ルベル/タカラベルモント株式会社(吉川秀隆代表取締役会長兼社長)は、2月20日(火)、東京都・江東区の東京ファッションタウンTFTホールにて「id2023」ファイナルステージを開催した。
今回の「id」は、サロンワークにつながるイベントとして、より多くのスタイリストの参加を応援するために、高い創造性や技術力を競う業界のトップクリエイターが審査する「Creative Design Award(クリエイティブ デザイン アワード)」と、一般ユーザー投票で最も支持される流行スタイルを決める「Salon Style Award(サロン スタイル アワード)」のダブルアワードで展開されるなど、アワードがさらに進化した開催となった。
ファイナルステージでは、「Creative Design Award」のレディースモデル部門とメンズモデル部門でオンライン予選を勝ち抜いたファイナリスト各15名に加え、香港・台湾・マレーシアで行われた予選を勝ち抜いた海外からのファイナリスト各3名もリアル参加。総勢36名が出場権を獲得し、自分自身の可能性を信じ30分の競技に臨んだ。
MODE COMPASSの2024 S/Sシーズンテーマ“FIND NEW CLAIM”~新しい主張を見つける~をテーマに、クリエイターとしての感性を極めるべく、新たな想像力を発揮し、モデルの個性を引き出すヘアデザインを創り上げた。
「Salon Style Award」では、お客様の個性を引き出しサロンで支持されるトレンドスタイルをフォトで表現し、20~40代のファッション意識の高い2万人(累計)からの一般投票による作品へのリアルな声がフィードバックされ、今後のサロンワークに活かせる新しい形式のフォトコンテストとなった。さらにコミュニケーションタイムでは、アドバイザーから作品に対するコメントを受け取ったファイナリストは、フォト作品のスキルを磨き、多くの人に指示されるヘアスタイルの追求を深めた。
「Selfie Award(セルフィーアワード)」は、理美容学生の未来を大きく切り拓く一歩として設けられ、自分のアイデンティティと向き合い、自分らしさを表現した。
当日会場のホワイエでは、「Salon Style Award」と「Selfie Award」の予選通過者の作品展示が行われ、「Creative Design Award」と共に発表・表彰が行われた。
アワード受賞者は以下の通り。
■Creative Design Award Ladies’
GOLD Prize 塚本麻貴(utuwa)
今回のシーズンテーマ「FIND NEW CLAIM(新しい主張を見つける)」を受けて、自分にとっての新しい主張は、いつか感じた記憶の中にあるのではと考え、自分で空想の物語をつくり「海に還りたい人魚」をモチーフにしました。ヘアデザインはベーシックの中から目新しさを見つけるという視点で、カットは頭の丸みを意識したセイムレイヤーベースのベリーショートに。顔周りだけ長さを残してアクセントにしています。ヘアカラーは、深海の人魚をイメージしてホワイトベージュにブラウンのローライト、ブルーとイエローの差し色を配置。ファッションはシアーな質感やミニ丈をポイントに、儚さやピュアさを表現しました。
準備からずっと協力してくれたスタッフに感謝していますし、皆のおかげでゴールドを受賞できたので本当に嬉しいです。今回の挑戦によって、店長としてサロン全体の士気を高めることができたかなと思います。競技後のコミュニケーションタイムで審査員の方から直接アドバイスいただけたのも、すごく貴重でありがたい経験になりました。『SHINBIYO』の撮り下ろしもとっても楽しみです。いつか表紙も依頼していただけるように頑張ります!
SILVER Prize 牛膓香奈(SNIPS LOHAS)
BRONZE Prize 川上世梨奈(pikaichi)
IMPRESSIVE Prize 田中雅人(pikaichi)
IMPRESSIVE Prize 小林 萌(SCREEN)
SPECIAL Prize 一色健太(nenen)
INTERNATIONAL Prize Jui Wei Kei(BROWN SUGAR HAIR SALON)
マレーシア予選では「BABY GIRL」をテーマにキュート路線でデザインをつくったので、今回の決勝では「MATURE GIRL」をテーマに大人っぽい女性を表現しました。日本のヘア雑誌を見ていてレイヤースタイルが気になったこともあり、そこからインスピレーションを得て、カットはレイヤーをたっぷり入れたデザインに。ヘアカラーは今年のトレンドカラーである「PEACH FUZZ」を参考に、ソフトなオレンジをインナーに入れました。決勝は疲れましたが、楽しみながら参加することができました。受賞できてとても嬉しいです。結果が出せたので、きっとお給料を上げてもらえると思います(笑)。
■Creative Design Award Men’s
GOLD Prize 松澤佑興(One’s Power Group きくとこ)
「FIND NEW CLAIM」のテーマ解説の中にあった「クラフト」というフレーズから着想を得て、まず衣装にクラフト感とインパクトを持たせようと考えました。ベースとなるジャケットは既製品ですが、そこに付けた黒いキューブ状のものは、すべて折り紙でつくっているんです。この衣装制作に2か月近く費やしたのでそこが一番大変でしたね(笑)。衣装を黒に統一したので、ヘアデザインは派手にしようと思い、ヘアカラーをビビッドなイエローをベースに、緑と黄緑をポイントで入れました。衣装のキューブ(四角)と連動して、ヘアのフォルムにもスクエア感を取り入れたのが自分なりの“新しい主張”です。
「id」には10年ほど出場していますが、今回初めてファイナルに進出することができました。まさか自分がゴールドに選ばれるとは思っていなかったので、名前が呼ばれた時はびっくりしましたが嬉しかったです。出場している選手の方も、審査員の方々も尊敬している先輩が多く、いつも刺激をいただける「id」。彼らがずっと挑戦を続けているように、自分もこの受賞で止まることなく、ひとつの通過点としてこれからも頑張りたいと思います。
SILVER Prize イグチトモコ(hair Freak)
BRONZE Prize JUN(GO-EN)
IMPRESSIVE Prize 小林賢司(LECO)
IMPRESSIVE Prize 古庄真也(SOFU Men’s Grooming Salon)
SPECIAL Prize 古庄真也(SOFU Men’s Grooming Salon)
INTERNATIONAL Prize Umi(O-FU hair salon)
コンテストではあっても、単に外見だけを重視して表現するのではなく、相手や自分の内面にも向き合ってデザインしました。今回は私の心の中にある「鮮やかさ」「幸福」「健康」をキーワードに、ヘアカラーは鮮やかな多色を直感的に配置し、カットはその色を活かした動きをつけて仕上げました。衣装も私が手作りしたものです。モデルさんとの仕込みの調整や衣装の制作など色々と準備は大変でしたが、日本のコンテストで日本の美容師さんと一緒に競技して、海外の自分が賞をいただけたのはとても嬉しかったです。
■Salon Style Award
GOLD Prize 岩井涼馬(AMA TOKYO)
この部門は一般の方の投票だったのもあり、お客様がショートヘアに抱く希望や不安にできるだけ応えられるデザインを意識してつくりました。ショートは顔が小さくないと似合わないという声をよく聞きますが、そんなことはなくて、バランスで似合わせのコントロールができることを伝えたかったんです。具体的なポイントは、顔周りの長さや透け感、サイドとバックの長さのバランス、トップのボリューム、ヘアカラーの立体感で、年代的にも幅広く対応できるショートです。僕たちの職業はお客様あってこそなので、こういう消費者目線のコンテストはありがたいですし、そこで1位を取れたことはとても励みになります。こだわりを込めた作品が選ばれて、めちゃくちゃ嬉しいです。
SILVER Prize 小林秀樹(NYNY mothers 姫路南店)
BRONZE Prize 内宮夕奈(SOY-KUFU)
■Selfie Award
GOLD Prize 梶村壱心(ヴェールルージュ美容専門学校)
“自分だけの個性”を意識してつくりました。自分は身長もあまり高くないですし、元々は髪型も普通だったのですが、就活でサロン見学に行ったお店でカットカラーして、一気に個性を引き出していただいたんです。それが今回の作品を撮るきっかけになりました。3作品のうち1つ目は全身で見せる引きの表現。2つ目は派手な髪色が映えるように腰上の画角に。そして3つ目は、パンクロックっぽいマレットヘアに合わせて、夜の高架下というロケーションにもこだわって撮影しました。これからは、自分がモデルさんに施したデザインで賞を取れるようなスタイリストを目指して頑張っていきたいです。
SILVER Prize 山本琉風(中日美容専門学校)
BRONZE Prize 江藤未紗(タカラ美容専門学校)
SPECIAL Prize 横山大輔(ヴェールルージュ美容専門学校)
またセレモニーでは、次回開催の情報が発表された。次回「id2024」の開催は、「Creative Design Award」が6月頃にエントリーが開始、「Salon Style Award」及び「Selfie Award」は9月頃からのエントリー開始となり、ファイナルステージは2025年2月18日に東京国際フォーラムでのファイナルステージ開催が決定している。
※敬称略
※インタビュー記事は、全カテゴリーのGOLD Prize受賞者及びINTERNATIONAL Prize受賞者にセレモニー終了後、小誌編集部がインタビューを行ったコメントです