SHINBIYO6月号 「撮影のプロがアドバイス! 作品撮りレベルアップ講座」 誌面に載せきれなかったヘアとメイクのアドバイス

SHINBIYO6月号 コンテスト特集の「撮影のプロがアドバイス! 作品撮りレベルアップ講座」。この企画では、作品をレベルアップさせるコツを『rapt.』のアシスタント星野光咲さんの作品撮りを通して、色々とご紹介しました。

この企画でご登場いただいた、『rapt.』代表 阿野田亮介さんと、メイクアップアーティスト 工藤ゆかさんからの、誌面に載せきれなかったヘアとメイクのアドバイスを、編集部との一問一答形式でご紹介します。ぜひ誌面と合わせてご覧ください!

阿野田さん

編集部 星野さんは、撮影当日、ヘアスタイルの仕上げで苦労していましたね。

阿野田 今回、星野が目指すヘアスタイルがアウトフォルムのシルエットが特徴的なデザインでした。こういうデザインの場合、実際に「目視」した時と「写真の画像で見た時」のシルエットの見え方の違いに悩みやすいんです。

編集部 どうしたら、写真の中で、思い描くデザインを表現できるようになりますか?

阿野田 まずは実際にカメラマンが撮影しているアングルで見てみるというのが、大前提です。星野を見ていても、ヘアスタイルを見る時に、鏡越しが多かったので、そうすると上から見下ろす形になってしまい、自分が実際に動かしたい場所と触る場所のギャップがありました。

編集部 では、実際のアングルに目線を(重心を)落として見るのが大事ですね。

阿野田 また気になる部分の毛先だけ触っていても、あまり変化が出ない場合もあるので、そういう場合は、毛束の根元をたどっていき、根元がどう動いているかに注目するといいと思います。また今回のようなパーマスタイルの場合、毛束が思うように動かないと、スプレーでガチガチに固定する人もいますが、そうするよりも、根元に隠しピンを入れて毛先の方向性を変えたり、動きを減力させるなどといった撮影テクをいくつか覚えておくといいですね。

編集部 途中でスマホの画面からヘアを見ていましたね。

阿野田 肉眼だけでなく、スマホの画面越しに見ながら髪を触って、どこの髪の毛を動かすとシルエットが変わるかを確認することも、役に立つと思います。

 

工藤さん

編集部 打ち合わせを振り返った時に、工藤さんが星野さんを褒めていたのが印象的でした。工藤さんは、星野さんの打ち合わせのどんな点が印象的でしたか?

工藤 ご一緒していて、「何がしたいか、どんな女の子や世界観を表現したいかをはっきり持っているな」と思いました。世界観や女性像がはっきりしていると、メイクやカメラマンやスタイリストなど、外部スタッフが何を提案したらいいかが考えやすく、コミュニケーションが取りやすいです。イメージを言葉で伝えるのも大事ですが、それだけだとズレる時があるので、一緒に写真などで伝えられたのもいいな、と思いました。

編集部 打ち合わせの中で今回の女性像について、工藤さんが質問していたのが印象的でした。

工藤 はい。ヘアでやりたいことやフォトのイメージが明確でも、女性像(キャラクター像)が明確でないと、メイクの表現がぼやけるので。今回は、ヒッピー&サイケデリックな世界観のバンド「Father Of Peace」と90年代の雑誌『CUTiE』と、大きく2つのキーワードが出てきました。これを具体的にフォトイメージ、女性像のイメージ、ヘアの表現の大きく3つにどう当てはめていくかで、メイクも大きく変わってくるんです。

編集部 それは、どういうことですか??

工藤 例えば、星野さんの頭の中で、ヘアのイメージは90年代の『CUTiE』から、女性像やフォトのイメージは「Father Of Peace」であれば、よりメイクのイメージもヒッピー風に近づけていかないとな、と思いました。
でも、星野さんと色々話をしていくと『CUTiE』に出てきそうな女の子が、「Father Of Peace」の世界観にハマっている、ととらえることができたので、メイクはそんなにヒッピー風に引っ張られず、90年代の空気感を表現するほうが星野さんのヘアのイメージに合うかな? と思いました。
ただ90年代に振り過ぎるとトゥーマッチになるので、今っぽさも失わないようにしました。

編集部 あと、ライティングの色についてもカメラマンに尋ねていましたね。

工藤 はい、メイクや肌の質感はライティングに引っ張られるので。そのあたりを確認してイメージを膨らませつつ、あとは当日どう転んでも対処できるように、用意していきました。今回で言うと、黄色っぽいライトだったので、90年代を彷彿とさせる、白みや薄紫色を使ったハイライトがポイントでしたね(詳しくは誌面をご覧ください!)。

編集部 工藤さんは色々な美容師さんとお仕事をしていますが、そうした経験も踏まえ、美容師さんにアドバイスがあれば教えてください。

工藤 撮影に慣れていないと、色々と決め切れず撮影当日を迎え、現場で悩んでしまうということもあるかもしれません。撮影当日は思ったよりテンパってしまうと思うので、デザインをある程度決めて、事前に何度も練習することが必須かと思います。

星野さんのことは以前から知っていたのですが、彼女は事前にすごく準備をするんです。実際にモデルさんの髪を仕込む前に、何度もウィッグでつくってみて、それを写真に収めて、阿野田さんにアドバイスをもらったりする。アシスタントだからできる技術に制限があっても、あきらめず何度も繰り返してやりたいことを明確にするから、それがメイクやカメラなど、他の人にも伝わって、思い通りの作品がつくれるんだと思います。

あとは撮影当日の、用意してきたものを似合わせていく力が必要になりますが、それは経験値を積むことで身についてくると思います。一回一回の撮影の機会を大切にして、密度の濃い経験を一緒に重ねていきたいです!

 

ぜひ、SHINBIYO6月号と併せてお読みください!