ウォーターベールが毛髪表面を覆い、内部補修もできる水性ブローローション

ケア&スパ

科学に裏づけられた 「水の膜」がツヤとうるおいをプラス 


ケミカリングボンドウォーター

オイル問題――、今、一部の美容師たちの間で話題になっているトピックだ。ここ数年で、アウトバスオイルが大流行した。
そこへ、昨今のブリーチオンカラーブームも後押しするかたちとなり、髪のパサつきを抑えるアイテムとして、市販品も含めて一気に様々なタイプが市場に広がった。
当然、お客様の中には付けすぎてしまう人もいる。どうもそれが原因で頭皮から嫌な臭いがしたり、ときには オイルの膜が施術に支障をきたすこともあるようだ。
株式会社クチクラの代表・一木登紀男さんは、このオイル問題が起こった背景を以下のように説明する。
「そもそもの発端は、7〜8年前のノンシリコンブームにあったと思います。シリコンが髪に良くないということがテレビCMなどで宣伝され、ノンシリコンシャンプーが登場しました。その流れは今も微妙に残っています。 でも、日本人の髪質の場合、ノンシリコンシャンプー を使っていると、どうしてもパサつきや広がりが出てしまう。そこで注目されたのがオイルだったわけです」
一木代表は、オイル問題は、付けすぎによる原因だけでなく、成分の種類によっても起こると指摘する。
「アウトバスオイルには、大きく2タイプあるんです。簡単に言うと、ひとつは酸化する油分で、もうひとつは酸化しない油分の2つです。 一般に前者は天然油と呼ばれるもので、後者は精油と呼ばれます。オイル問題を引き起こしやすいのは、このうちの天然油です。天然油は髪や頭皮で酸化しやすいため、嫌な臭いが発生しやすいんです」
とはいえ、臭いを気にして油分を抜けば、今度はパサつきが気になってしまうというのも悩ましい話。
「弊社の製品を使っている美容師の方からも同じような 相談を受けています。そこで開発したのが、『ケミカリング ボンドウォーター(以下、ボンドウォーター)』なんです。この製品は、“水の膜で髪の表面を覆う”をコンセプトに開発しました」
一般に表面の水分は時間と共に蒸発してしまうもの。『ボンドウォーター』の水分は蒸発しないのだろうか。
「普通はそうですが、『ボンドウォーター』の水の膜はなくならないんです。ポイントは保湿効果のある界面活性剤を使っていること。『パルミトイルペプチド-18』という界面活性剤です。この成分は、ひも状ミセルという特殊なかたまりを形成します。
さらに『ボンドウォーター』の場合は、このひも状ミセルが連なって水の膜を形成し、毛髪の表面に蒸発しない水分のベールで覆うことができるんです」
同社ではこれを「ウォーターベール」と呼んでいる。またこのウォーターベールにはベタインや植物エキス、マレイン酸、レブリン酸といった有効成分を浸透させることにも一役買っているという。
「弊社では、例えばレブリン酸ひとつとっても、この成分が有効に働くpHを徹底的に研究し、その範囲で機能 するように丁寧に剤を設計しています。また使用成分やメ カニズムも80%以上の科学的エビデンスのとれたものしか採用しないのがポリシーです」
ちなみに『ボンドウォーター』を使用した技術者からは、 アホ毛が収まるなどの評価はもちろん、中には「2か月くらい使うと髪が太くなった」のようなプラスαの効果を挙 げる人もいるそうだ。科学に裏づけられた水の力が、オイル問題に一石を投じたことは間違いない。
代表取締役社長
一木登紀男さん