「更なる先に向かって歩みたい」と内藤会長 ニューライン等も披露
創立70周年記念パーティー/美容十二章会

美容十二章会(内藤久美子会長)は7月25日午後12時半から、都内目黒区のホテル雅叙園東京で創立70周年を祝うパーティーを開催した。祝う会には会員やサロン会(勉強会)のメンバー、来賓など約70名が出席した。

美容十二章会は1953年に山野芸術祭のコンクールで入賞した12名が同人会を創立したのが始まりで、技術研究団体としては老舗的存在。当時話題になっていた「女性に関する十二章」という本(伊藤整・著)のタイトルからヒント得て初代山野愛子氏が名付けたもの。18年間会長を務めた川田温子氏(現相談役)から2022年1月、内藤久美子氏に引き継がれた。

武田浩副会長の開会の辞でスタートしたパーティーでは、はじめに会創立から現在までの歩みが当時流行ったヘアスタイルとともに映像で紹介された。続くスペシャルライブでは、同会OBの掛川吉隆氏がスプレーとブラシのみによるスタイリングテクニックを披露した。この日のステージは、内藤会長が十二章会に入会する以前から同会コンテスト等で活躍していた掛川氏のステージワークに感銘を受け「70周年を機にあの時の感動を会員たちと共有したい」と依頼し実現したもの。参加者たちは世界美容技術選手権大会の日本代表を何度も務め、1988年の同大会では総合優勝も果たした掛川氏の匠の技に見入っていた。

また、美容十二章会の2023年度ニューヘアラインおよびニュー帯結びのステージでは、ウルフカットベースのミディアムヘア「le lien」(ル・リアン=仏語で絆の意味、担当=川田舞氏)と、片文庫系の「凛来(リンク)」(担当=飯塚艶子氏)、文庫系の「来夢(ライム)」(担当=吉澤富子氏)がそれぞれ紹介された。

このあと、主催者を代表して内藤会長が挨拶した。内藤会長は、師匠でもある掛川氏と自分を引き合わせてくれたのが十二章会だったと当時のエピソードを披露した後「会長としてはまだまだ1年生。70周年というのは自分がかつて考えていたよりもはるかに重いと感じている。更に80周年、90周年へと向かって歩んでいくために何をどうすればいいのか難しい問題だが、皆様の知恵をお借りしながら進んでいきたい」と語った。

来賓代表による挨拶では、(学)山野学苑 山野美容専門学校理事長 校長で美容十二章会の名誉会長でもある山野愛子ジェーン氏が「70年という長い時間をかけて先人たちが素晴らしい歴史を積み上げてきた。これからも技術向上のためのコンテスト等を通じて美容業界の発展に寄与することを期待しています」、またタカラベルモント(株)常務執行役員 理美容事業部事業部長の高宮実氏も「ステージを拝見して、美容十二章会が70年間にわたって続けてきた技術の継承や後進の育成、創作活動にこれからも取り組んでいくという強い覚悟を感じた」と述べ、それぞれ同会の業界への貢献に敬意を表した。

美崎幸夫(株)アリミノ上席顧問による乾杯の発声で酒宴に移り、参加者は二胡の演奏を楽しみながら思い出話に花を咲かせた。最後に内藤会長から川田前会長に美容十二章会の楯などが贈られた。会長時代を振り返って川田氏は「長く続けられたのは皆さんの支えがあったから。会の一大イベントでもあるフェスティバル・ド・ジャポンは12回担当したが、そのおかげで若い選手たちの素晴らしい感性や情熱に触れることも出来た。サロン会での皆さんとの勉強会も楽しい思い出です。仕事が好きなのでこれからも生涯現役でお客様に携わっていきたい」と謝辞を述べた。山田憲一副会長による閉会の辞でお開きとなった。

開会の辞を述べる武田浩副会長

掛川吉隆氏のスペシャルライブ

美容十二章会のニューヘアライン(左)、

ニュー帯結び(中央2点)も披露された(右は掛川氏の作品)

挨拶する内藤久美子会長

来賓代表で挨拶する山野愛子ジェーン氏

来賓代表で挨拶する高宮実氏

乾杯の発声は美崎幸夫氏

パーティーには約70名が出席した

18年間の会長時代を振り返る川田温子相談役

取材:小牧 洋