの製品が製造されている。
「多品種小ロットという弊社の特徴に合わせているので、設備自体はさほど大きくないのですが、多種多様な設備が揃っています。口紅やマスカラまでつくれる工場は多くはないと思います。つくれないのは固形石鹸とアイブロウペンシルくらい。スキンケアからヘアケアまで処方を組める研究員がいることも、うちの強みです」と宮副氏。
限られたスペースで、多様な製品を製造していくため、製造ラインの配置を組み替えるなど、日々工夫して対応。粉もの(ファンデーションなど粉でつくられるもの)が飛び散って他の製品に混入しないように、設備はもちろん清掃まで徹底しているそうだ。さらに、2020年にはISO22716認証を取得。安全性への取り組みもより強化している。
企画、研究、製造が同じ敷地内という
強みを活かした製品づくり
このような多種にわたった製品の開発を可能にしているのは、80年という歴史の中で培われたノウハウ、研究員達の幅広く、深い知識。そして、営業、企画、研究、製造が同じ敷地内にいるという利点を活かした、部署間の連携のスムーズさにある。営業部が美容室の現場で吸い上げてきたニーズを、企画室が新製品として企画し、それを実現するために研究員が何度も試作。その開発過程の中で、各部署がそれぞれの思いをぶつけ合いながら、一つの製品をつくり上げていくという。
そして、そんな強みを活かして生まれたのが、最近発売され、話題となっている頭皮ケア製品『創髪®プログラム』だ。営業、企画、研究で議論を重ね、効果を測定するため、社員が頭の一部を剃りモニターとなるなど、社員一丸となって開発を行ってきた。
そして、このプログラムで使用する養毛料『ヴィステムグロウ スカルプ セラム SC』も、もちろん本社工場で製造されている。開発当初は、研究員が製造現場に立ち会っていたそうだ。
「ヒト幹細胞培養液は、ただタンクに入れればいいというわけではなく、取り扱いに工夫が必要なところがあります。製造する際には、ラボスケールでつくったものをきちんと再現できるように、研究室と製造課で頻繁にコミュニケーションを取りました」と宮副氏。
このように、安全性やクオリティを確認しながら製造できるのも、自社工場で製品をつくっている強みと言えるだろう。
「自社製品は自社でつくる」をモットーに
人を美しく、元気にする製品をお届けしたい
最後に今後の展開について、宮副氏にお聞きした。
「「セブンツーセブン、そしてセブン化学の社是である『和信創調』は、柏原の地が奈良に通じる街道沿いにあるということで、奈良の象徴である聖徳太子の言葉『和を以て貴しと為す』から『和』をお借りしました。社員だけでなく、お取引先、仕入先など、皆様と『信』頼し合い、新しい製品を『創』り上げる。そのために、様々なことを『調』べるといった意味が込められています。今は、流行りの成分とその含有量が注目されがちですが、化粧品というのはそんなに単純なものではありません。目的の仕上がりに合わせ、効果成分が最大限に活きる処方や製造が大切で、弊社はそこに絶対のプライドを持っています。これからも、研究から開発、製造、販売に至るまで、自社一貫体制で行うという基本方針を貫きながら、人を美しく、元気にできるようなヘア&フェイス製品をお届けしていきたいと思います」。

1 WEBでも人気の「727」の野立て看板。この看板から株式会社セブンツーセブンを知る人も多い。
2 乳化釜は、小ロットで多品種を製造するため150L、350Lとコンパクトな設計。
3 ファンデーションなど、粉体を成形する機器。
4 口紅など練り状の化粧品を充填する機器。

5 できた製品は容器に詰められて、出荷される。工場には約50人が勤務。
6 工場の上には研究スペースがあり、日々、開発を行っている。ラボスケールでつくったものを、製造の過程できちんと再現できるように、日々、研究室と製造課で連携を取っている。
7 話題の製品『創髪®プログラム』の養毛料『ヴィステムグロウ スカルプ セラム SC』も、本社工場で製造されている。


取材協力:株式会社セブンツーセブン/株式会社セブン化学
*月刊『SHINBIYO』2025年10月号 連載「製品開発のヒミツ」vol.6より転載


