HSA協会(児玉利明会長)は1月22日午後7時から、都内港区の明治記念館末広の間で2024年新年賀詞交歓会を開催した。約100名が参加した新年会のオープニングでは児玉充浩副理事長が全理事を紹介、続いて児玉会長が新年の挨拶を行った。児玉会長は能登半島地震へのお見舞いを述べた後「コロナ禍で何も出来ず新年会も4年ぶりの開催となる。挨拶の内容も迷ったが、今年の抱負よりもこの4年間皆さんにお知らせ出来ていなかった会の活動について報告したい」と前置きして、コロナ禍での奮闘ぶりを語った。
それによると、コロナが始まってからはHSAの活動も完全に休止状態に追い込まれ、HSAの存続自体も危ぶまれたという。この時の心境を児玉会長は「教育分野での活動がメインの研究団体なので、手足をもがれたのも同然で収入面でも非常に厳しかった。『ピンチの後にチャンスあり』が私の座右の銘だが正に大ピンチだった」と振り返った。会では連日のように幹部らが集まり、運営を継続させる手段を探ったという。その結果、リモートで理容技術の教育が可能な教育システム“DOORS(ドアーズ)”を独自に開発することができ、わずか半年後には会の運営も軌道に乗せることに成功した。
このシステム開発の成果について児玉会長は「全国のメンバーに動画やライブの配信が出来るだけでなく決裁も可能なので、支部および本部の運営はある意味でコロナ前よりもスムーズになった。本部・支部間の会議も頻繁に開催出来ており、以前より密な関係性を築けていると思う」と語った。
児玉会長はこのほかコロナ禍におけるHSAのコンテスト事情についても触れ「昨年は当たり年だった」と報告した。それによると、全国理容競技大会(全理連)をはじめJUHAの大会、HSAフェスティバル等でそれぞれ同会の若手スタッフが優勝したという。特に全国大会でHSA関係者(苫小牧支部)が優勝したのは久しぶりとあって、児玉会長は「2月に札幌で開かれる祝賀会には本部からも参加して快挙を祝いたい」と喜びひとしおの様子だった。
最後に今年の抱負について「ヘアビジネスに関してはメンズカテゴリーがブルーオーシャンと言われている。このことは、私自身もサロン経営の中で実感している。これからも日々変わる世の中の流れをしっかり掴んでビジネスに必要な情報を会員に伝え、多くの成功店をつくっていきたい。HSAに携わっていて良かったと感じてもらえる会の運営に努めたい」と意欲を示した。
来賓挨拶でははじめに滝川睦子、滝川会長兼社長が「前会長、前社長が逝去するなどこの4年間、滝川でも大きな変化があった。いっぽう、児玉会長の座右の銘のように、当社においてもコロナ禍をバネにして博多や西日本(岡山)に流通の拠点を持つことができた。創業90年を迎えた3年前から“ユニバーサルビューティ”をスローガンに、ジェンダーやジェネレーションを超えたすべての人々に美への希望を実現してもらうための活動を続けている。新型コロナウィルスも5類に移行したので、今年はいろいろな形で皆さんにビューティビジネスの提案をしていきたい」、タカラベルモント理美容事業部の郭山翔吾氏は「大震災の影響でまだまだ日常に戻れない人々もいると思うが、弊社では“美しい人生を叶えよう”のスローガンのもと、皆さんがその実現に向けて動けるためのお手伝いをしていきたい」、きくや美粧堂の戸田順貴吉祥寺支店長は「干支の中で唯一辰(龍)だけが架空の動物と言われているが、だからこそ様々な可能性や希望、期待を秘めているのではないか」とそれぞれお祝いの言葉を述べた。
アリミノ首都圏第二営業部の前田淳部長が、乾杯の発声で「数年前からメンズサロンを取り巻く環境が活気を帯びてきているのは事実。理容、美容を問わずこの分野への一層の注力が求められている」と述べ祝宴に移った。
年頭の挨拶をする児玉利明会長
児玉充浩副会長から理事が紹介された
来賓挨拶をする滝川睦子氏
来賓挨拶をする郭山翔吾氏
来賓挨拶をする戸田順貴氏
乾杯の発声をする前田淳氏
取材:小牧 洋