新理事長に藤原國明氏が就任
第82回通常総会/全美連

全美連(吉井眞人理事長)は5月30日午前11時から都内代々木の美容会館9階ホールで第82回通常総会を開催し、令和6事業年度事業計画および同収支予算(案)の承認に関する件など全議案を承認可決した。任期満了に伴う理事の選任では新理事長に藤原國明氏、副理事長には町田仁一、野本義久、北里哲郎の各氏が選ばれた。

総会は議長団に山川浩(宮崎県)、野村敏夫(千葉県)、北里哲郎(大阪府)の各氏を選任して始まり、吉井理事長は挨拶で「規制緩和の話が出ているが我々の業界への影響にも注意が必用だ。また、昨今はAIがどんどん進化しており世の中は物凄いスピードで変化している。スパコンも今やAIを使っており、韓国では数年前から美容業界にもAIが導入されている。似合うヘアスタイルをAIに聞く時代が来ている」と述べ、世界の捉え方や対応を変えていくことの重要性を強調した。

総会には高市早苗経済安全保障担当大臣、橋本岳衆院議員、山口那津男公明党代表、根本匠元厚生労働大臣、金田勝年元法務大臣、田村憲久元厚生労働大臣、諏訪克之厚労省生活衛生課長、塩崎彰久厚生労働大臣政務官、安達佳弘厚労省参事官、佐々木裕介(株)日本政策金融公庫常務取締役、衛藤晟一衆院議員など多数の来賓がかけつけ祝辞を述べた。

この中で、規制改革がらみで令和5年末に(一社)日本ビューティー創生本部から特区提案として出された「理容師資格取得における新たな修学方法」問題について言及した田村憲久氏は「理容学校の理容実習における実務実習時間が既存課程では2年間で120時間までとなっているが、新課程では2年目に1200時間と大幅に増やしている。サロンの現場で安く使えるようにする質の悪い規制改革だ。万が一これが実現するようなことになれば美容への影響も心配される」と語った。

厚労省の諏訪生活衛生課長は「コロナが明けて美容をはじめとする生活衛生関係業種の客足も少しずつ戻りつつあるが、いっぽうで資材や人件費等が上がっており収益的にはまだまだという感じだ。その意味では、美容業などはお客様の理解を得ながらいかに価格転嫁を図っていけるかが業界浮上の大きなポイントになろう。組合運営の様々なシーンの中でデジタル化を推進することも求められる」と述べた。続いて組織強化事業の一環として行われた「組合員プラスワンキャンペーン」で目標を達成した広島県、福岡県に対し吉井理事長から表彰状が贈られた。このあと1号議案から議案審議に入り、吉井理事長による提案理由の説明や組織強化、事業・教育、連携事業・デジタル化推進など各委員会の委員長報告が行われた。

新理事及び役職(注:◎は異動のあった美容組合)

▼理事長=藤原國明(北海道)▼副理事長=町田仁一(群馬県)、野本義久(富山県)、北里哲郎(大阪府)▼常務理事=今野仁(宮城県)、野村敏夫(千葉県)、山口雅生(岐阜県)、粟津暢彦(京都府)、山本拓治(広島県)、谷上司(鹿児島県)、山川浩(宮崎県)▼理事=嶋田徹也(◎青森県)、佐々木靖(岩手県)、明石徹(秋田県)、桑原通夫(山形県)、五十嵐康之(福島県)、渡辺稔(◎栃木県)、志村勝美(茨城県)、高野春夫(埼玉県)、金内光信(東京都)、中野利彦(◎神奈川県)、澤登れい子(◎山梨県)、竹内聖二(新潟県)、成迫博(◎長野県)、中谷徹夫(◎石川県)、山田剛士(福井県)、武田則子(静岡県)、中尾博志(愛知県)、松谷秀嗣(◎三重県)、玄田宗七(滋賀県)、吉井眞人(奈良県)、村田博文(和歌山県)、福井佳徳(◎兵庫県)、正田眞弓(鳥取県)、中嶋實人(岡山県)、大嶋朋幸(島根県)、佐竹章宏(山口県)、川原陞(香川県)、原恒子(徳島県)、梶原絹代(◎高知県)、岡西ヨシ子(◎愛媛県)、安森民樹(◎福岡県)、今村芳幸(佐賀県)、山口敦子(長崎県)、片山和隆(熊本県)、河野正也(◎大分県)、山内優子(沖縄県)▼監事=飯田恵子(千葉県)、金澤晶子(和歌山県)

※藤原國明氏の原は、「がんだれ」の中の「日の上にある 、(てん)」が無い」原

挨拶する吉井理事長

選任された議長団(右から北里、山川、野村氏)

田村元厚生労働大臣

諏訪厚労省生活衛生課長

新執行部。前列右から町田副理事長、藤原理事長、野本、北里の各副理事長。後列は右から谷上、山本、粟津、山口、野村、今野の各常務理事(注:新理事長推薦による山川常務理事は議長団の写真を参照)

取材:小牧 洋