来年度のガラ・ド・ラ、開催内容見直し 理事構成含む組織改革にも着手
第6回理事会/東京都美容生活衛生同業組合

東京都美容生活衛生同業組合(通称:BA東京、金内光信理事長)は7月12日午後6時半から、都内・代々木の美容会館9階TBホールで第6回理事会を開催、付議事項の令和6年度ガラ・ド・ラ・コワフュール開催の件を含むすべての議案、報告事項を承認可決した。令和6年度のガラ・ド・ラについては、開催規模の縮小を含めた見直しを行うことが決まった。また、全議案の審議終了後に金内理事長より出された「組合員数の減少に伴うBA東京の今後の在り方(理事構成等)」問題に関しては、来年の改選期に向けて対応策を検討していくこととなった。

理事会は、金内理事長の挨拶に続いて事務局から①「組合加入体験キャンペーン登録店舗数」、②「令和4年度福祉美容サービスセンター事業の支部別実績」、③「第9回きもので銀座の開催」など9項目について事務局より報告が行われた。

それによると、昨年11月からスタートし今年の5月に締め切った①については、昨年よりやや多い34店舗の登録があったという。登録店舗は今年10月末まで組合体験期間となるため、期間の満了前に組合継続の意思確認を行って多数の加入獲得につなげたい考え。

また、②に関連して調布支部から「店舗を持たない美容師が福祉美容サービスを行うことは出来るのか」という質問があり、金内理事長は「美容師であれば出張美容を行っても問題はないが、我々が一番懸念しているのは美容室に所属していない美容師が施設等で健常者にまで出張美容行為を行っていること。これは明らかな法律違反なので行政には厳しい対処をお願いしたい。また、たとえ出張美容の対象者に施術していたとしても、我々組合員のように美賠責の保険に加入していない人が事故を起こした場合、果たして責任をとれるのかという問題もある」と答えた。

なお、③は令和5年10月31日に第一ホテル東京(港区新橋)および銀座の街で開催される。講演会のあと参加者は和装きもので銀座の街に繰り出す予定。会費は7千円。

付議事項の第1号議案「令和6年度ガラ・ドラ・コワフュール」については初めに事務局より説明があった。それによると、同イベントには多大な運営費がかかり今年の6月27日に開催予定の第64回大会では、「収入予算の達成が厳しいことやコンクール出場選手の減少などを勘案すると、支出する費用に見合う効果が見いだせないと推察され、組合本部からの費用の持ち出しや支部協力金の負担などを含めた見直しが必要」だという。

このため、来年令和6年度の実施については従来のような大規模開催はせず、①美容会館9階TBホールで開催するなど縮小した形で実施するか、もしくは②実施せずに全国大会(令和6年10月予定)出場選手の選考会のみを実施することを前提に教育部で検討することとし、①②のいずれかに決定したいとしている。

審議終了後、金内理事長より出された問題提議は、BA東京という組合組織の今後の在り方について。この中で金内理事長は同日に開催された全美連の常務理事会で約10年ぶりの賦課金値上げ(100円)案が了承されたことを報告し、「BA東京の組合費をどうするかという問題もあるが、組合員が大幅に減少しているにもかかわらず理事数は同じという組織の在り方も含めて根本から洗い直す時期に来ているのではないか」と議論の必要性を訴えた。

理事長の報告によると、かつて7000人いたというBA東京の組合員は現在約3700名とほぼ半減しているが、理事数はほとんど変わらずに今日まで引き継がれているという。この現状について金内理事長は「組合運営にこれだけの理事数が果たして必要なのか」として理事数、さらには副理事長や常務理事の減少案など多岐にわたる選択肢を例示、「来年の改選期に向けて調整していきたい」と述べ理解と協力を求めた。

金内理事長の問題提議に対し、理事からは「減らすという発想ではなく組合員をいかに増やすかというプラス思考が大事」「全員が理事という役割について真剣に考え、質疑ももっと活発になることが必要」「理事会など会議をリモートにすれば大幅な経費節減につながるのでは」等の意見が出された。

挨拶する金内理事長

福祉美容サービスの出張美容に関して質問する調布支部の小川知明理事

理事会には59名中54名(書面出席を含む)の理事が出席した

金内理事長(前列左のマイク)の副理事長、常務理事の

削減を含む組織改革案例示に耳を傾ける出席者

取材:小牧 洋