毛髪・頭皮・皮膚の基礎基盤研究強化を目指す
共同研究部門開設 /ミルボン,大阪公立大学

ミルボン(佐藤龍二社長)と大阪公立大学(辰巳砂 昌弘学長)は、2022年7月1日、大阪公立大学大学院医学研究科に共同研究部門(部門名:薬物生理動態共同研究部門)を開設した。

【本部門の目的】

高齢化・長寿化が進む現代社会において、生活者が生涯健康な状態で生活できることが非常に重要であり、更にQOL(Quality of Life:生活の質)向上のためには外見の印象も大切とされる。ヒトは加齢に伴い細胞が老化し、毛髪や頭皮の状態が変化するが、変化が顕著に進むと外見の印象にも大きく影響を与える。一方で、変化が顕著となる前に効果的な対策を講じることができれば、美しく健康的に歳を重ねることが期待できる。本部門では、肌や頭皮、毛髪の変化に対して、皮膚病態学および分子生物学の手法を用いた基盤研究をもとに、老化メカニズムや薬剤の応答性の研究を行う。また、同大学大学院医学研究科皮膚病態学講座(鶴田大輔教授)などの臨床講座と連携して、新しい皮膚炎症制御法や育毛・発毛法の有効性を検証するための臨床研究を行う。

【本部門の設置に至った経緯】

ミルボンは美しい毛髪を育む土台として健やかな頭皮を維持することが重要であることに着目し、これまで研究や商品開発を進めてきた。その取り組みの中で、2020年から大阪市立大学(現大阪公立大学)大学院医学研究科皮膚病態学講座と共同研究を開始し、様々な薬剤の応答性に関する研究を実施。この度、大阪公立大学とミルボンとの産学連携をより一層強化し、協働で皮膚病態学的および分子生物学的な基盤研究を推進させるため、共同研究部門の設置に至った。頭皮や皮膚に関連するメカニズム解明や有効性研究を協働で行っていくことで、髪や頭皮、肌に悩みのある方のQOLの向上に繋げられるような社会貢献性の高い研究活動を進めていく。

【本部門での研究概要】

大阪公立大学大学院医学研究科皮膚病態学の小澤俊幸特任教授を中心に、研究を進めていく。動物実験代替育毛モデルの作製、有効性・抗炎症成分の探索、候補成分のメカニズムの解明等を様々なアプローチによって明らかにするとともに、有用性を検証していく。

【共同研究部門の概要】

1.講 座 名:薬物生理動態共同研究部門

2.設置場所:大阪公立大学大学院 医学研究科

3.設置期間:2022年7月1 日 ~ 2027年6月30日

4.研究体制:小澤俊幸(薬物生理動態共同研究部門 特任教授)

【研究代表者からのメッセージ】

大阪公立大学大学院医学研究科 薬物生理動態共同研究部門 

特任教授/小澤俊幸

皮膚は体液の漏出を防ぐためのバリアとしての機能だけでなく、外界から内臓を守る臓器の一つと捉えることができます。さらに肌や頭皮と毛髪などは個人の見た目を大きく左右する要因の一つであり、事実、薄毛や皮膚疾病で悩まれている患者様が大勢います。私どもは、皮膚病態学的・生化学的な視点から皮膚とその周辺器官である毛髪の生理活性や薬物動態の機能を解明し、未病状態のうちに皮膚およびその周辺器官の環境を健康に戻すことで重大疾患の発症や進行を未然に防ぐ未病医療を確立することを目標として、健康長寿社会の実現に向けた研究活動を展開してまいります。本共同研究講座の開設により、大学と企業が協働することで、社会実装性の高い研究成果に繋がることを期待しています。