令和5年度事業計画案など全議案を承認。故岩見副会長の欠員補充せず、副2名体制で
第6回通常運営委員会/全日本美容講師会

全日本美容講師会(福島吉範会長)は6月12日午後12時半から、都内代々木の美容会館TBホールで令和5事業年度第6回通常運営委員会を開催、令和5事業年度事業計画(案)及び収支予算(案)を含む全ての議案を承認可決した。岩見悠紀子副会長の逝去(5月)に伴う欠員問題については、1年間補充無しの2名体制(会則では3名以内)で運営することになった。

議案審議に先立って行われた会支部表彰では、前年度の新規入会者数3名以上を達成した茨城県、宮崎県に対して福島会長より感謝状が贈呈された。また、事前質疑として寄せられていた「各県で開催しているTMモード発表会の参加者が年々減少している。集客力を考慮した地域・会場の設定を検討してはどうか」との質問に対して、福島会長は「この問題は執行部でも検討しているが、首都圏の会場経費は地方に比べて膨大なうえ、地方の技術発表会等で交付される助成金が大都市では出ないため非常に厳しい。大都市での集客力に期待しての検討要請と思うが、TMモード発表会における過去の実績を見る限り大都市よりも地方都市の方が参加状況は良いようだ。今後の発表会についてはこうした経費等も鑑みながら検討していきたい」と理解を求めた。このほか、3年前に開催予定だった全日本美容選手権大会がコロナ禍で中止となっていた件について、広島県の日浦裕美子運営委員より10月24日開催の第51回選手権大会に関する案内が行われた。

出席状況を報告した藤原國明事務総長の成立宣言に続いて、生前同会に対して100万円を寄付しこの5月に逝去した岩見副会長に全員で黙祷を捧げた。挨拶で福島会長は「コロナが小康状態になったとはいえまだまだ油断はできない。会の目的は全ての会員に『入っていて良かった』と思ってもらうこと。そのためにも各県の代表である運営委員の協力が不可欠。今日の内容を各県の会員にしっかり伝えて欲しい」と述べた。

来賓代表の𠮷井眞人全美連理事長(同講師会常任相談役)による祝辞のあと議長に全美連副理事長の金内光信、原恒子両氏を選任し議案審議に移った。このうち第4号議案の「会則・規程外の処遇事項改定の件」では、これまで続いてきた「スケジュール手帳」の配布を廃止することが福島会長から報告された。それによると、スケジュール手帳の不要論は同会長就任前から出ており、今期ある支部から不要の決議が出され議事録にも記載されているという。これに関して福島会長は「執行部でも賛否両論あったが再度検討した結果、スケジュール手帳にかかる経費約100万円は他のことで使うことに全会一致で決まった」と説明した。

第5号議案の令和5事業年度事業計画(案)審議で提案理由を述べた福島会長は「大きなイベント以外の講師会事業への取り組みについて多くの会員に関心を持ってもらうためには、各会支部と本部が連携しながら取り組みを広げていくことが重要だ」と述べた。そして、大きなイベントとして同会長は、第108回TMモード発表会(2023年9月26日、徳島県徳島市 アスティとくしま)、令和5事業年度高度研修会(2024年2月5日、鹿児島県鹿児島市 城山観光ホテル)を挙げた。また、昨年度は黒留袖講師の養成だった着付事業については、今年度及び次年度の長期計画として初の「自装着付セミナー」を組んでいるという。

議案審議終了後には賛助会員の紹介が行われ、タカラベルモント(株)、(株)ガモウ、(株)アリミノ、それに今期から賛助会員となった滝川(株)の各担当者が自社製品や開催イベントをPRした。

また、ヘア部門ヘア・コンテストトレーナー事業のPRタイムには、はじめに自身がトレーナーでもある水谷吉伸講師(愛知県)がトレーナー事業について説明した。水谷講師はこの中でコンテストを取り巻く昨今の事情を紹介したあと課題として育成環境整備の重要性を挙げ「2015年に全国大会優勝者やトレーナーを集めて勉強会に取り組んだ結果、選手数がかなり増えた。コンテストヘアは営業の現場で役立たないスタイルとよく言われるが、様々な高度なテクニックを施さなければ出来ないことが一杯詰まっているのがコンテストヘア。その意味でも、完成スタイルだけでなくそのバックボーン等を教えるトレーナーの存在価値は大きい」とトレーナーの重要性をアピールした。このあと、昨年11月に群馬県で開催された第50回全日本美容技術選手権大会「カット&ブロー競技」で優勝した下川夏奈選手(愛知県)が、ウィッグを使ってブローテクニックの実際をデモンストレーションした。

最後のプログラム「グループディスカッション」では、ブロック別に分かれた各県の運営委員たちが「ヘア事業を活性化する所属会支部の取り組み及び方法、ヘア部門PRを受けての活用方法の検討」をテーマに熱心な意見交換を行った。この日各ブロックで出された意見やアイデア、新事業に関する要望等は次回の常任運営委員会で発表し事業の活性化に役立てていくという。

挨拶する福島会長

会支部表彰では福島会長から茨城県(写真)、宮崎県に感謝状が贈られた

来賓を代表して祝辞を述べる𠮷井全美連理事長

議長に選任された全美連副理事長の金内氏(右)と原氏

各県の運営委員たち

トレーナー事業についてPRする水谷氏(右)とデモストを行う下川選手

下川選手の作品

グループディスカッションのもよう

 取材:小牧 洋