デザインのチカラで空間体験を豊かに。デザイン力・設計力・提案力の向上を目指す
デザインコンペ「TBCA」/タカラベルモントグループ

タカラベルモント株式会社(吉川秀隆代表取締役会長兼社長)をはじめとするタカラベルモントグループは、2024年7月26日(金)にデザインコンペ「TBCA(Takara Business Creation Awards) 2024」(ティービーシーエー(タカラ ビジネス クリエーション アワーズ) 2024)を開催した。

このコンペは、デザイン力・設計力・提案力の向上を目的に、全国のタカラスペースデザイン所属の全国のデザイナーが設計した理容・美容サロン、デンタル・メディカルクリニックの中から、特に優れたものを選出しているコンペティションで、今回で34回目の開催。日本を代表するデザイナーや業界ジャーナルも審査に加わり、業界の動向を捉え、今後のコンセプトを探求していく場となっている。

所属デザイナー約100名によって、昨年4月~今年3月の間に手掛けられたサロン・クリニックの中から、一次審査で60作品を選定。さらにその中から、最終審査対象としてノミネートされたサロン部門11作品・クリニック部門6作品、計17作品について、デザイナーが自らデザインのコンセプトや設計のポイントなどをプレゼンテーションした。。

当日は外部審査員として、二俣公一氏(ケース・リアル株式会社/KOICHI FUTATSUMATA STUDIO及び神戸芸術工科大学客員教授)、荒尾宗平氏、荒尾澄子氏(SIDES CORE)、中本尋之氏(FATHOM株式会社)を、またファシリテーターとして塩田健一氏(株式会社商店建築社 月刊商店建築編集部 編集長)を招き、厳正な審査が行われ、設計デザイン賞 金賞をはじめとする各賞が決定した。

【サロン部門 設計デザイン賞 金賞】

TEAL barber
デザイナー:湯口 巌

サロン部門 設計デザイン賞 金賞に選出されたのは「TEAL barber」。築50年のマンションの1階にある、1席のみのメンズオンリーサロン。クライアントから提示された写真や、「ゆったりした時間」「飾らず落ち着く居心地の良さ」などのキーワードからオープンエアが感じられる軒下やピロティといった屋外空間をイメージし、巨大な壁や梁、土壁や古板など荒々しく外をイメージさせる構造や素材で空間を構成。

また、1席のあり方にフォーカス。席を囲むように段差や壁を配置し、開放感や広がりと同時に、落ち着きや安心を感じられる空間をデザインしている。

審査員からは、「空間に対する理解力が非常に高く、気持ちの良い空間」「テクニックと感性で総合的にオーナーの想いを具現化できている」「素材はもちろん、余白や陰影の使い方が秀逸」などと評価された。

サロン部門では、その他に銀賞4作品、特別賞2作品が選出された。

【サロン部門 設計デザイン賞 銀賞】

tukka
デザイナー:林 優佑

住宅街にある1席のみのひとりサロン。
非日常空間を意識し、入り口からセット面へのアプローチにフォーカス。建物の構造上存在する幅2mの細長い空間にカウンターを配置し、受付・店販・展示スペースとしての機能を設けた。この空間の天井を下げ、照明を入れることで「光のトンネル」とし、ゲストはここをくぐることで奥のプライベート空間へと気持ちを切り替えながら進んでいくことができる。白く抽象的な「トンネル」とは対照的に、セット面やシャンプースペースには木目を使用し、温かみのある空間とした。

Arete
デザイナー:湯口 巌

ご夫婦による小さな美容室。それぞれがスタイリストで顧客を持っていることから、2席が独立しつつも、一体感のある空間が求められた。そこで、スケルトンの空間に東屋を配置。その中で2席をミラーではっきりと隔て、「2つで1つ」というサロンコンセプトを表現した。また、建物内に東屋を配置した入れ籠状の構成を取る事で、囲われつつも周囲を見渡すことができ、落ち着きと拡がりの両立を実現。高床と光屋根が、席での非日常感・特別感を演出している。
毛髪のダストシュートや建築設備の目隠し、作業に適した影の少ない拡散光など、東屋が諸課題をさりげなく解決し、丁寧なサービス、特別な体験を実現する空間を構成した。

Private salon u
デザイナー:松原このみ・小林昌平

1席のみのプライベートサロン。
窓から漏れる光から着想を得て、自然光をデザインに取り込むことにした。セット面の壁を空間に対して斜めに配置し、壁面を自然光がなめる(横から光があたる)ように計画。壁はアールにすることで、光のグラデーションを楽しめるようにした。大きな梁を天井内で処理し、全体の天井が低くならないよう、セット面の上のみに大きな丸い折り上げ天井を造作し、空間の広がりを意識しデザインした。

LAMIN
デザイナー:湯口 巌・青木拓己

都内と千葉県内に複数店舗を展開するサロンの支店。美容室らしさにとらわれず、かつ普遍性を持つデザインが求められた。機能面としては、セット面を3列に分けて回遊動線を確保。1列はメイクにも対応し、スクリーンで仕切ると着付けや練習ができる空間に。残る2列は入社式などのイベントにも対応でき、さらに鏡の効果による拡がりを加えた。細部では、梁の両脇に設けた凹みにライン照明を隠し、屋根の隙間から漏れ入る光として表現。陰影と質感、見え隠れ、多様な場、ほど良い一体感などの視点からトーンを整え、落ち着きや品が感じれられる居心地の良い空間をデザインした。

【サロン部門 設計デザイン賞 特別賞】

kalanchoe
デザイナー:湯口 巌

imaii k-aura
デザイナー:堀川 塁

【ジャーナル賞 新美容出版賞】

kokyu
デザイナー:中村まい






その他のジャーナル賞
髪書房賞:imaii k-aura/デザイナー:堀川 塁
髪の文化舎賞:yohaku/余白/デザイナー:嶋木 良
コワパリジャポン賞:yohaku/余白/デザイナー:嶋木 良
ヘリテージ賞:Sign/デザイナー:篠崎 海
理美容教育出版社賞:THE BARBER YOUBON/デザイナー:篠崎 海

クリニック部門 設計デザイン賞
金賞:Sayaka Slowa Cilinic(美容皮膚科)/デザイナー:湯口 巌・岩浪栞奈・法喜 直
銀賞:TOTAL TOOTH TREATMENT(歯科)/デザイナー:城間俊一・三重野 龍
銀賞:ふくおか眼科クリニック中野(眼科)/デザイナー:堀川 塁
特別賞:白山かわはら整形外科(整形外科)/デザイナー:小林昌平

※氏名全て敬称略