神奈川県美容業生活衛生同業組合(澤飯廣英理事長)は1月10日正午から、横浜市内のヨコハマグランドインターコンチネンタルホテルで賀詞交歓会を開催した。コロナ禍の影響で3年ぶりの開催となった交歓会には組合員や来賓など約210名が出席した。感染対策が施された各テーブルでは、久しぶりの再会を喜ぶ参加者の笑顔や談笑風景が見られた。
オープニングでは登壇した6名の常任理事が紹介されたのに続いて、澤飯理事長が年頭の挨拶を述べた。理事長は「開催するかしないか昨年の11月まで悩んだが、ようやく実現出来て本当にうれしい」と前置きして、今年の組合の方針として2つのスローガンを紹介した。第一のスローガンは「IT社会への対応」。これについて澤飯理事長は「右を向いても左を見ても今やデジタルという言葉が氾濫している。組合にとってももはや避けては通れない問題だと考えており、2年前にデジタル推進委員会を立ち上げて情報発信等の活動をスタートさせた。今年はこの活動を更に活発にしていきたい」とデジタル化への意欲を見せた。
第二のスローガンは「目指せ、客単価1万円」。澤飯理事長は、年の瀬から年明けにかけて政府や大企業経営者がこぞって賃上げを叫んだことに言及して「美容業界には縁遠い話のようだが同時に非常に深刻な課題でもある。世間から3K業種と呼ばれている不名誉を挽回しイメージを変えていくためにも、賃金体系や社会保障制度の見直しは差し迫った大問題だ」とスローガンの背景等を説明した。そして、これを実現するための条件として料金の適正化を挙げた。最後に「目標に向かって組合員の一人一人が努力しなければ料金の改定など不可能。一丸となってこの課題に取り組み、次の世代が希望を持てる美容業界にしていきましょう」と呼びかけた。
この後新年会恒例の表彰式が行われ、永年勤続従業員や叙勲受章者などに澤飯理事長から表彰状、花束等が贈られた。また、この日の交歓会には任期2期以上を勤めて退任した理事も招待され、理事長から記念品が手渡された。
続く来賓祝辞では初めに土肥富有子神奈川県生活衛生課長が「美容室で髪をきれいにしてもらうと年齢に関係なく『頑張ろう』という気持ちが湧いてくる。皆さんの日々の活動は県全体の健康寿命の延伸につながっている」とお祝いを述べたあと、八亀忠勝(公財)神奈川県生活衛生営業指導センター理事長、篠田直喜(株)日本政策金融公庫横浜支店・国民生活事業統轄らも「コロナ禍にあって我々飲食業界の廃業問題も深刻だ。試行錯誤しながら頑張っているがまだまだ影響は続きそうだ(八亀氏)」「男性の美への関心が高まっているようだが、私もエステは利用してみたい(篠田氏)」とそれぞれ挨拶した。また、多数の国会議員、県議を代表して甘利明衆議院議員と三浦のぶひろ参議院議員が祝辞を述べた。
乾杯の音頭を取った朝倉敏之タカラベルモント(株)理美容東日本第二営業部部長は挨拶で、澤飯理事長が掲げた客単価アップ策について触れ「今の社会情勢を考えると簡単ではないと思うが達成のためのヒントはただひとつ、変わることだ。新しいメニューに取り組んでみるのもいい。メーカー、ディーラーも一緒になって皆さんの店の客単価が上がるよう全力でサポートします」とエールを送った。酒宴に移ってからは、ピアノの祖先と言われる楽器、ハンマーダルシマー等によるライブ演奏や抽選会など楽しい催しが繰り広げられた。中野利彦副理事長の中締めでお開きとなった。
年頭の挨拶を述べる澤飯理事長
今年は4人の永年勤続従業員が表彰された
叙勲などの各種受賞者
祝辞を述べる土肥富有子氏
祝辞を述べる八亀忠勝氏
祝辞を述べる篠田直喜氏
朝倉敏之氏による乾杯の発声
ゲストによるライブ演奏
閉会の辞を述べる中野副理事長
取材:小牧 洋