渋谷の地で華麗な平安絵巻
十二單 ひめみこ 裳着の儀 / 国際文化学園 衣紋道 東京道場

国際文化学園 衣紋道 東京道場(荘司礼子会長)は、2023年10月10日(火)、渋谷セルリアンタワー能楽堂(東京都・渋谷区)にて「十二單 ひめみこ 裳着の儀」を開催した。
“裳着の儀(もぎのぎ)”とは、宮中や公家の姫君の成人式にあたる儀式で、主に平安中期以降、鎌倉~室町時代に執り行われた。十二単の最後につける「裳」は唐衣の背につけ腰の後ろに長く引く衣のこと。この「裳」を着けることで高貴な大人女性の仲間入りとなる。

同公演は当時の様子を、詳細な解説とともに能舞台で再現する催しである。

東京道場の佐藤美奈子氏の解説とともに、儀式を見守るために集まった12人の色とりどりの華麗な十二単の「お方様」たちが舞台に登場。
次々と登場するお方様 高貴な女性は家族以外に顔を見せないという 扇でお顔を隠す演出も

そして本公演で「ひめみこ」を務める高木里緒菜氏が登場し、お髪あげ(おぐしあげ)役を務める設楽小夜子氏、忍足絢美氏が、姫の髪を結いあげた。


儀式のため登場したひめみこ

そして、本公演の技術面の主役である腰結が登場。この重要な役目は十二単を着付ける者で、当時は高位の女性か、姫の母親、姫と縁の深い者が務めたという。
腰結は前衣紋者を荘司礼子会長、後衣紋者を永富百合香氏の二人が務め、五衣(いつつぎぬ)、唐衣を着付けていき、同公演のクライマックスである「裳」を付けたときには、能楽堂の来場者からは静かなため息が漏れた。


二人の衣紋者(腰結)の流れるような着付け技術


十二単が完成


裳を披露、祝福するお方様たち

ひときわ華麗な十二単が完成した「ひめみこ」は静々と能舞台を回り来場者に披露。大きな拍手が、お方様、ひめみこ、衣紋者に送られ、腰結・前衣紋者の荘司会長が最後に深々と一礼、公演は幕を閉じた。


ひめみこ、お髪上げ、衣紋者、お方様


来場者に挨拶する荘司会長