新社長が政策発表 美容室をその町の生活者のインフラに
NEXT VISION 2024/ミルボン

株式会社ミルボン(佐藤龍二取締役会長・坂下秀憲代表取締役社長)は、2月5日に政策プレゼンテーション「NEXT VISION 2024」を開催した。オンライン配信でWEB視聴形式である。冒頭取締役会長の佐藤龍二氏があいさつに立った。美容室、代理店に日頃の御礼を述べ、新社長に就任した坂下秀憲氏を紹介した。

挨拶をする佐藤龍二会長

坂下秀憲代表取締役社長は2001年に入社後各部署を経たのち、7年間USA社長として帰国後は経営戦略部の長として組織の要を担っていた。
佐藤会長は16年間社長を務めた経験で、後継社長を支えていきたいと述べた。

続いて坂下社長が登壇。「今後も変わらず創業来受け継がれてきたサロン、美容師さんを通じて社会に貢献したいというミルボンとしての哲学を継承し、豊かな美容市場を創造していく」と決意を語った。

そして、坂下社長自身が政策を発表。政策の要旨は以下の通り
【美容市場の状況】
・2020年のコロナ禍で美容市場は成長が難しく、2021年と22年は自宅での美容投資が増加。2023年5月、コロナ規制緩和で人流回復。その影響で旅行や外食への消費再び優先される。賃金上昇が物価高に追いつかず、消費全体は減少傾向。美容市場は2020年から成長し、2023年は高止まり。

【美容市場の先行き】
・日本の美容市場は人口減少にも関わらず成長を続ける。その理由は2つ。1つ目は女性や高齢者の就業率上昇による美容室利用頻度の増加、2つ目は技術メニュー比率の向上と市販品の単価上昇によるサロン経営指数の底堅い成長。しかし、これらの要因が今後も同じような成長をもたらすかは疑問。

【長期的な2つの成長ドライバー】
技術メニュー:普及活動から高価値づくりへ
市販品:高価値を追求しながらも普及活動へ
この成長ドライバーによって美容市場の成長を牽引。

【2024年度政策コンセプト】
1.客単価の向上
高齢就業者・女性就業者の増加が高止まり、就業者数の本格的な減少。美容室においては働き手、客数にも影響し始め今後客単価の向上が欠かせなくなる。
2.高価値提案
サービスにおいても価格の引き上げが顕著。美容室においても支払金額の増加。高価格戦略も根強い一方で顧客価値に対応する高価値提案に成長の目がある。
3、デジタル変革
幅広い年代においてデジタルを前提とした購買行動が広る。またリアルの価値体験型店舗も増加。美容室においてもさらなる体験の拡張体験型店舗への高いニーズがある。

【3つの価値対応の可能性】
1.技術メニューと専門性の可能性
多様性に対する社会的な需要傾向が強い。多様性に応える美容師の技術メニュー専門性への期待は高まる。ヘアカラー、ケアメニューを軸に市販商品までの興味の連鎖。
2.市販の体験ニーズの可能性
顧客体験の起点となる体験型店舗が広がり幅広い興味や関心など強い体験ニーズが高まる。顧客と市販品の接点づくりとして価値対応に可能性がある。
3.市販コミュニケーションの可能性
市販体験においてちょっとした不満や不安、ストレスを多数抱えている。その内容は価格が分かりにくい、お試ししにくい、速決はしにくい、など。これらを解消し市販体験を豊かにすることが市販ビジネスの活性化につながる。


制作発表をする坂下秀憲社長

【上記3つの価値対応具体策】
1.技術メニューと専門性
美容室ならではの感動の起点をつくる高価値カラーと化粧品ブランドIMのアイブロウを組み合わせた、髪の毛と眉毛の似合わせカラーメニューの提案。
背景には、66%の顧客がヘアカラー後にメイクを変えたいと思っており、さらにメイクを変えた顧客の61%はアイブロウを変えた、という調査結果。
この潜在ニーズを顕在化するためには、まず価値の高いヘアカラーによって感動を提供することを起点とする、サロンカラーの感動の連鎖を実現。
サロンケア市販品への感動の連鎖ではミラロドラと新ブランドのプジョリを提案したい。
2.市販の体験ニーズの可能性
リアルとデジタルを融合した体験型プラットフォーム、スマートサロン。気になる商品を自ら選び香りやテクスチャーを試せ、美容師さんに相談ができる安心感のあるスマート体験を実現。
合計23店舗のサロンがスマートサロンとしてオープン。今年度より全国への本格展開を推進したい。
3.市販コミュニケーションの可能性
ビューティーレセプションソムリエをスタート。スマートサロン展開サロンではキーパーソンとなる。ミルボンIDは昨年末段階で約6000店舗合計67万人の会員数。今年度から以下の2つのサービスの展開を進める。
・スタイルストック:店舗内で使用した商品をミルボンIDのマイページに連携。仕上がったヘアスタイル写真とともに使用した商品情報や価格が表示。美容師からのコメントも記載することができる。スマートサロン展開サロンにはワンランク上のサービススタイルストックプラスとしてセット面に設置してあるスマートサロンビューワーと連携。
・ライブコマース:ミルボンID会員限定のライブショッピングサービス。昨年約20回開催し、流通金額約5000万円のサロン売上に貢献。店舗で想起された市販品への興味や質問をデジタルで寄り添い購入を後押しする。本年度段階的にサロン向けに開放する。

【ビューティーライフケア戦略】
昨年新たにビューティーへルスケア領域へのチャレンジもスタート。本年度は肌と髪のお悩みに対してよりパーソナルに寄り添う新ブランドを発売。
パナソニックとの共同開発によるエルミスタにおいても、顧客認知の高いエルジューダブランドでのエアコンクを準備。

【ビューティーソムリエ育成カリキュラム】
51名のビューティーソムリエが誕生。全国で85名となる。
本年度からさらにビューティーレセプションソムリエを加えお客様への対応力を高める。

以上、坂下社長は業界の情勢から、政策方針、実際の施策まで詳細に説明し、最後に「皆様とともに本質をつかみ、ともに成長するシナリオを描き、豊かな美容体験を生活者の皆様に提供することで、美容室をその町のその生活者のインフラとしていく産業にしていく覚悟を持って前に進む」と宣言し、政策発表を終えた。