ワーキンググループ設置してSDGsを推進
第3回理事会/東京都美容生活衛生同業組合

東京都美容生活衛生同業組合(通称:BA東京、金内光信理事長)は10月12日午後6時半から、都内代々木の美容会館9階TBホールで第3回理事会を開催し、報告事項のほか付議事項の役員・総代等選挙管理委員会の委員選任に関する件など全ての議案を承認可決した。

議事に先立って挨拶した金内理事長は「コロナもだいぶ落ち着いてきて各地の空港も大変な混雑のようだ。海外からの入国制限も大幅に緩和され日本も新たな経済復興が始まると期待されている。BA東京でも活動を本格化させていきたい」と述べ、3年振りとなる「第8回きもので銀座(10月25日)」や久しぶりに開催される「サロン繁栄勉強会(年末)」「第64回ガラ・ド・ラ・コワフュール(2023年6月下旬~7月中旬を予定)」等の実施に意欲を見せた。

金内理事長は続いて「外国人美容師育成事業」の進捗状況について、同事業が令和4年10月1日より開始されたことを報告した。理事長は同事業が主要メディアでも大きく取り上げられ、議員の質問に対する小池百合子東京都知事の「高い志を持った外国人美容師が今後サロン現場で高度な美容技術や接客スキルを習得し将来的に海外で発信してもらうことは、美容製品の輸出により産業競争力の強化を図る上でも非常に重要」との答弁も併せて紹介、「この事業については様々な異議が出され、これから更に乗り越えていかなければならない課題もあるが、今後の美容業にとっては大きな事業の一つとなろう。9月26日に第1回総会および臨時理事会を開催して、いよいよ本事業がスタートした」と述べた。

報告事項では村橋哲矢専務理事よりSDGs(持続可能な開発目標)の推進について報告があった。SDGsについてはすでに美容業界でも様々な団体や企業等が取り組み話題になっているが、BA東京でも事業計画にある通り今期から具体的な取組を推進することになっており、所管の経営・組織部会が推進を担当することになっている。報告された実施内容は次の通り。

(1)美容業のSDGsワーキンググループ(WG)の設置(未加入サロンの取り込み)

SDGsに興味を持つ有名サロンの若い美容師を中心にメンバーを募り、SDGsワーキンググループを構成する。5名程度のメンバーを編成して、第1回WG会議を開催。楽天SDGsによるSDGsの基礎講演を実施するなど、4回~5回の会議開催を予定する。

(2)楽天グループとの提携(BA東京発の業界連携プロジェクト)

楽天グループ(株)楽天ビューティ事業部並びにサステナビリティ事業部との連携による美容業界向けSDGsの具体的取組を検討する。

(3)サステナブル ビューティサロン認証の発行(取組の可視化)

ワーキンググループにおいて、美容業におけるSDGsの優先課題や取組目標を検討し、サステナブル(持続可能な)な美容室経営に向けた提案をテキストにして、希望する美容室に提供する。自主学習を行い具体的な取組が適当と認められたサロンに「サステナブル ビューティサロン認証」ステッカーを発行する。

(4)サステナブル・ビューティな美容商材への認証と推奨

来年度以降には、SDGs志向の明確な商材に対してサステナブル・ビューティ商材認証を発行し、ウェブサイト等で商品の推奨を行うことを計画する。

SDGsの概念等についても説明した村橋氏は美容業界における現状について「サロンで個別に取り組んでいる事例は散見できるが業界全体ではまだ積極的な推進は出来ていない状況で、他業種と比べるとやや遅れをとっている感がある」と述べ、今後BA東京が推進を先駆けて行うことで美容業界におけるSDGs分野を牽引していく考えを示した。

報告事項には町田支部の金丸保一支部長から「組合加入体験キャンペーン(令和4年11月1日~)」について「毎回キャンペーン終了後に数字的な結果報告はあるが、期間中執行部ではどんな事に取り組んでいるのか」との質疑が、また調布支部の小川知明支部長からは関連で組合費の滞納者対策等の質疑が出された。これに対し組織担当の関口豊一常務理事からこれまでの活動内容が報告され、村橋専務理事からも「本部では体験組合員を増やすため、期間中にネット広告を出すなど組合加入のメリットを知ってもらうための各種イベント等を企画している」との説明がなされた。金内理事長も「検討課題」とした上で、今年7月に厚労省医薬・生活衛生課長名で各都道府県の衛生主管部(局)長宛に出された生活衛生同業組合活動推進月間の実施に関する協力依頼文書を紹介しながら「新規組合員を獲得するための活動は皆さんにお願いしているが、大事なことは組合と行政との連携だ。そのためにも各支部が行政(保健所)と手を携えてこの問題に取り組んで欲しい」と要請した。関連で大森支部の渡邊武雄支部長からは未加入の若手を対象に行ったというアンケート結果が報告され、渡邊氏は「組合の勧誘パンフレットは確かにメリット満載だが、彼らが本当に欲していることや困っていることを掬い上げていくことも必要ではないか」と提言した。

挨拶する金内理事長

SDGsの推進について報告する村橋専務理事

組合加入体験キャンペについて質問する町田支部の金丸氏

答弁する組織担当の関口常務理事(右)

組合費の滞納問題で質問する調布支部の小川氏

提言を述べる大森支部の渡邊氏

取材:小牧 洋