「カタログビジネスに手応え」と谷口理事長
2022年第2回全体総会/日本ビューティ・コーディネーター協会

全国9エリアで61社の美容室が加盟する日本ビューティ・コーディネーター協会(通称/JBCA、谷口誠治理事長)は8月18日午後4時半から、都内渋谷区のミルボンスタジオで2022年第2回全体総会を開催、2022年度各事業報告を含む全議案を承認可決した。総会にはオンライン参加を含め約100名の会員サロンおよびJBCA加盟のメーカー、ディーラーなどが出席した。

総会は野嶋朗氏(特別顧問)の司会進行で進められた。野嶋氏は初めにコロナ禍におけるJBCAの活動を振り返って「各団体ともまとまった話し合いが困難な状況だが、JBCAはしっかり活動が出来ている。特に各エリアというよりも会全体としての取り組みが活性化している」と前置きした上で、最近の業界トピックスについて触れ「アマゾンとアイスタイルが業務提携したというニュースは美容業界のメーカー、ディーラーなど関係者の間でも話題を呼び様々な反応が出ているようだ。今後の展開はわからないが、もしサロン専売品が入ってくるようなことになれば、アマゾンの規模や販売力からいって構造自体が大きく変わる可能性もあるのではないか。これからもこうした外側の動きは強まるかも知れないが、それに惑わされず内側(サロン)の動きをしっかりつくっていくことが重要だ」と訴えた。

野嶋氏は更に最近のシェアサロン(フリーランス美容師)に関する話題も取り上げ「現在6~10万人のフリーランス美容師が働いているが、彼らの働く意識が昔と変わってきているようだ。昔は100万円以上売り上げる人が中心だったが、最近は20、30万円で十分というフリーランスも多いという。都心の人気エリアで働くことに憧れ一時的なフリーランスを志向するという今どきの若者像が背景にある」と述べ、若手スタッフのキャリア育成の重要性を強調した。

続いて挨拶した谷口理事長はJBCAが先に実施した「カタログビジネス」(物販)の結果について報告した。それによると、今回は試験的に理事のサロンのみ(10社)で行い、予約販売売り上げの合計は1億7600万円だったという。これについて谷口理事長は「メーカーやディーラーにも評価してもらえるようないい数字だと思う」と総括した上で「第2弾の秋冬バージョンでは倍以上のサロンが参加する予定なので3億近い数字を目指したい。店販売り上げを押し上げてくれるカタログビジネスは美容室に合ったやり方だと思う」と述べ同事業に強い意欲を示した。そして、メーカーやディーラーのメリットとして「美容室が物販に興味を持つ」「物販の重要性に気付く」等を挙げ、技術に偏り気味だったこれまでのヘアビジネスの中で「美容室の新しい位置づけになる」と結んだ。

このあと板倉雄三副理事長および苺谷千尋本部認定講師が、9月26日に開催予定している「ビューティ・コーディネーターの集い」(会場=ホテル日航大阪)について説明した。発足11年になるJBCAが培ってきたBC(ビューティ・コーディネーター)の概念はその後様々な変化を遂げ、サロンワークやサロン経営に大きな影響を与えているという。当日はBCを対象にしたBC勉強会でパネルディスカッション、また全体セミナーでは「BCの進化とこれから」のテーマでサロンでの取り組みや成功事例の発表などが行われる。

このほか総会では顧問の北川能之氏から、JBCAが取り組んでいるビューティ・コーディネーター(1級、2級)やビューティ・ビジネス実務の検定および関連テキストの販売状況について報告があった。それによると、この6月に実施された2022年前期のJBCA検定の受験者数は、一般受験者数は減ったものの教育機関(専門学校)の受験者が大幅に増えたという。いっぽう、テキストの販売は累計前年対比で100.5%とやや増だった。これに関連して北川氏は「東京での認定校が少しずつだが増えている。現在の検定ラインナップになってからの2022年受験者数を2015年と比べると、一般受験者数はやや苦戦しているのに対し専門学校の方は1.7倍になっている。少子化傾向のことを考えればJBCAのビューティ・コーディネーター教育は業界に受け入れられていると自負している」と同事業への自信を示した。終了後の午後6時からは会場を移して懇親会も行われた。なお、10月19~20日には沖縄県那覇市でJBCA会員による意見交換会や交流パーティー、ゴルフコンペ等が開催される。

挨拶する谷口理事長

当日は半数近くがリモートでの参加だった

総会には会員サロン、メーカー、ディーラーなどが参加した

検定状況について報告する北川氏

秋に開催予定の交流会(沖縄)について説明する事務局の山花氏

取材:小牧 洋