「改革の年」と𠮷井理事長 コロナ予防のガイドラインを改定
第395回理事会/全美連

全美連(𠮷井眞人理事長)は1月18日正午から、都内千代田区のホテルニューオータニ翠鳳の間で第395回理事会を開催、日本理容美容教育センターの即戦力養成事業に関する報告等を含む全議案を承認可決した。また、理事会終了後は同ホテルで新年懇親会も開催された。
議事に先立って年頭の挨拶を述べた井理事長は3年間のコロナ禍を振り返って「様々な困難にも直面したが、当連合会が策定した感染拡大予防のためのガイドラインを各サロンが守ってくれたおかげで業界へのダメージは予想よりも小さかった。本年はコロナを乗り越えて新しい時代を切り開いていくスタートの年だ」と前置きしたあと、今年度を「改革の年」と位置付けた。この「改革」の意味合いについて𠮷井理事長は「全てを新しく変えてしまうリノベーション(刷新)ではなく、改良したり改善するリフォームだ」と説明し、現在取り組んでいる様々な事業の一つひとつをチェックしながら一歩ずつ前に進めていく考えを強調した。同理事長はこのほか産学連携による人材育成やデジタル化の一環で進めているペーパーレス化等への理解、協力を求めた。
議長に野本義久副理事長を指名して議事に移り、令和4年度全美連役員表彰および同総合福祉共済制度・休業補償共済制度「加入者増強運動」における表彰に続いて報告事項、付議事項、協議事項が審議された。
報告事項のうち委員会報告では各担当委員長が事業の進捗状況を説明した。井手口宥公組織強化・広報委員長は、現在全国12のモデル組合が計画書に基づいた組織強化事業に取り組んでいることに触れ「本部もこれまで以上に力を入れてくれている。モデル組合以外の県も他人事と考えず自県の現状をしっかり把握し、モデル組合以上の実績を上げて欲しい」と要請した。また、全日本美容技術選手権大会関連では澤飯廣英事業・教育委員長が、出場選手の減少に歯止めがかからないことなどについて「着付け、ヘア等の各検討会で新種目増設の是非も含めた競技種目の洗い直しを進めている。2月初旬に予定している最後の教育委員会できちんとまとめて報告したい」と述べた。
白川徹連携事業・デジタル化推進委員会委員長は、養成施設との産学連携事業の推進について「令和4年度の就職状況結果を各組合から提出してもらい、教育センターに提出するための報告書を連合会で作成している。今後は教育センターのほうで取りまとめて3月をめどに報告される予定。令和5年度の事業については令和5年1月15日までに各県から連合会に求人情報を提出してもらうことになっている。美容業界の次世代から選ばれるよう、各サロンの労働環境の改善を通じて魅力ある美容業界の形成に寄与したい。そのためにも教育センターとの連携は重要だ」と報告した。
続いて「美容業における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」の改定に関して事務局より説明が行われた。これは、令和2年5月の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の意見を受けて全美連が同年5月29日に策定したガイドラインが、その後2回の改定を経たあと、昨年11月に内閣官房新型コロナウイルス等感染症対策推進室から「平時への移行プロセスの一環として、感染拡大防止と社会経済活動の両立の観点から、感染症等に関する最新の情報に基づき見直しをするように」との要請を受け、同推進室および厚生労働省と協議を重ねて昨年12月12日付で再度改定したもの。
改定内容は既に各県組合に通知され全美連のホームページにもアップされているが、今回の改定の主な内容は「適切なマスクの着用」「適切な対人距離」「効果的な換気」「濃厚接触者の取り扱い」「療養者の取り扱い」等に関するものだという。今改訂版には各店舗で自店の感染症対策に対する取り組み状況を把握し改善するための「チェックシート」も付いている。なお、これに関連して当日は理事会終了後、田村憲久元厚生労働大臣による講演も行われた。
公益社団法人 日本理容美容教育センターの「即戦力養成事業検討会」については、同センターから要請のあった常務理事の派遣(1名)に関して事務局から澤飯廣英氏の推薦が報告された。これを受け澤飯氏は過去3回の検討会について「受け入れ側のサロン現場と学校側との間にあるとされる乖離問題をめぐって意見交換が行われた。受け入れ側の過度な期待や新卒者の夢などをどう受け入れるかも話し合われたが、最終的には技術面は各受け入れ側の現場が教えることなので、学校には社会人として求められる基本をしっかり教育して欲しいという内容でまとまった。具体的には接遇マナーや顧客の肌に触れるハンドマッサージ、ヘッドマッサージ、シャンプーなど基礎技術だ」と述べた。
このほか、まつ毛エクステンション(以下、まつエク)を仮に美容師国家試験の実技試験に導入するとした場合(注:現状は白紙状態)の必要措置等の検討ついて、厚生労働省から要請を受けた公益財団法人 理容師美容師試験研修センターが、必要条件等を調査するワーキングチーム(WT)を設置し現在検討を重ねていることが事務局より報告された。
経過説明によると、令和3年7月に開催された政府の第18回規制改革推進会議(河野太郎規制改革担当大臣)で美容師制度の改善策について検討を求められた厚生労働省が「美容師養成の在り方に関する検討会」を設置し、同検討会で美容師養成の改善に関する当面の方針が取りまとめられたという。この方針の中で厚生労働省が試験研修センターに対して、仮にまつエクを実技試験に取り入れるとした場合、公正で公平な試験が実施可能かどうかを具体的に検討し、必要な準備期間や条件等をまとめるよう要請してきたという。
これを受け試験研修センターでは令和4年5月にWTを設置、現在も会議(非公開)を重ねており令和5年3月にまとめられる最終報告書が厚生労働省に提出されることになっている。ただ、仮に導入するとしても試験会場の換気問題(揮発性薬剤を使用するため)をはじめ、まつエクの実技試験を実施している養成施設が少ない(全国で約半数)、試験委員の不足、受験料の問題など検討課題も少なくないという。

新年会は人数絞り着席で

午後4時から同ホテル鳳凰の間で開催された今年の新年懇親会は、新型コロナウイルス感染防止対策としてこれまでの立食から参加人数を絞って(約180名)の着席スタイルで行われた。原恒子副理事長の開会の辞に続いて挨拶した𠮷井理事長は「なぜ私は呼ばれないのかという声も一部から聞かれたが、今年は何としても開催したいという思いからこのようなスタイルにななった」と理解を求めた。
続く来賓祝辞では初めに高市早苗経済安全保障担当大臣、田村憲久元厚生労働大臣、山口那津男公明党代表、衛藤晟一元内閣府特命担当大臣、金田勝年衆議院議員、根本匠元厚生労働大臣、加藤勝信厚生労働大臣、橋本岳衆議院議員、丸川珠代参議院議員ら多数の国会議員が登壇しお祝いの言葉を述べた。このうち加藤厚生労働大臣は「新型コロナウィルスの2類から5類への見直し問題も含め、コロナを乗り越えた先の展開についてもしっかり検討していきたい」と挨拶した。
吉川秀隆タカラベルモント(株)会長兼社長による乾杯に続いて各関連団体トップの大森利夫全理連理事長、遠藤弘良公益財団法人理容師美容師試験研修センター理事長、谷本頴昭公益社団法人日本理容美容教育センター理事長、菊地浩市全国美容用品商業協同組合連合会理事長、田尾大介日本パーマネントウェーブ液工業組合理事長、横田敏一美容協同組合日本ヘアデザイン協会理事長、大林博之インターコワフュールジャパン会長、福島吉範全日本美容講師会会長など多数が祝辞を述べた。藤原國明副理事長の閉会の辞でお開きとなった。

理事会の冒頭で挨拶する𠮷井理事長

理事会の模様

総合福祉共済制度「加入者増強運動」の表彰も行われた

新年会で開会の辞を述べる原副理事長

年頭の挨拶を述べる𠮷井理事長

新型コロナウィルスの5類への移行等について言及する加藤厚生労働大臣

乾杯の発声をする吉川タカラベルモント(株)会長兼社長

閉会の辞を述べる藤原國明副理事長

取材:小牧 洋