東京都美容生活衛生同業組合(金内光信理事長)は5月23日午後1時から、都内代々木の美容会館ホールで第74回通常総代会を開催、令和5年度事業計画および収支予算議決の件を含む全ての議案を承認可決した。
この日の総会には総代定数117名(うち欠員6名)中93名(委任、書面出席を含む)が出席した。総会は金内理事長が議長に菅谷茂樹、福島吉功両副理事長を指名後、福島議長による成立宣言でスタートした。議事に先立って挨拶した金内理事長は「コロナもようやく落ち着きを見せ始め経済活動が活気を取り戻しつつある。美容組合もしっかり活動していきたい」と前置きしたうえで、今年度とくに力を入れて取り組みたいとする三つの事項についてその理由等を説明し出席した総代に危機感を訴えた。
「美容料金の適正化」
公共料金をはじめとして様々な物価の高騰が起きている中、美容料金は低迷が続きこの10年間一部を除いて全く値上げしていない。その結果、経営者の利益は年々下がりスタッフの給料も他産業と比べると大きく乖離している。中国や韓国にも追い抜かれているというのが美容先進国と言われている日本の実状だ。このまま美容料金の放置が続けば魅力のない美容業となり、職業の継承すら危ぶまれる。このため、組合ではオピニオンリーダーとして敢えてこの問題に取り組むべきと考えた。美容材料の仕入れ価格もすでに相当上がっているので、美容師の賃金やオーナーの収益も当然アップしなければいけない。そのためには客数を増やすか客単価を上げるかしかないが、サロン軒数の増加傾向を考えると客数を増やすよりも単価アップのほうが現実的だ。技術や接客、サービス、設備等を再度見直した上で自店の料金も見直して欲しい。今がその絶好の時期だと考えているが、強制できることではないので、条件と準備が整った店から料金の見直し作業に着手することを期待している。
「組合員減少への対応」
全美連の組合員総数は現在44,889店舗だが、組合員が1,000店を割っている県が34県ある。3700店舗ある東京でも毎年180人前後の減少が見られ、そのほとんどが高齢化による廃業だ。組合員が減少すれば組合の政治力も当然衰え様々な影響を及ぼす。美容師という職業は現在は業務独占という形で守られている。「美容師でなければ美容の業をしてはならない」という美容師法の第6条および「美容所以外の場所で美容の業をしてはならない」という同7条のおかげで我々は安心して仕事が出来ているが、美容組合はその先頭に立ってこの法律を守る努力をしてきた。この仕事が業務独占から名称独占に変わった場合、飲食業のように保健所に届けるだけで店が開けてしまうようになる。そうなれば資金力のある大企業が参入しやすくなり、我々のような小規模経営の美容室はたちまち淘汰されてしまう。本年は何としても組合員が一丸となって未加入サロンの加入促進活動を推進していきたい。未加入サロンを加入させた組合員には1軒につき3万円の奨励金を出すことを理事会で決定した。更に全美連と東京美容組合との協力で、新規の組合加入者に対しては総合福祉共済の保険料1年分を同じく奨励金として支払うなど、勧誘者にも加入者にもメリットがあるような仕組みをつくった。各組合員が1店でも多くの新規加入者を獲得すべく動いてもらいたい。それが自分たちの職業を守ることにつながる。
「全美連・総合福祉共済制度」
総合福祉共済制度は全美連が美容師のためにつくった保険で、保険会社からの割戻金は組合本部や各支部に還元されるので組合の運営資金にもなっている。本年度は内部の構築や充実に注力していきたいので、制度の主旨を理解して頂いて皆さんの力添えをお願いしたい。
このあと議事に移り令和4年度事業報告承認、令和5年度事業計画議決等の件について村橋哲矢専務理事が、また令和5年度収支予算議決等の件について大田文雄常務理事がそれぞれ報告、いずれも提案通り承認可決された。
このうち令和5年度事業計画(案)の提案理由で村橋専務理事は金内理事長の挨拶を確認する形で「今年度はまずサロンの収益確保のための美容料金適正化をしっかり実現していきたい。大胆な加入促進策で組合員の減少に歯止めをかけ、若い経営者達には組合の存在意義を理解してもらうよう努めたい。若手を中心に増えているフリーランス美容師等の課題にも取り組んでいく」とコロナ禍からの早期復活に意欲を示した。

挨拶する金内理事長

議長の菅谷氏(左)と福島氏

出席した総代

事業計画を説明する村橋専務理事

収支予算を説明する大田常務理事
