お客様も美容師もヘアカラーを楽しみ続けていくために
【レポート】理美容師の手荒れと手袋着用に関する調査/ JHCIA:日本ヘアカラー工業会

日本ヘアカラー工業会(田尾 大介会長、以下JHCIA)は、理美容師がより安全かつ安心してヘアカラーを行うために、手袋着用の推進に取り組んでいる。

JHCIAでは2018年に続き、2023年7月に理美容師の手荒れや手袋着用の実態を把握するために調査を行った。

理美容師がヘアカラーによる皮膚トラブルを経験する割合が、一般消費者と比較して著しく高いことが明らかとなっており、理美容師の皮膚トラブルを軽減するためには、薬剤との直接的な接触を回避できる手袋の着用が重要である。

同会は、2017年から理美容師に対して手袋着用を奨励する啓発活動と理美容師のサポートを強化してきたが、今回の調査と2018年の調査を比較し効果を評価することで、今後の活動につなげていく。

【手荒れの有無】

現在の手荒れの有無について、「ひどくしている」「少ししている」「過去に手荒れをしていたが、今は治った」に回答した合計は約81%。現在も手荒れをしている方(「ひどくしている」「少ししている」の回答者)は約55%。

【手袋着用状況】

ヘアカラー施術時の手袋着用状況は、「ヘアカラーを頭髪に塗る時に手袋をしている」が約68%と前回の調査から変化はなく、「ヘアカラーを洗い流す(プレーンリンス)時に、手袋をしている」についても依然低い水準(約35%)ではあるものの、前回の調査からは若干の改善が見られた。

「理美容師の手袋着用率」と

「理美容師の手荒れ」との関係

「理美容師の手袋着用率」と「理美容師の手荒れ」との関係についての調査から、現在手荒れしている理美容師は、着用率が高く、逆に手荒れの経験がない理美容師は着用率が低い傾向があることが明らかになった。

■今後の課題
・手袋着用の重要性に関する啓発活動が十分に浸透していない
・手袋着用しやすい環境が整っていない
・手袋着用が義務付けられていないため、着用率を向上させる動機づけが弱い