三工業会(東京、中部、関西)将来的な統合目指す  まずは連合会のHP作成へ
第64回通常総会/東京理美容品工業会

東京理美容品工業会(井上研司理事長)は4月14日午後5時から、都内台東区の中国料理「翠鳳」で第64回通常総会を開催、2023年度事業計画案を含む全議案を承認可決した。この中で同工業会の今後の在り方や方向性等について井上理事長から説明があり、現在三団体ある東京、中部、関西の各理美容品工業会は、将来の統合に向けた検討を続けていくという。

総会には会員総数17社中16社が出席し、西村康明副理事長の司会進行で開会した。議事に先立って挨拶した井上理事長ははじめにコロナ問題に触れ「行動制限も完全に無くなってこの5月には感染症としての分類も変わる。以前に比べればかなり自由な世の中が戻ってくると思うが、逆に感染リスクが増えるのではといった不安も残る。感染すると辛い目に合うということには変わりないので、全員が十分に注意して乗り切りたい」と述べたあと最近の話題を取り上げ「DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉をよく耳にするが、要はインターネットの世界を使って今までつながらなかった人々や仕組みを繋げることによって、効率化を図り生産性を上げていきましょうというのが主旨だと思う。我々の組織は理美容品工業会という一つのくくりになってはいるが実態は多種多様な業種で構成されており、しかもそれぞれでしか活動できなかったこともあってなかなか協業が難しかった。これからはこのDXを上手く活用して各会員はもちろん工業会の発展にも繋がるよう頑張りたい」と抱負を語った。

続いて議長に柳田照穂副理事長を選出し議案審議に移った。第1号議案の2022年度事業報告で井上理事長は「第八波の影響で忘年会や新年会は実現しなかったが、それ以前と比較すると様々な活動が再会できており一歩前進の一年だったのではないか」と総括した。3号議案の2023年度事業計画案によると、第1回例会は前期同様に研修旅行スタイルとし10月23、24日の日程で福島県いわき市を予定しているという。

研修では、井上理事長と以前から親交のある福島高専の鈴木茂和准教授による「廃炉の現状」に関する講演が予定されている。同理事長は「ロボット開発の専門家で原発の廃炉技術にも詳しい。約半日のツアーでは線量計を装着して原発の中まで入り、国の政策でもある廃炉の今後や日本の原発の将来などについて聞きたい」と会員に積極的な参加を呼びかけた。

5号議案の三工業会の統合問題について説明した井上理事長は、まず現状について「三者はこれまで二年に一度の連合会総会でのみ関りを持ってきた」とした上で「同じ方向を目指す三工業会が統合し大きな組織になる方がメリットも多く、流通業界に対する立場も強くなるのではと当工業会の理事会で話題となったため、関西と中部の各理事長に相談しているところだ」と述べた。井上理事長によると、会員の減少傾向が続く中部工業会では東京または大阪との将来的な統合は視野に入れていたようだという。いっぽう、関西の工業会からも「方向性としては同意できる」との感触を得ていることから、急激な統合ではなく共同で出来る範囲を増やしながら将来の統合へ進んでいく方向で検討を続けていくことになった。その第一段階として三者による連合会のホームページ作成を検討しているほか、各工業会が行っているイベントの企画に関する情報交換なども行っていくという。総会では(株)キャンの退会も報告された。終了後は懇親会が開かれた。

開会の辞を述べる西村康明副理事長

挨拶する井上研司理事長

議長に選出された柳田照穂副理事長

決算報告をする阪本昇次常務理事

総会参加者たち

取材:小牧 洋