「被災地支援に全力」と大森理事長
新春の宴/全理連

全理連(大森利夫理事長)は1月19日正午から、都内千代田区のホテルニューオータニ鳳凰の間で新春の宴を開催した。当日は全国の理容組合理事長のほか来賓の国会議員や関係諸団体の代表など約160名が参加した。今年の新年会は感染防止対策上、久しぶりの正餐スタイルでの開催となり、同時に「SDGsの食べ残しゼロの観点」から参加者は大臣の挨拶終了後の食事となり、その間に来賓が挨拶するという形で進行した。

はじめに能登半島地震での犠牲者に対し全員で黙とうを捧げあと、主催者を代表して大森理事長が挨拶した。震災後の1月15、16日に富山から石川へと向かって初動見舞いを行ったという大森理事長は「先の阪神淡路大震災や東日本大震災時の経験を活かして行動したつもりだが、珠洲市でご夫婦の理容師が亡くなり朝市の火事では2軒の理容店が焼失するという現実を目の当たりにし、大変ショックだった。今後は被災者への生活支援が重要になってくるので、組織としては理容ボランティアを含めしっかりと役割を果たしていきたい」と決意を表明した。

このあと大森理事長は、3年前に開催された東京オリンピック、パラリンピックで選手村に設けられたヘアサロンについて言及した。当日、新年会会場で披露された世界各国のアスリートたちによる数多くのサインについて触れ「50名の理容師スタッフがローテーションを組んで、世界のアスリートたちに日本の素晴らしい理容サービスを堪能してもらおうと取り組んだ。お陰様で高い評価を頂いた。新型コロナの影響でその報告会も開けなかったが、私は“理容師の大偉業”だと思っている。全理連は今年、理容ボランティアや国際交流の面でも全力で取り組んでいく」と新年の抱負を述べた。

来賓挨拶では、「厚生労働省は『家族そろって理容サロンへ行こう』等の消費喚起イベントや経営相談支援、デジタル化の推進、各種税制措置など業界の振興や収益力向上の支援に努めていく」という武見敬三厚生労働大臣の祝辞を厚生労働省生活衛生局の諏訪克之衛生課長が代読した。岸田文雄首相からの祝電も披露され、伊東明彦全国生活衛生同業組合中央会専務理事、津村佳宏(株)アデランスCEO、谷本穎昭(公益社団法人)日本理容美容教育センター理事長、久米健市(一般社団法人)日本エステティック協会理事長、有馬公明 日理(株)社長、吉田博 全国理容用品商組合連合会理事長、竹鼻実樹 東京理美容品卸商業協同組合理事長、滝川裕史 滝川(株)副社長、全理連の早川幹夫、寺園洋行両副理事長らがステージ上で乾杯の発声を行い祝宴に入った。

会には多数の国会議員が駆けつけ元厚生労働大臣の加藤勝信、田村憲久氏らが祝辞を述べたほか関係団体や商社を代表して佐々木裕介 日本政策金融公庫常務取締役、遠藤弘良 公益財団法人 理容師美容師試験研修センター理事長、吉川秀隆タカラベルモント(株)会長兼社長らが挨拶した。湊正美副理事長による中締めで閉会となった。

年頭の挨拶を述べる大森利夫理事長

諏訪克之厚労省衛生課長

寺園洋行副理事長の乾杯の発声で祝宴に移った

加藤勝信元厚労大臣

田村憲久元厚労大臣

吉川秀隆タカラベルモント(株)会長兼社長

東京オリ・パラ時のアスリート・サインが展示された

閉会の辞を述べる湊正夫副理事長

取材:小牧 洋